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【HUGノート】何をお店で売ろうかな

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。12月と1月の「あそびクエスト」は初の連続企画。2ヶ月で準備と販売体験をする「お店屋さんごっこ」に挑戦しました。今回は12月の「お店準備」の様子をレポートします。

私自身の葛藤

実はこの連続企画、私自身は少し葛藤もありました。今のあそびクエストの参加者は幼児〜中1まで。小学校低学年くらいは楽しめそうだけど、高学年の子や中学生はどうだろう…?

でもこれまではアート系のプログラムが多くて、他の子どもとのコミュニケーションの様子が見えていないという課題がありました。

そして何より遊びの中で、子どもたちがおつりの計算とかお金の感覚をどのくらい持っているのか知りたい…!!!

でも、「なんで私は葛藤しているの?」と改めて考えると、「お店屋さんごっこ=子どもっぽい」という私自身の思い込みがありました。

いやいや。あそびクエストは「大人も子どもも全力で楽しむ」がテーマ。大人もワクワクする企画にすれば、年長の子どもたちも楽しめる企画にできるはず!

ほかの検討メンバーと話しながら、どうやったらみんなが楽しめるものになりそうか、知恵を絞って取り組みました!

どんなお店にしよう?

「何屋さんでもいいよー」とすると、お店が乱立したり、決められなくて困る子もいそう…。そんな想いもあって、今回はざっくり4つのお店をつくることにしました。

ケーキ屋さん、お花屋さん、ペットショップ、おもちゃ屋さん。製作に凝る子はガッツリ作れるように、つくるものも自由度高くいろいろ作れるように、そんなことを考えてもセレクトです。

実はいつもあそびクエストは事前にチラシをつくって子どもたちにもやること予告をしているのですが、今回の「お店屋さん準備」、思った以上に子どもたちがみんな楽しみにしてくれていました。

まなびクエストの後半、「もうお店の準備したい!」と待ちきれずに張り切っていたのは製作大臣のしょうくん(仮名)。「なんのお店やりたいの?」と聞くと当然のように「え?ケーキ屋さんだよ!」と答えます。たしかに、今日もクッキー焼いてきてくれたし、お菓子作るの大好きだもんね!

そんなしょうくんには「売るものを作るのはあそびクエスト始まってからにしたいから、どのお店をどのコーナーでやるかわかるようにコーナー名を書いておいてくれない?」とお手伝いをお願いしました。

すると、まなびクエストの時間が終わっても、ずっとコーナー名書きのお仕事に集中!こんなに素敵にコーナー名を書いてくれました。

個人的にキュンとしたのは「お花やさん」の「花」という字に、ふりがながふられていたこと。まだ漢字が読めない子どもたちに配慮してくれたんだな〜と思うと、なんだか嬉しくなりました。

いざ、スタート!

しょうくん以外にも、絵や工作が好きなみゆちゃん(仮名)やひかりちゃん(仮名)も「私は絶対お花屋さん!」と気合十分。早速ゆるく4箇所に分かれて、お店の商品作りがスタートしました。

いろんな商品を延々と作る子もいれば、じっくり一つの商品を作り上げようとする子、「看板も作ってねー」という声にすぐに看板もを作ろうとする子、本当は一月にやろうと思っていた値札付まで終わらせる子もいて、取り組みの仕方は本当にさまざま。

年長の子どもたちもそれぞれにあった難易度の商品を作ったり、大人とゆっくり話したりと、それぞれが心地よいかたちで参加をしてくれていたのかなと思います。

偶然から生まれた研究

みんなが製作に夢中になる中「ねえ、見て見て!」と楽しそうな声。なんだろう?と思うと、小2のしんやくん(仮名)が何か小さな紙を持って立っています。

「見ててね!」と言うと、その小さな紙を持った手を目一杯上に伸ばして、そこで手を放します。すると、その紙がなんだかくるくる回るプロペラのような動きをしながら下に落ちていきました。

「これ、発見したんだ!」と得意そうなしんやくん。よくよく見るとその小さな紙は、複数の端がいろんな方向に曲がっていて、そこに秘密がありそうです。

見せてくれた紙を手に取っても、どこをどう曲げているのかしくみがよくわからなくて「これ、どうなってるの?」と聞くと、「こうやって折るんだよ!」と教えてくれました。

きっと絶妙な空気抵抗が生まれてそれでこんな不思議な動きをするんだろうなぁと思っていたら、当日参加のクエストフレンドから「折り紙でも作れるよ」という提案が!しんやくんといっしょにその折り紙にもチャレンジしました。

折り紙で作ったバージョンはとっても立派!折るのは少し難しかったけど、みんなで教え合いながら折って無事にみんな完成!

かっこいい折り紙バージョンにテンションが上がる男の子たちでしたが、私はやはりしんやくんが最初に小さい紙で作ったオリジナルのプロペラが一番すごい!と思いました。そのあとも折り目の付け方や大きさなどを変えていろいろやってみる姿に、しんやくんの探究心や研究意欲を感じました。

もともと深海生物や恐竜などにすごく詳しくて、理系科目が得意そうだな〜と感じていたしんやくんですが、今回改めて彼の理系な一面を見ることができました。

それぞれのお店準備が進んだよ!

しんやくんのプロペラを始め、手裏剣や迷路などを揃えた「おもちゃ屋さん」、やる気満々のしょうくんがひっぱる「ケーキ屋さん」、作ることを楽しみにしていたみゆちゃんとひかりちゃんによるこだわりの「お花屋さん」、丁寧にバラエティーに富んだ商品をたくさん作っていた「ペットショップ」。

一人ひとりが、好きなものを使って、好きなように商品を作ってみた結果、なんだかワクワクする開店準備が整いました!

これらをお店に並べての販売体験は来月。どんな時間になったのか、また改めてレポートしますのでどうぞお楽しみに!

楽しみ方を決めるのは子どもたち

今回、元々は「年長の子たちも楽しめるかな…」と少し心配していた私。改めてあそびクエストに取り組んでみて、私に先入観があったんだな〜と感じました。

私たちは時間の枠と素材を提供しているだけ。この時間をどんな時間にするか、何を楽しむかは、子どもたち自身に委ねています。

私たちがやっているのは「これをやって」と指導することではなく、「今日はこんなテーマで一緒に遊ぼう!」と提案すること。遊び方・楽しみ方は子どもたちそれぞれが決めていて、その楽しみ方は本当に無限大だなと思います。

今回のしんやくんのように理科実験的に遊びが発展することもあれば、しょうくんやみゆちゃん、ひかりちゃんのように製作自体に夢中になることもある。上の学年の子達は「作ること」よりも「活動しながら大人たちと話すこと」を楽しんでいた子もいたようです。

私たちも気負いすぎることなく、たくさんの自由と選択肢がある、余白のあるあそびクエストを作っていこう!と改めて感じた一日でした。

来年度から、あそびクエストは新しい取り組みに挑戦しようと思っています。またみなさまにチャレンジをご報告したいと思うので、これからも応援よろしくお願いします!

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