見出し画像

「くゆるかをり」制作裏話 #3

2番

彼があのとき飲んでいたコーヒーをマスターに頼みます。静かに沸騰する音と静かに流れるBGMだけが響きます。お客さんは出たり入ったり。コーヒー豆だけ買うお客さん、いっぱい飲んでは慌ただしく出ていくお客さん。ゆっくりその時間を楽しむためにやってきたお客さん。たくさんの人がやってきては出ていきます。

でも、本当に自分だけは動かずずっとそこにいる。時が止まったようにそこにいる。彼への想いが自分を動かなくしている。このままではいけないと思っているけれど動けない。頭でわかってはいるのだが。

夏の暑い時期に彼と来たときは、こんな静かな感じではなかった。いろいろなことで盛り上がっていた。彼と別の道を歩くことを後悔はしていない。ただ苦い思い出だけが、珈琲の味と重なる。

蒸気上がり広がる香り
静かに時が流れてく
面影探し周り見たけど
窓の外は枝だけの木

止まった時間を見捨てるように
私の周り流れていくだけね

目の前にいたあなたいない
今の私ただかをるだけ
あの時まだわからなかった
心の中と珈琲の味

くゆるかをり 2番

アレンジ

静かなジャズをモチーフにしたので、ピアノ、ベース、エレピあたりで作っていった。ドラムも静かにたたいてみた。それぞれをMIXして組み合わせていった。いい感じにはなってきたが、このあとどうすればいいんだ。ミクちゃん合わせ5トラックしか使っていない。トラック数が少なくて何とか聴けるようにするには、熟練の技がいるはず。私にはちょっと難しい。何か足したい。でも何を足すんだ。ここは最大のピンチ!でも解決策は見つからない。う〜ん時間だけが過ぎていく。

たぶんここで1週間経ってしまった気がする。いや気ではない、経ってしまったのだ。焦ってきた。もう焦っていたも仕方がないということで山を歩く。そう、仕方なく山歩いているんですよ。でも富士山方面に行った時は山が楽し過ぎて何にも出なかった。

ということでいつもの山に行っているときに思いついたことがある。どちらかというとメロディー刻み気味て伴奏がゆっくりだった。ゆっくりボカロ曲ということでゆったりにしたのだ。でもどうもそれが良くなかった。だから逆にしてみた。メロディーをゆっくりにして伴奏を刻み気味にしてみるのはどうだろうか。うんやってみよう。

おっ、なかなか良いではないか。こっちの方が自分は好きだ。でもこれBPMが2倍になって規定違反になってしまうのでは?でもテンポとってみるとたぶん大丈夫。ここからはビビビ~っと進んで行きました。1週間を取り戻すように進んで行きました。やっぱり山歩きはいいなぁ。(^^)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?