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31日目 スペイン・ポルトガル 3,000kmのロードトリップスペインベテラン撮影コーディネーターのぶらり旅

31日目

今日はいよいよ新たな旅立ちの日。起きてすぐタオルやシーツの洗濯。朝食後掃除。この素晴らしいオーシャンビューのペントハウスでほぼ1ヶ月、快適に過ごさせてもらえ、本当に感謝。荷物を積み込みいよいよ出発。

思いがけずひまわりが見られた

今日の予定は、オポリーニョのWさんの会社に家の鍵を届け、レオンのcarvajar de fuentesのAの友人を訪ね、Astorgaでガウディの宮殿を19時に見る予定。しかし掃除に時間が掛かり、出発予定を40分超えた。オポリーニョでMさんに鍵を渡す。彼女とは一度もゆっくり会えずに残念だった。

レオンへはオウレンセを通ってマドリッド方面に行くリアスバイシャ街道を通る。途中何箇所も道路工事で一車線通行、しかし実際に働いているのは一箇所だけだった。こまめに通れるようにすれば渋滞を回避できるのに、とブツブツ。
ガリシア地方からカスティージャイレオン地方に入っていくと、景色は急に地平線が見えるようになり、広大な畑が広がっている。建物も全く違う様子になり、景色がガラッと変わる。途中思いがけずひまわり畑をたくさん見た。マラガでは6月頃咲くので、この辺りは随分遅く予想外でうれしい。昨今雨が降らずオリーブの不作でオイルの値段が高騰したので、ポーランドなどで作った安いものがあるから作るのをやめていた農家も、またオイルようにひまわりを栽培しているのかもしれない。

ファサード

そんな訳で当初14:30到着予定が、15:45になる。
ホセ・デ・レオンはAの長年の友人で、スペインの現代アーティスト。マドリッドで絵を学び、在学中に大きな賞をもらい、以後もマドリッドで活動していたが、10年ぐらい前に現在94歳の両親が住むレオンの小さな村に家を建て、ここで制作活動をしているそうだ。家のファサードには出身地方で彼の画家名でもある、レオン(ライオン)の像があり、知識を表すふくろうを始め色んなシンボルがあちこちに置かれている。

海の天井

Lは私達が着いたらすぐ食べられるように、朝のうちに地元のうさぎをじゃがいもとトマトで煮込んでくれていたので、この地方の名物の牛の干し肉お父さんのトマトのサラダで早速ランチ。デザートはスイカとメロン。
この家は彼がすべて考えたそうで、アトリエと絵の保管場所があり、とても広い。私は疲れたので食後に下のソファで昼寝。ソファに横になったら天井に海が描かれていて、小さな天使が空を飛んでいた。楽しいおうち。2人は上のリビングで歓談。私は少し休んだらシャキッとした。

作品の部分写真

恒例のスペインお家拝見ツアー開始。建物は2階建てだが一部屋ごとが何百平米もあって、とても広い。彼が制作のために滞在した色んな国の物などで飾られた住居部分をざっと見て、待望の作品庫に。そこにはとても大きな作品が沢山立てかけられていて、少しずつ説明しながら見せてくれる。作品にはボスコの絵のように細かい不思議な生き物などがあちこちに描かれていて細かく見ていくととても楽しい。パリ、ローマ、北京、インドなどに2か月から2年ほど滞在し制作した作品が各々まとめてあり、それぞれは全く違う特徴を持っていて、彼がその土地でインスピレーションを受けたものが現れているようだ。大きな作品を年に45点ぐらい描き続けているそうで、ものすごい創造力。彼は間違いなくスペインを代表する作家なのに、お母さんは「そんなに作品を貯めてどうするの?皆さんにあげたり、安く売りなさい」と言うし、「この作品にニスを塗ろうと思うけど、父さん、どう思う?」と聞いたら「どっちでもいいよ、それよりもう描くのをやめたらどうだい」と言われたそうで、Aと二人で大笑い。

右が以前、左が手を入れた作品

何部屋もあるコレクションを見て行ったら、ガウディの宮殿には間に合わなくなっので予定変更してこの楽しいアートツアーを続行。いつか日本にも行ってみたいし、展示もしてみたい、という事で何か力になれればよいけれど。日が暮れる前に帰りたかったので、記念写真撮って、お別れ。とても楽しい時間だった。宿はアストルガのオスタル(簡易宿)・ドルフィン。着いたらもう10時近くて、一回のバーを閉めようとしていたので、慌ててビールとスペインオムレツのトルティージャ、トマトサラダにチーズで夕飯。缶ビールを買って部屋で飲んで、シャワーを浴びて休む。


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