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「地球がすき」制作裏話 #4

喜憂

さてさてお話に戻ろう。彼がいちばん心配したことといえば、やっぱり自分のことを覚えているだろうかということだ。星の代表としての顔は少し変えてある。そうじゃないと命を狙われるし、芸能人のようにキャーキャー言われる。だから女の子は地球に来たばかりの星の王子を、あの時の子供というのはよくわかっていなかった。

しかし前回のお話で、物理の時間の居眠り中にアインシュタインに追いかけられて記憶の扉を空けた。だから何となくは覚えている。しかし顔は子供だったし、うっすらとした記憶しかないだろう。今やトップスター並みの認知度を誇る星の王子がいなくなったとニュースが告げている。ふーんとは思うが特に自分の生活には関係ないだろう。ぐらいの感じではないだろうか。外国のスターが日本で行方不明になってニュースになっているぐらいの感じと言えばわかるだろうか。

特にいつも通り学校に行って帰ってくるでしょう。帰ってきたら驚いた何だかお客さんいる。ママはイケメンの同い年ぐらいの少年が訪ねてきたので招き入れている。「なんかイケメンが来ているわよ。」と言いながらニヤニヤしている。誰だろうと思って和室の応接間にいくと知らないイケメンが座っている。こっちを向いたので目があった。このときにはっと気づく。

そうあの時の子供の目と同じだ。やっぱり顔は変わっていても、目はなかなかごまかせない。特に目の中に写っているものはごまかしが効かないのでわかったのだろう。もう彼は10年ぶりに再開した結婚相手に会い、「シリウス」という言葉から覚えていてくれたと判断したのでしょう。喜んだでしょうね。10年前のこと、自分が星の王子だということ、この顔が本当の顔だということいろいろと説明したのでしょうね。

一通り終わると、もう一度「結婚してください。」とプロポーズします。ここらへんがちょっとずれているところでしょうか。お付き合いするというのは結婚を前提にという星なのでしょうか?彼の星では「付き合ってください」の代わりに「結婚してください。」と言うのでしょう。彼は真剣にお付き合いしたいと言う気持ちで言ったのですが、今日本で学生が「結婚してください」って異性から言われることはないでしょう。驚きますよね。

せっかく再会したのですが、女の子は逃げちゃいますよ。王子は先ほどまでの喜びから一転、どん底に突き落とされます。星では彼のプロポーズを断る女性などいないでしょうから、逃げられたらどうしていいかわからないですよね。同じ日本人でも男女に限らず二人の意見が食い違うことがあります。国際結婚でもそうでしょうから、星間結婚ならもっと隔たりがあるでしょう。

そう言う異文化をお互いが認められるかですね〜。王子と一般学生の恋ですからそれでも隔たりありそうです。女の子が無意識に向かってしまったのも、王子があそこに違いないと向かったところも、以前パパとママがUFOでむかえにきてくれたところだ。気があっているじゃないか、頑張れ王子、頑張れ女の子。


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