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【あややノート】第9回 HUG for ALLのはじまりの話

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。9月になって急に朝晩が涼しくなりました。子どもたちも楽しい夏休みが終わって、それぞれの2学期を迎えたようです。

この夏、「HUG for ALLってどういうきっかけで始めたの?なんで今この活動をしているの?」という質問をいただく機会が何度かあって、そういえば活動の変遷ってあまりお伝えしていなかったなと気づきました。そこでこれから何回かに分けて、HUG for ALLの活動開始からこれまでのことを振り返ってみたいと思います。

第1回の今回は、2016年~2017年。ボランティアチームとしての活動開始と、NPOとしての団体設立までの「はじまり」についてです。

2016年5月の出会い

HUG for ALL立ち上げのきっかけは、現在も活動を続けている1施設目の施設職員のかたとの出会いでした。当時関わっていたNPO、ブリッジフォースマイルの担当者の方から、「施設内の子どもたちの学習にデジタル教材を導入してみたい」というご相談があるときいて、お話を伺いに行ったのがスタートです。

「デジタル教材は使ってみたいけど、一人ひとりの取り組みの有無を確認できるかどうか…」という話から、子どもたちの「デジタル学習を見守るボランティアチーム」を組織することになったのが、実は活動のきっかけです。

当初の一番の目的は「デジタル教材の見守り」。でも、知らない人から「今日もがんばったね」などの見守りメッセージが来るのも変なので、だったら毎月いっしょに勉強したり遊んだりしてみましょうという取り組みでした。

当時から決めていたのは「子ども1人に2人以上の”担当の大人”がいる状態にする」ということ。5月にボランティアチームの立ち上げを決めて、11月の活動開始までに、Facebookや社内のイントラで仲間を募集して、一人ひとりに活動の趣旨を説明して仲間を集めたことは今でも覚えています。

実際の活動開始はその年の11月。当時の対象児童はグループホームで生活する計11名の子どもたちで、小2・小4・小5の男の子が5人、小3と小5の女の子が6人でした。最初は、デジタル教材の使い方をいっしょに確認するところから。子どもたちみんなが大きな部屋に集合して、1時間勉強したあと1時間いっしょにあそぶというスタイルでした。

当時のあそびのメインはグラウンドでのサッカー。今でも当時小5(現高2)の子どもたちが、久しぶりに会うHUGメンバーに「〇〇さんって昔いっしょにサッカーしたよね」と声をかけてくれることがあります。担当のHUGメンバー以外の大人たちとも自然と交流が生まれていたのは、この自由なあそびの時間の賜物だったように思います。

NPO団体HUG for ALLの設立

活動開始と並行して始めたのが、NPOの設立準備です。ボランティアチームの立ち上げについていろんな人に相談する中で「だったら団体を作ったほうがいい」とアドバイスをもらったからです。

実は、HUG for ALLという団体名を考えたとき、一番最初に私の中にあったのは「すべての子どもたちに安心できる居場所を」という言葉でした。活動を通して、子どもたちの学習の見守りをする大人たちが、子どもにとっての「安心できる居場所」になれたらいいという想いは当初からあったように思います。

ただ、団体の立ち上げと並行して他団体でのボランティア活動をしたり、教育関連の様々な人たちと対話をする中で「安心できる居場所と同時に、子どもたち自身の”生きる力”」も必要だと思うようになりました。

そこで、最終的に団体を立ちあげるときには「すべての子どもたちに安心できる居場所を生きる力を」という願いを掲げるようになったのです。

活動を始めての意識変化

活動を始めて一番意識が変わったのは「安心できる居場所」についてでした。私たちHUG for ALLのメンバーも、子どもたちにとっての「安心できる居場所」のひとつにはなれるかもしれない。でも、なにより子どもたちにとっていま大切な「安心できる居場所」は、毎日の生活に寄り添ってくれる施設職員の方々なのだと実感しました。

また、活動内容と団体としての願いのギャップも感じていました。「デジタル学習」の見守りが子どもたちの「生きる力」につながるんだろうか…というのは、活動を開始して最初に感じた悩みでした。

実はこのあと、「都立高校入学をねらえる評定3.5を目指す」という目標設定をしていた時期もあるのですが、その話はまた次回。

さいごに

活動を開始してそろそろ丸6年が経とうとしています。団体設立からはもうすぐ5年。活動自体を広げていきたいという想いもありますが、子どもたち一人ひとりに対してやりたいこともまだまだたくさんあります。

まずはいま、支援している子どもたちの姿と、現場で子どもたちと向き合っていらっしゃる職員の方々の想いを大切にしながら、一歩一歩進んでいきたいと思います。

活動自体も一気に拡大するという性格のものではないし、これまでの歩みも地道なものではありますが、過去を振り返るとずっと変化を続けてきたのだなと実感しています。

こうやって変化をしながら活動を継続することができているのは、いっしょに活動をしてくれている仲間たちや、資金面で活動を支えてくださっているみなさまのおかげです。本当にありがとうございます。そしてこれからも、HUG for ALLを見守っていただけるとうれしいです。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

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