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「秘密の魔法の薬」制作裏話 #5(最終回)

短く

曲がやっぱり長い。話が長いからだとわかってはいる。もういっそ話が途中でも短くしてみようということでバッサバッサ切っていった。短いものに足すのば難しいが、切っていくのはそれほど難しくない。話の内容が変わらない程度に切っていく。もっとバッサリいこう。

2番はAメロを半分にしてテンポも少しあげる。Cメロを入れてもなんとか2分台になった。それでなんとかなった。テンポをあげた時の副作用か、なんだかノリのいい曲になった。ケガの巧妙ということでいいように考えよう。

この時点であと5日。ここまで来るとできるのかどうかわからない。みなさんボカコレにはずいぶん力を入れている。イラストも楽曲も力作ぞろいだろう。こんな短い時間で作っているなんてボカコレに失礼ではなかろうか。そんなことも思ったことあるが、それも含めて自分の曲。楽しんで作った方が気持ちがいい。ここまできたらできる限りのことをやる。それしかないのだ。

潜水艦

もう残り少ないのに曲ができていない。最後の一塩が足りない。何か物足りないのだ。こんな感じでシンセを入れる。「初めはおおっ、いいぞ」とか思うが何度か聴いているうちにちょっと違うなあって思うようになってくる。それを何度もやっているともうわからなくなる。毎度のことながら迷宮だ。

そんなときフォロワーさんとKORGのシンセサイザーノーチラス の話になる。最新のKORGのシンセサイザーだ。でもノーチラスと言ったらジュールヴェルヌの「海底二万里(マイル)」に出てくる潜水艦の名前だ。のちにエヴァンゲリオンの庵野監督が「不思議海のナディア」でアニメ化しているので知っている人も多かろう。それを知ってみるとKORGのノーチラス も潜水艦に見えてくる。おっと話が脱線した。

潜水艦は水中の様子を知るのにソナーを使います。そのソナー音が一定の間隔で鳴っているのを思い出しました。独特のソナー音は1番のAメロのバックに「ファーン・ファーン」となってるアレです。これを入れたことによりなんとなく魔法がかかっているイメージとつながりました。これをきっかけに魔法がかかっている様子をシンセ で表現できたのではと思う。いいひと塩になりました。いやぁ何が功を奏するかわかりませんね。無事迷宮脱出です。

イラスト

今回イラストを描いてもらった。多分ボカコレには間に合わないだろうなぁって思っていたけれど、粋さんがこんな感じでどうって言ってくれたのは細かいイラストだった。もっと簡単なのを想像していたのでありがたかった。

ドクロハートや刺繍のイラストなど細かいところまで書いてくれているので、これはアップで見せたいなと思いアップのパートも入れました。今までイラストをあんまり動かしたことがなかったので、新鮮でした。なんとか見栄えのいい動画になったのではないだろうか。ボカコレだもんこれぐらい着飾ってもいいだろう。(^^)

ボカコレ

ボカコレのルーキーは3月18日の19時から始まった。私はもうTop100なので5時間後の19日の0時からです。この時外出していたのでたくさんは聴けなかったけれど、一気に新曲の増えたニコニコはもうお祭りで、あっちこっちでみなさんの新曲が聴かれているようでした。

0時に自分の曲が投稿されて聴けるようになっていた。一つ一つカウンターが上がるのを見て感動した。一体何曲になるかわからないが、すでにルーキーである程度曲数が出ているのに聴いてくれてありがたい。いいねにコメントまでいただき感謝である。やっぱりここまで続けられてきたのは聴いてくれる人がいるからだよなぁと再認識する。小さな部屋の小さなMacから出てきた音楽を聴いてくれていると思うと感謝しかない。本当にいつもありがとうございます。(^^)

追記:倒れた後のお話

「…丈夫?大丈夫なの?」
そんな声で僕はなんだか気がついた。
うっすら目を開けると彼女が話しかけている。やった薬が効いたんだ。
「師匠、気づきましたよ。」
「よかった。もう少し遅かったら危なかったかもね。」
もう一人女の人がいるようだ。体が起こせないので初め誰だかわからなかった。「誰?」と声を出そうとしたけれど出なかった。
「声は出ないかもね。」と師匠と言われている人が話す。
「いきなり男の人連れてくるから驚いたわよ。彼氏?ではないよね。」
「違いますよ師匠。ここのところなんだか話しかけてくる変な男の人です。でもいきなり目の前で倒れるので、ほっとけなかっただけです。私は魔法を使えませんから、師匠の所まで連れてきたのです。」
「そういうことだったのね。ねえ君、しゃべることはできないけれど聞くことはできるわよね。お腹空いたでしょ。何か食べられる?」
僕は頷くと回復魔法をかけてもらって食べた。

その後家のものが迎えに来た。驚いたのでそのおばさんに聞いてみた。
「なんで僕の家がわかったんですか?」
「そのハンカチの紋章、アコニツ家のでしょ。由緒正しい貴族のお家だからすぐわかったわよ。」
驚いた。この紋章は正式な紋章ではないので知っているものは少ないはず。そのあと執事ではなく両親がやって来ておばさんに深く頭を下げている。こんな小さな魔法研究所のおばさんに頭を下げるなんて何者なんだろうこの人。

その後、忘れた頃にあのおばさんが我が屋敷やってきた。
僕と二人だけで話がしたいという。
「ご両親にも了承を得てお話しさせてもらうわね。でも言いたくないことは言わなくていいからね。」
「はい。」
「あなた魔法の薬を使ったでしょ。大丈夫、このことは他言しないわ。あなたの両親にも。あのときあなたにかかっている術式が読めなかったのよ。まだ魔力が弱い魔女見習いがやるとああなるわ。」
「すいません。」
「無理に調合した薬をたくさん服用したのね。あなたあのまま服用してたら命落としていたわよ。我が弟子テリアに感謝しなさいよ。」
「はい…。」
確かに魔法の薬をたくさん飲んだ。まさか命を落とすほどになるとは思わなかった。一体どんな魔法がかかっていたのだろう。わからず自分に魔法をかけるとは我ながら愚かだ。
「それで感謝ついでにその薬のこと教えてもらえない?たまにうちに来て雑用しながら教えてくれればいいから。ご両親の了承は取ってあるから大丈夫よ。」
「わかりました。命の恩人のいうことですから従います。」
「いい子でよかった。でもテリアはかわいい弟子なのであまりちょっかい出さないでね。」
「いえもう雑用ですから何なりと。」
「貴族のご子息だからそれなりには扱うわよ。」
いったいこのおばさん何者なのだろう。あの薬で何しようを思っているんだろう。ただただ疑問が残るだけだった。

こんな話入れたら一体何分の曲になったんでしょうね。(^^;)


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