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日が沈み三日月が出ていた。 昼の間中お日様の後を追いかけているが見えない。 お日様が隠れたとたん姿を出す。 そしてお日様を追いかけるようにすぐに沈んでしまう。
もうすぐ夕日が落ちるときこの畑の脇を通る。 だんだん日が短くなってきて、これから後はこの場にいられない。 なんともない畑の隅で、今日もドラマチックに命が燃えてく。 これに立ち会えたことは幸せだ。
畑の隅っこに植えられているキクが咲いてきた。 大輪のように目立つように咲くのだろう。 咲いたら太陽のように明るいのだろう。 寒くなる前の今を照らしておくれ。
街では少しずつ紅葉が始まってきているが、 1000m付近ではもういろいろと色づいていた。 影絵のような幹の向こうに、 いろいろな色の彩りが見える。
ゆっくりと霧雨のような雨が降っていた。 凍えるような朝ではないので水滴をまとっていた。 お日様を求め開こうとしているのか、 私に逢うため開こうとしているのか。 どちらなのかわからなかった。
アスファルトの上をクズの蔓が伸びていた。 この先土があるところは狭いがある。 でもどうしてそこを目指しているのだろうか。 君にとっての楽園があるからだろうか。
ソメイヨシノはもうずいぶん落葉してしまった。 暑い頃から落葉するので今日の青空がきれいだ。 下のシダレザクラはまだ色を失いつつある葉っぱをつけている。 みんな自分のペースで今を過ごしている。
今日は冷たい雨が降ってきた。 夏の間青々としていたアサガオの葉の上にも降ってきた。 雨が葉を濡らし地面へと吸い込まれるとき、 アサガオの命は天に向かって昇華する。
橙色の彼岸花が咲いていた。 もう直ぐ霜月だというのに咲いていた。 ここは東京のど真ん中。 それでも季節を教えてくれる。
ビルの前にちょっとだけ花壇があった。 でもあんまり手が入れられていない様子。 そこでシュウメイギクが咲き始めていた。 忘れられてもきちんと咲くんだね。
街路樹のハナミズキが色づいてきた。 まだそんなに赤くはなっていないが、この木だけ真っ赤だった。 ちょっと早い秋の訪れに周りの木もびっくりしていた。 自分が感じたことを信じるのは勇気がいりますね。
キクの蕾が上がってきた。 しばらく見ない間に大きくなってきた。 早く花に会いたい気持ちもあるが、 これが咲き終わるとき季節が終わる。
少しずつ秋がせまってきた。 急に赤くなった紅葉は、秋を感じる。 街にいると気づかない秋を、 教えてくれてありがとう。
畑に一つナスが残された。 しわしわになり乾いてきていることだろう。 でもそのシワひとつひとつに生き様が現れており、 生を感じてしまった。