2021/2022シーズンのロシア男子のバレースーパーリーグ観戦ガイド (その3-1)

(その1)ではスーパーリーグの仕組みやスーパーリーグの視聴方法等を紹介、(その2)では今季のスーパーリーグの見どころ及びロシア男子バレー界の現状や注目すべきポイントを紹介しました。

今回は(その3)で注目選手をピックアップして紹介しようと当初は思ったのですが、少し書き方変えて今季の各チームの全選手一覧および今季の基本スタメン載せることにしました。(その3-1)で14チーム全部紹介した後、(その3-2)でおまけとして注目の選手紹介も兼ねて番外編で◯◯なドリームチーム的なのも作ってみました。本当は1つの記事にまとめようとしたのですが長すぎたので(その3)を(その3-1)と(その3-2)に分けました。

これまでの記事
2021/2022シーズンのロシア男子のバレースーパーリーグ観戦ガイド
(その1)

2021/2022シーズンのロシア男子のバレースーパーリーグ観戦ガイド
(その2)

では、(その3-1)としてまずは各チームの選手一覧と基本スタメンを紹介していきたいと思いますが、昨シーズン(2020/2021)の最終順位の順番で書いていきました。因みにこの記事を書いてる2021年12月現在、現時点の順位は昨シーズンのと比べて既に結構変わっています。

各チームの選手一覧には本体の登録選手以外にも時々参加のチームからも連れてきてベンチ入りする選手達も入れました。

1.  ディナモ・モスクワ
(Динамо Москва, Dynamo Moscow)

vcdynamo.ru

昨シーズン(2020/2021)のロシアスーパーリーグの優勝チーム。メンバー構成は昨シーズンとは大きくは変わりませんがベルギー代表のデローが今季ポーランドのPlusLigaのResoviaに移籍し、昨シーズン外国人枠の関係でリーグの試合に出れなかったフィンランド🇫🇮代表のリベロのケルミネン(23番)が今季はスタメンリベロとして出場できるようになりました。最も大きな補強は東京五輪にも出場したOHのボグダン(9番)の加入です、昨シーズンではFakelでチームのスコアラーとして活躍していました。

          2021/2022シーズンの登録選手

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今シーズンの基本スタメン

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ブルガリア🇧🇬代表のオポジットのソコロフの攻撃力は勿論のこと、OHもポドレスニフ(1番)、セミシェフ(18番)、ボグダンと層が厚くなっています。MBのヴラソフ(2番)とリホシェルストフ(24番)も攻撃とブロックで昨シーズンに引き続き他チームに脅威を与えています。

基本はどのローテの選手もビッグサーバーとなりますがリリーフサーバーで控えセッターのチェス(10番)で出ることも多くなっています。取りにくいフローターサーブを打ち、それまでの試合展開を左右することも少なくありません。今シーズンはリベロのケルミネンが先ほど紹介したようにスターターですが、控えのリベロのバラノフ(7番)もロシア代表に選ばれているリベロで試合によってはスタートで出場することもあります。

因みに東京五輪に出場し銀メダリスト🥈になったメンバーはキャプテンでセッターのパンコフ(3番)、ポドレスニフ、ボグダンとなります。

2. ゼニト・サンクトペテルブルグ または ゼニト・Spb 
(Зенит Санкт-Петербург, 
 Zenit Saint Petersburg または Zenit-Spb)

vczenit-spb.ru

シーズン追うごとに補強の仕方が派手になってきているSpbですが、今季はまずなんと言っても目玉なのは東京五輪でも金メダル🥇獲得したフランス🇫🇷代表のリベロのグレベンニコフ(8番)の加入になります。そして元々はPlusLigaの昨シーズンの優勝チームJastrzębski Węgielに加入予定だったのが急遽Spb入りが決まったウルナウト(21番)も今年2021年の欧州選手権でスロベニア🇸🇮の銀メダル🥈を獲得に貢献した選手で、大きな加入となりました。そしてロシア代表のキャプテンであり、昨シーズンまでクズバスの躍進を支えてきたセッターのコブザリ(4番)の加入で、昨季よりもさらにオールスターなチームとなりました。ロシア代表の選手でいうと、コブザリ、ポレタエフ(17番)、クリュカ(18番)、ヤコヴレフ(9番)、他にも代表経験選手のウルソフ(10番)、ヴォロンコフ(11番)、コロディンスキー(7番)が控えになるという贅沢な布陣になっています。

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          開幕前に想定された基本メンバー

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開幕前は上記のようなドリームチームが見れると期待されましたが、東京五輪後のポレタエフの膝の状態が悪化し、長らく試合出れない状態となったため開幕に間に合いませんでした。初戦は控えのポドレビンキン(14番)がOPを務めましたがその後はOHのクリュカがOPを務める布陣に変わりました。クリュカは東京五輪後の2021年の欧州選手権でもロシア代表で急遽OPを任されるようになっていました。2021年12月のチャンピオンリーグの試合からポレタエフが本格的に復帰し、本来期待された布陣が無事揃うことができました。

OPポレタエフが復帰するまでのシーズン前半での布陣

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3. ロコモティフ・ノヴォシビルスク
(Локомотив Новосибирск,
 Lokomotiv Novosibirsk)

lokovolley.com

基本メンバーは昨シーズンとは大きく変わりませんが、東京五輪でカナダ代表のキャプテンを務めてきたぺリン(2番)の加入でチームを固めてきました。MBの補強にチェレイスキー(10番)の加入もあります。

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今シーズンの基本スタメン

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昨シーズンに引き続きセッターのアバエフ(7番)の成長が現在のLokomotivの強さにも繋がっています。昨シーズン大活躍したセルビア🇷🇸のオポジットのルブリッチ(9番)、攻守の要のぺリンが入ったことでよりしっかりとしたチームになった印象があります。あと注目すべきなのはMB対角、期待の若MBのリジク(16番)とクルカエフ(20番)のクイックの高さ、助走距離を取ってサイドの選手達とシンクロして入ってくるようになっていて一段と脅威になっています。このMB対角の攻撃に関しては今季のロシアリーグの中で1番だと個人的に思っています。

4. クズバス・ケメロヴォ
(Кузбасс Кемерово, Kuzbass Kemerovo)

kuzbass-volley.ru

今季1番の目玉な移籍であったブラジル🇧🇷代表のOPアラン・ソウザ(2019年W杯バレーでMVP)の加入だったのですが、ケガのため残念ながら11月にチームを去ることになりました。開幕3試合は出場して期待通りの活躍を見せられたのですが、それ以降は足首に慢性的な怪我を抱えていたということでプレーすることができませんでした。当初控えOPに想定されていたけど、アランの離脱で現在はチームのスタメンのOPとなっているのが昨シーズンにSamotlorでリーグ得点王となったパパゾフ(9番)となります。あと注目すべきところは昨季までチームキャプテンで正セッターだったコブザリがZenit-Spbに移籍してしまったのですが、その代わり長年カザンの黄金期やロシア代表を支えてきたセッターのブティコ(21番)の加入しました。

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今シーズンの基本スタメン

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KuzbassはこれまでMBからの攻撃を多用するのが特徴ではありましたが、今シーズンは今のところ(2021年12月現在)まだ多くない印象があります。それでもセルビア🇷🇸のクルスマノヴィッチ(7番)の攻撃力の脅威は健在なのでシーズン進むにつれてさらに目立ってくるとまたチームの調子も上がってくる気配はあります。今季は若手セッターのクレチェトフ(11番)の出番も多くなっています。これからどう2人のセッターをうまく併用していくかも注目すべきとこだと思われます。

OHはシヴォジェレズ、マルキン、カルプホフの3人で試合毎に違う組み合わせで出てくることも少なくありません。アランが離脱してオポジットがパパゾフだけになってしまったのでカルプホフがオポジットとして出てくる場面もありました。


5. ゼニト・カザン
(Зенит Казань, Zenit Kazan)

zenit-kazan.com

USA🇺🇸代表のセッター、クリステンソン(11番)の加入と、今やロシア代表の主力のOHとなっているD. ヴォルコフ(15番)の加入がカザンの新体制の目玉となっています。カザンはクリステンソンが大学在学中、ヴォルコフがユースの頃とここ数シーズンFakelで活躍してる間等、既にこの2人に声をかけていましたが来てもらえずにいましたが、今シーズンやっと2人に来てもらうことができました。セッターのポロシン(1番)やMBのシェルビニン(12番)の加入もあり層が厚いチームになっています。

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今シーズンの基本スタメン

これまでのカザンの黄金期を支えてるミハイロフ(18番)とヴォルヴィッチ(4番)、昨季から引き続きポーランド🇵🇱のベドノシュ(10番)そして新たに加わったクリステンソンとD. ヴォルコフ(15番)の関係性もうまくいきリーグの中でもいいチームが出来上がってる印象があります。サプライズとしては今季は傘下のアカデミーのチームから上がってきたリベロのフョドロフ(16番)とこれまで期待されつつも中々出番が増えなかったMBのコノノフ(13番)が特に大事な試合、強豪チームとの対戦の時のスタメンになっていることです。

今季から監督のヴェルボフは常にどの選手も戦えるように準備していて当日の試合のスタメンは本番直前まで選手はわからないそうです。大一番の試合だったZenit-Spbの試合の時、フョドロフは試合前のアンゼムが終わった後のスタメン発表で自分がスタメンであることをいきなり知ることになりパニックになったそうです。この試合は観てる方もスタートでフョドロフとコノノフが出てたので驚きました。ですがこの試合フョドロフもコノノフも素晴らしい活躍を見せSpbに勝利しました。それ以降のLokomotiv戦、Kuzbass戦でもこのような布陣でいきカザンは見事に勝利を重ねています。

https://sport.business-gazeta.ru/article/270060


6. ファケル・ノヴィ ウレンゴイ
(Факел Новый Уренгой,
Fakel Novy Urengoy)

fakelvolley.ru

2015年からロシアの95年世代中心、今やロシア代表を支える選手を輩出してきたFakelですが、みんな強豪クラブに旅立っていき、昨季まで残ってたD. ヴォルコフとボグダンもとうとう移籍することになりました。今季はガラッと選手一覧が変わり、95年世代で強くなっていったのを第1弾とした時と今季は第2弾のミレニアム世代の強化の幕開けのシーズンとなりました。Fakelのユースからムシェンコ(8番)、ユツェヴィッチ(13番)、ヴィシュニコフ(19番)が正式に上がってきディナモのユースからはディネイキン(7番)、モロゾフ(20番)を呼びました。ディネイキンは1996年のアトランタと2004年のアテネ五輪にロシア代表で出ていたディネイキンの息子となります。さらにはSpbからクルバノフ(5番)、1番の目玉はベラルーシ🇧🇾代表のバブケヴィッチ(6番)は昨シーズンにベラルーシリーグでMVPを取り、今も絶賛成長中で間違いなく数年後には世界レベルのオポジットになるであろう選手です。今紹介した選手はみんな21世紀に生まれた選手となります。他にもMB、リベロと一気に若くて新しい選手を入れてきましてそれを支えるキャプテンに昨シーズンに引き続きクロアチア🇭🇷代表のセッター、ズコウスキ(1番)がなりました。もちろんリーグ内で一番若いチームで平均年齢22歳のチームとなっています。(登録選手一覧にはユースから入ってくる場合の選手も載っているのでそれを含めると21歳)

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今シーズンの基本スタメン

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OPのバブケヴィッチの打数が非常に多くなっており、現在は他の選手の得点力の底上げが課題になっています。OH対角は2021年のU21世界選手権のロシア代表対角と同じになっていて、他にもセッターのヴィシュニコフ、OPのモロゾフ、OHのユツェヴィッチも同じくU21のメンバーでした。

チームにいるOHの選手が全員2001年以降生まれの20歳以下の選手なのでレセプションが崩された時の交替選手にベテランも中堅などの選手がいないので現状は若い選手で耐えていくしかない状態となっています。


7. ウラル・ウファ
(Урал Уфа, Ural Ufa)

volleyufa.com

元フランス🇫🇷代表のOHのマレシャル選手(7番)、MBにグツァリュク(8番)とデマコフ(15番)の獲得で強化を図りました。途中チームの要の選手であるフェオクティストフの負傷もありOHに不安が残る時期もありましたがシーズン途中にベラルーシ🇧🇾のチェレポヴィッチ(19番)の獲得でOHの層を厚めました。

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今シーズンの基本スタメン

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OPのリュバコフ(3番)が得点を多く稼ぐパターンが多くなっています。少々調子の波が激しいのがあって20点、30点稼ぐ日もあれば、全く得点できない日もあり、控えOPのシェミャティヒン(12番)が入ってくる場面も多くみられます。今シーズンの特徴としてMBのグツァリュク(8番)もブロック得点を多く稼ぐのも目立っています。OHはマレシャルとフェオクティストフの対角がチームを安定させる存在と期待されましたがフェオクティストフの怪我があって代わりに出た若手のピヴォヴァロフが出ました。まだ経験不足な部分があってチームも苦しい時間帯が続いたのですがベラルーシ🇧🇾のチェレポヴィッチが加入したことで立て直すことができたのとフェオクティストフも早く復帰できそうなのでシーズン後半は盛り返す可能性ありそうです。


8. ASK・ニジニ ノヴゴロド
(АСК Нижний Новгород,
 ASK Nizhny Novgorod)

nn-volley.ru/

1番の目玉はクロアチア🇭🇷代表のオポジットのアンドリッチ(14番)の加入です。2021年の欧州選手権ではチームの得点源として活躍していました。特にサーブトスを高く上げてから放たれるサーブは脅威となっています。ASKはベテランの選手の活躍が目立ちますが、若手選手の加入ではD. アントノフ(2番)も注目となります。D. アントノフは元イタリア🇮🇹代表のオレグ・アントノフの従兄弟で、国境を越えての血縁関係となっています。ちなみに弟もいて今季Fakelで選手登録されてましたが結局出場しておらずプロフィールからも名前見かけなくなっています。もう1つ大きな加入はMBのリャミン(6番)です。リャミンは2014年からビーチバレーに転向して2017年にはビーチバレーの世界選手権で銅メダル🥉を獲得しています。因みにその時のペアの相手が今年の東京五輪のビーチバレーで銀メダル🥈獲得したクラシリニコフだったりします。ビーチに転向していたリャ民ですが今季7年ぶりにインドアに復帰という形になります。

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今シーズンの基本スタメン

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今季もチームの司令塔をラトビア🇱🇻代表のペトロフスが務めていて、他にも昨シーズンから引き続きで馴染みのメンバーが活躍していて、スタメンの平均年齢は35歳を超えています。因みに今季からASKに就任した監督のドラニシュニコフは31歳でリーグの最年少監督となっていて選手の多くが監督よりも年上という珍しい組み合わせになっています。OPのアンドリッチの活躍とベテラン選手達の安定したプレーで堅いチームとなっています。今季は昨シーズン優勝したディナモ・モスクワに勝利する場面もありました。


9. サモトロール(ユグラ サモトロール)・
ニジネヴァルトフスク
(Югра-Самотлор Нижневартовск,
 Ugra-Samotlor Nizhnevartovsk)

ugra-samotlor.ru

今シーズンからSamotlorのスタメンセッターとしてウクライナ🇺🇦のシニツァ(7番)が加入しました。既にこれまで3シーズンSamotlorでのプレー経験があるので帰ってきたという表現が合ってるかと思います。シーズン途中にはベラルーシ🇧🇾代表のMBシュクレドフ(18番)の加入もチームの強化に繋がっています。そして特に注目の加入は昨シーズンはブルガリアリーグのMontanaのスタメンでプレーしていたセッターのクレスキン(10番)とOPのサポジュコフ(5番)となります。2人ともLokomotivのユース出身で昨シーズンはブルガリアリーグに派遣され、今シーズンも引き続きLokomotivからSamotlorにローンで送り出された形になります。因みにサポジュコフの身長はリーグ史上最長身の220cmとなっています。

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今シーズンの基本スタメン

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Samotlorは毎試合スタメンのメンバーを変えてくる傾向があります。OPはサポジュコフとリトヴィネンコ(23番)、毎回どちらを出してくるかは予想しづらいです、あとは試合途中でも交替する事も多いです。2人とも2000年生まれの21歳の若いOPですがタイプが全く違うアタッカーとなります。サポジュコフは220cmという身長の高さを生かした脅威的なアタックを、リトヴィネンコは201cmですが高い跳躍力での暴れっぷりが魅力です。OHも若いポズリャコフ(2番)とベテランのシュピリョフ(6番)、今シーズン新たに加入したガリモフ(8番)で試合毎に変わる形になっています。

Samotlorは以前はシーズン最下位が多かったり降格も経験していたチームですが現在はダークホース的な存在になっています。昨シーズンはゼニト・カザン、Kuzbassにと強豪チームに連続で勝ったりして驚かせたりしましたが、今シーズンもKuzbassに勝利したり、2021年12月現在も勝ち星も多く重ねていて油断できないチームになっています。


10. イェニセイ・クラスノヤルスク
(Енисей Красноярск, Enisey Krasnoyarsk)

vc-enisey.ru

Eniseyの基本的なスタメンに大きな変化はありませんが今季はセッターのオシポフ(6番)とコヴァリコフ(11番)が新たに加入し、チームの監督もフィリポフ氏がASKからやってきたのでアタッカーは同じ顔ぶれでもチームの司令塔が一新されたので新たなチームとなったと言えるかもしれません。あとはLokomotivのユースから将来期待されているMBの1人、ブラジュニュク(4番)の加入もあり今シーズンどれ位試合に出れるのか、活躍できるのかも気になるところです。

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今シーズンの基本スタメン

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ベテランリベロのヤヌトフ(12番)が今季もEniseyの守備のベースを敷いています。サイドはOPのクレツ(13番)、OHはブルガリア🇧🇬代表のスクリモフとウクライナ🇺🇦代表のイェレシェンコと協力な攻撃力が揃っています。攻撃だけでなくサーブも脅威です。今季はOPのクレツが怪我の影響でまだ出場が多くなく代わりに今季ASKから来たフェトツォフ(10番)の出番が多くなっています。MBはキャプテンのクリツキィ(9番)とクリコフ(3番)がこれまでEniseyの壁として君臨してましたが今季クリコフが怪我の影響で試合に出れなくなっていたところ若いマクシモフ(14番)が台頭し始めました。マクシモフの活躍は今季のサプライズかもしれません。


11. ディナモ・レニングラード オブラスト
または ディナモ・LO
(Динамо Ленинградская область,
 Dynamo Leningradskaya Oblast
または Dynamo-LO )

vc-dynamo.ru

Dynamo-Loは今季大きな補強をしたことで期待されています。まずはセルビア🇷🇸代表のデュオ、セッターにヨヴォヴィッチ(9番)、OHのイヴォヴィッチ(15番)が加入しました。MBもコレンコフスキー(3番)とチェルビャコフ(17番)は近年でもリーグの中で存在感を放っている選手達で2人ともDynamo-Loにやってきました。OPにはジガロフ(1番)とピライネン(10番)、どちらもサウスポーの選手が入ってきました。

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今シーズンの基本スタメン

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OPのジガロフは代表経験もあってさらにサーブがロシアの中でもトップクラスの強さを誇っているのですが今季はまだ中々本来期待されたプレーが見せられていない状態となっています。その代わり同じくサウスポーのピライネンの出番が多く目立った活躍も見せています。ここ数シーズン上手く活躍できず所属チームも途中離脱してしまうことが多かったピライネンは今季ようやく力を発揮できることに成功したように見えます。セルビア🇷🇸代表ラインのセッターのヨヴォヴィッチとOHのイヴォヴィッチの強さも健在でそこにさらに元ロシア代表でチームのキャプテンのビリュコフの存在も上手く合わさってやはり今季は一気に上位に食い込むような勢いがきています。


12. ユグラ(ガズプロム ユグラ)・スルグト
(Газпром-Югра Сургут,
 Gazprom-Ugra Surgut)

gazprom-ugra.ru

今季セルビア🇷🇸のMBオコリッチの加入が大きな戦力強化に繋がるはずだったのですが試合中に負傷してしまい今シーズンの復帰が絶望的な喪になってしまい残念ながら2021年の11月にチームを去ることになってしまいました。もう1つの外国人枠ではOHにウクライナ🇺🇦代表のコヴァリョフ(2番)が入っています。OPにはアレクシエフ(7番)が入ってきて今季の戦力強化の目玉の1つになっています。あとはOHのクラシコフ(17番)が2017年に負傷してからバレーから離れていたのですが今季4年ぶりにリーグに復帰しました。クラシコフは以前ロシア代表に選ばれてワールドリーグ(現在のVNL)などにも出場していた事もある選手です。

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今シーズンの基本スタメン

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昨シーズンOPはラジャブ(16番、フルネームはリーグで一番長いラジャブディビル・シャフバンミルザエフ)が出てきて活躍しましたが今シーズンはOPのアレクシエフが入ってきてチームの得点源になっています。あとはウクライナ🇺🇦代表のOHのコヴァリョフの活躍も目立ちます。MBはオコリッチが抜けた後でもヤクティン(4番)とドフガン(15番)が上手くチームを支えています。セッターはルカヴィシュニコフ(12番)がスタメンでしたが今季入ってきた185cmのルキャネンコ(1番)も出番が多くなってきています。ルキャネンコはここ数シーズンは毎年違うチームに行ったり、シーズン途中の加入でそこから出番を増やしていくことが多かったです。


13. ネフチャニク・オレンブルグ
(Нефтяник Оренбург, Neftyanik Orenburg)

orenvolley.com

今シーズンも引き続き14チームの中で唯一外国人選手を獲らなかったチームとなります。その代わり国内の選手で多くの補強を試みました。OPのD. ヤコヴレフ(10番)は期待の若手オポジットでお父さんはシドニー五輪のロシア代表の選手で現在はFakelのコーチを務めています。OHにはボティン(8番)とニキティン(18番)、MBにビャルダ(3番)などいい選手を獲得して今シーズンの強化を図っています。シーズン途中まで正セッターを務めていたヴォロパエフが2021年12月に退団してしまい、代わりに元々はFakelに戻ってプレーする予定だったウシュコフ(12番)が加入しました。ウシュコフはアンダーのロシアの代表に選ばれた経験もある若手のセッターで弟もセッターとしてFakelのユースに所属しています。

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今シーズンの基本スタメン

OPのD. ヤコヴレフ、OHのボティンとニキティンが強力なアタッカーとしてチームの得点源になっていますが2021年の12月現在、未だに1勝もあげることができずにチームは苦しんでいます。OPの控えにはラフマトゥリン(15番)が入る事もあります。ラフマゥリンは元々はセッターだったのですが最近OPに転向しました。ヴォロパエフがチームの司令塔でしたが成績不振もあってチームを去り若手のアハミノフ(13番)とヴォロパエフの代わりに入ってきた若手のウシュコフ(12番)でどうチームが変わるのか、どこで最初の1勝をあげることができるのか気になるところです。

14. ベロゴリエ・ベルゴロド
(Белогорье Белгород, Belogorie Belgorod )

belogorievolley.ru

長い事強豪クラブとして常にリーグの4強に数えられていたチームですが昨シーズンまさかの最下位になってしまいました。そこから、首脳陣、選手を大幅に刷新して今シーズン挑みます。まずは昨シーズンにポーランドのPlusLigaで優勝したJastrzębski Węgielからモロッコ🇲🇦代表のアルハチダディ(11番)の獲得で一気に攻撃力を高めました。あとは以前にもベロゴリエでプレーしたことあるセルビア🇷🇸代表のペトリッチがベテランとしてチームを支えます。そしてセッターにはSpbからコヴァリョフ(3番)、同じくSpbからMBのフィリポフ(1番)と補強しました。

2021/2022シーズンの登録選手

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今シーズンの基本スタメン

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昨シーズンは監督の入れ替えや選手の入れ替えでチームのリズムを崩してしまい最終的にほぼ若い選手のみが残って戦わなければいけない苦しいシーズンを過ごしました。若手も今季ベンチにも残っていますが強力な選手が加入したことでチームは一気に立ち直すことができてるように見えます。

今はもうベロゴリエの顔になってるのがOHのテチューヒン(8番)、あの1996年のアトランタから2016年のリオまで6回連続で五輪出場したロシアのレジェンドプレイヤー、セルゲイ・テチューヒンの次男でおり、そのテチューヒン氏もクラブの代表に今シーズン就任しました。

OPのアルハチダディはリーグ屈指の得点力を誇っていて39点も獲った試合もありました。途中控えの若手OPのシデンコが出てくる場面もあります。因みにシデンコはお父さんが今季Zenit-Kazanのコーチを務めてたりもしています。

MBのフィリポフとサモイレンコは強力なミドルで強さを発揮してますが同じく今季加入したアナニエフ(5番)もリーグの中でも強いブロック力を持っています。さらに2002年生まれのザボロトニコフ(17番)は身長が213cmあり、ユースリーグの方の試合もでながら今シーズンはスーパーリーグの方の試合に出てくる場面も徐々に増えています。このようにベロゴリエは今季MBが一気に選手が揃いました。

コヴァリョフが怪我で出れなかった時に、セッターのジョゴフ(15番)が今季のリーグでの最年少試合デビューとなる若干17歳で1試合通してセッターを務めた事もありました。ベロゴリエは強力な選手も補強しましたが同時に若い選手達にも引き続きプレーする機会を与えていて今季はいいバランスが取れてるように思えます。


以上。


ここまで14チームの選手一覧と各チームのスタメン構成紹介してきました。これまでの記事との間に長いブランク空いてしまい結局書き終わった頃にはシーズン大分進んでしまいました。本来ならシーズン前ガイドとして出した方がいいと思うのですが、その代わりいくつか時間経ったことで書けた内容もあったと思います(言い訳)。次の記事で(その3-2)として選手紹介も併せて個人的に気になる仮想スタメンというかドリームチームを作って紹介してたいと思います。


ひゅー
https://twitter.com/hue_kamekichi

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