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【HUGノート】「はたちクエスト」始動!

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。少しご報告が遅くなってしまいましたが、今回は今年度から正式スタートした「はたちクエスト」のことをお伝えします!

はたちクエストって?

はたちクエストは「子どもたちを社会に迎え入れる」がコンセプト。社会のことや仕事のことを知り、自分の興味関心や好き・得意を踏まえて将来を考え、進路や生活をデザインしながら、未来に向けて一緒に備えていくプログラムで、中学生から退所後25歳くらいまでを対象にしています。

今いっしょに活動しているのは中1〜高2までの子どもたちなので、今年度は中1〜高1を対象にした「基礎編」と、高2を対象にした「準備編」の2ラインを展開しています。

今回は高2生との「準備編」から感じたことをご紹介します。

「未来を考える」ということ

「はたちクエスト」はこの春始まったばかり。「準備編」では、まずは一緒にふんわりと未来のことを考えてみることから始めました。

未来のことを考えるのって、実は機会がないとなかなかできないことだなと思います。「中学生だから/高校生だから、考えるはずだ」っていうのは大人側から見た事情。子どもたちだって私たちと同じように、日々を生きるのできっと精一杯のはず。

だからこそ「考えておいて」というのではなく「どうしよっか」っていっしょに考えることに価値があるんじゃないかなと思います。

実は私がこんなふうに考えるようになったのは、「はたちクエスト」をはじめてから。それまでは当然のように「みんな自分のことだし、未来のことは考えるよね!」って思っていました。

でも、私たちと対話をする中で、子どもたちがどんどん自分の中にある願いやイメージに気づいていく様子をみて、「こういう機会を作るって大事なんだ」ってことをしみじみ感じたんです。

未来のイメージを聞く問いに対して「え?考えてなかった!!!」と言いながら、一生懸命考えて答えを出す。そのとき初めて具体的に考える。このプロセスがすごく大事な気がしています。

一人で考えられることには限界があって。大人が「こんな切り口もあるよ」って問いを投げかけることで、子どもたちの未来への解像度が上がっていく。これは実は「はたちクエスト」のすごい価値なんじゃないかなと思います。

今回いっしょに話したこと

5月と6月のはたちクエストでは、子どもたちといろんなことを話しました。その中でも盛り上がったの、2つのテーマについてご紹介します。

はるあきくん(仮名)は「19歳からひとり暮らしをする」と言いました。「別に部屋は狭くてもいい」とのことなので「ユニットバスでもいい?」と聞くと「えー、それは嫌だ」と水回りにはこだわりも!「ごはんは多分作らないから、近所にコンビニかスーパーがあればいい」という言葉を聞いて、「すでに一人でくらすイメージをもててる!」と少しうれしい気持ちになりました。

でも「高校出るときって、まだ18歳じゃない?19歳になるまでどうするの?」と聞くと、「あれ?」という顔に。「考えてなかった〜!」と少し照れ笑いしながら「こうしようかなぁ」と自分で考えているはるあきくんに頼もしさを感じました。

さらちゃん(仮名)は「妹といっしょに住む」と言っていました。「妹が病気してないかとか、ケガしてないかとか、どこかで事故してないかとか、気になりすぎるから…。だから、いっしょに住みたいんだ。」という妹を想うが故の「いっしょに住みたい」。その気持ちにきゅんとしました。

また、さらちゃんに「部屋へのこだわり」をきくと、「妹といっしょに住めれば、別にどこでも。古くても平気!」と言っていました。ただし唯一の条件は「駅から遠いほうがいい」ということ。え?近いところじゃなくて?

「妹が可愛すぎるから駅から変な人がついてくるかも。家が近いと、家がわかっちゃうから危ないでしょ!」というさらちゃん。いやいや、さらちゃん自身の身の安全も意識して~!(笑)

そのあと、「駅から遠くて暗い道だと危なくないかな?」という話になり、「駅から遠いけど、明るい道を通って帰ってこれるところ」という条件になりました!

誰と住むか、どこに住むか。この1つのテーマだけでもたくさんの発見がありました。

はるあきくんは、「好きなゲームやマンガの新作が出たら買えるようになりたい」と言っていました。お友達や家族とは、適度な距離感のある場所に住んで、自分の時間・自分の生活を大事にしたいそうです。

マイペースだけどすごく優しい彼だからこそ、自分自身の好きなことに没頭できる時間を作れるように、まわりとの距離感が必要なのかな。ちょうどいい距離感を今から考えられているのはすごいな。そんなことを思いました。

さらちゃんのやりたいことは…なんと「ダイエット」!やせるためというよりも「腸にいいダイエット」がやってみたいとの言葉に再びびっくり。

「これまではダイエットしたことあるの?」と聞くと、「食べるものがあるのに食べないのはもったいないから、ダイエットはしていない」とのこと。作ってくれた施設職員さんたちのことを思うから出てきた言葉のような気がして、さらちゃんのやさしさにほっこりしました。

ちなみにやってみたいのは「もやしダイエット」。「ダイエットできて、節約にもなって、一石二鳥じゃない?」という言葉に、思わず「なるほど~」と納得してしまいました!

さいごに

5月~7月に実施した「はたちクエスト」を通して、子どもたちと共に「未来への解像度」をあげていくことができているように思います。また、同時に、子どもたち一人ひとりの個性や価値観、素敵なところがたくさんたくさん見えてきました。

子どもたちの未来にダイレクトにつながるこのプログラムは、こどもたちにとって、そしてHUG for ALLにとって、とても重要なものになりそうです。

目の前の子どもたちに必要なことは何だろう?ということを考えながら、これからも「はたちクエスト」のトライアルを続けていきます。引き続き、応援よろしくお願いします。


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