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【あややノート】第4回 新年度を迎えて

こんにちは、HUG for ALL代表の村上です。今回のあややノートは「新年度を迎えて」がテーマ。活動を始めて6年目になる今年。改めて最近の状況や、2022年度のことをみなさんにお伝えしたいと思います。

最近のHUG for ALLの活動

コロナに翻弄されながらではありますが、1施設目・2施設目共に支援を続けています。

2016年度から支援を続けている1施設目では、次年度新たに4人の新1年生を迎え、小1~高2までの合計28名の支援を行うことになりました。コロナ感染防止対策で施設内にボランティアが立ち入れない状態が続いているものの、各年代でオンラインでの支援を継続して行っています。

1施設目の支援は6年目。当時小5だった子たちは高2になり、施設を出てからの生活のことを本気で考え始める年齢になりました。施設を退所したあとも、彼ら・彼女らを支え続けるためのしくみを、これから2年かけてしっかり整えていきたいと思います。

2021年度10月から支援をはじめた2施設目は、まずは今年度一緒に活動をはじめた10名の子どもの支援を継続する予定です。

年長さん~中1と、子どもたちの年代もさまざまで、それぞれの子どもや施設の状況に合わせて、いま職員さんと活動内容や進め方を相談中です。次年度は「あそびクエスト」も積極的に取り入れつつ、今年度とは少し形を変えて活動することになりそうです。

2022年度に進めていきたいこと

2022年度は、まずは今支援している2つの施設での活動を、しっかりと形にしていきたいと考えています。

特に今年度力を入れていきたいのは、新たにプログラムを開発中の中学生以上向けの「はたちクエスト」です。この「はたちクエスト」は、子どもたちを社会に迎え入れるためのプログラムで、中学生~退所後25歳くらいまでを対象としています。

図2

まずは1施設目で、この春から中学生向けと高校生向けに分けて、プログラムを実施していきます。施設とスケジュールを調整して、子どもたちの様子を見ながら、プログラムをつくりながら、活動を進めていきます。

いま、昨冬から「いっしょに考えたいよ」と手を挙げてくれたHUGメンバーのみんなといっしょに、プログラム開発をしています。今いる子どもたち一人ひとりの顔を思い浮かべて、子どもたちの”生きる力”を育むためにどうすればよいかを考えることは、楽しいけれどもやっぱり大変です。

それでも、みんなとわいわいと、それぞれの子どもの未来を想像していると、なんだかとても幸せな気持ちになります。

社会のことや世の中のこと、これからのくらしのことと、子どもたちといっしょにわくわくしながらまなんでいくことは、子どもたちの可能性を広げ、それぞれの力を発揮する未来につながっていくと思います。子どもたちがそれぞれの人生をどうデザインしていくのか、これからがとても楽しみです。

また、もう一つ力を入れてきたいのは、2施設目で月1回実施する予定の「あそびクエスト」です。多様な体験を通して、子どもの個性や可能性を見つけて育むことを目指すこのプログラムを、職員さんと相談しながら進めていきます。

図3

サイエンス・テクノロジー・アート・運動・対話など、さまざまな”体験”ができること。それを通して子どもたちの「好き」や「得意」、「たのしい」「うれしい」「がんばりたい」などを見つけていくこと。「まなびクエスト」だけではなかなか見ることができない、子どもたちのいろんな姿を、たくさん発見していきたいと思います。

個人的には、「あそびクエスト」は、いろんな可能性を秘めたプログラムだと感じています。ただの「体験活動」ではなく、社会とのかかわりを持ったり、子ども自身で考えて工夫して発展させたりしながら、いろんな挑戦ができる場にできるはず。私たち大人側も。子どもたちといっしょにわくわくしながら、さまざまな挑戦をしていきたいと思います。

「あそびクエスト」については、「HUGノート」でも発信していく予定です。「あそびクエスト」が2022年度にどんな進化を遂げていくか、見守っていただけるとうれしいです。

オンライン支援と訪問型支援

今、1施設目はオンライン型、2施設目は現地訪問型で活動をしています。

現地訪問型で活動をすると改めて、「現地に行って子どもたちに会う」って、すごくパワフルなことだと感じます。一人ひとりの顔や姿、職員さんやほかの子どもとの関わり方がわかり、いっしょに時間を過ごして、その場で起きるいろんなことを共有する。子どもと向き合っているときはほかのことを考える余地はないですが、終わったあとに振り返ることで、その場でたくさんの学びが生まれていたことに気づいたりもします。

一方、オンライン型は、どんな状況でも参加できるというメリットがあるものの、やはり対面型にはない難しさがあります。画面をOFFにしたりミュートにしたりされてしまうと、子どもの反応が全く分からない。画面上では子どもの状況や気持ちが捉えづらい。他の人たちがどう子どもたちとかかわっているかがわからない。そんなもどかしさや寂しさが出てくるのは、”オンラインならでは”です。

1施設目はコロナの影響で2020年度のはじめからオンライン型支援を開始して、今年度でオンライン3年目になります。「子どもたちにリアルに会いたい」「オンラインにちょっとつかれてきた」という思いを伝えてくれるHUGメンバーもいます。

本当はリアルで会いたい。訪問型で支援をしたい。私の中にもそんな気持ちはありますが、一方で「オンラインであってもつながり続けること」にも大きな意味があると、私自身は考えています。

コロナ禍で外部との交流がなくなることは、子どもたちの生活にも大きく影響しています。家族との交流にも制限があったり、外に遊びに行くことや、みんなで外食すること、施設内のイベントで集まることも、これまでのように簡単にはできなくなってしまいました。

そしてひとたび感染者が出ると、それぞれのホームから、子どもも職員さんも出られなくなってしまいます。濃厚接触者となると、学校にも行けなくなったり、他の子どもや職員さんとの交流も控えなくてはなりません。

そんな生活を続けることは、子どもたちにとっても職員さんにとっても、とてもストレスフルなことだと思います。そんな中で、たとえオンラインであっても、施設の外の大人とつながり、定期的に対話をしていくことは、子どもたちや職員さんの孤独感や孤立感をやわらげることにつながるのではないかと思うのです。

きっと今年度中には、1施設目の子どもたちともリアルで会える日が来ると信じて、今はまず、オンラインでできることをしっかりとやっていきたいと思います。

そして、訪問型での活動ができている2施設目は、その利点を生かして、しっかり子どもたちに寄り添い、力を育むことができるように、活動を続けていきたいと思います。

2022年度もHUG for ALLはいろんな挑戦をして、いろんな変化を乗り越えていきたいと思います。引き続き、応援いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

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