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出会ってしまった、最高の作家

 野崎まどは最高の作家だ!!!!『2』を読み終えた僕は叫んだ(叫んでない)。叫んでないけど最高だと思ったのは本心。

 僕は『HELLO WORLD』から野崎まどを知り、「おもろい話を書くなあ」くらいにしか思っていなかった。
 面白さと万人受けのバランス調整が上手かったし次の作品も読んでみるかと思い、図書館で『タイタン』を手に取った。

 『タイタン』人間の仕事のほぼ全てをこなすAIの一部が鬱のような状態になったため、心理学に精通している主人公がAIのカウンセリングを行う、というストーリー

からは想像できないほど大規模な展開が待ち受けていた。とにかくやばい。あらぬ方向に物語が進んでいくのに”仕事とは何か?”というテーマは一貫しているし話も割と綺麗にオチがつく。読み終えた時には僕はもう野崎まどの虜になっていた。愛してるぜ野崎まど……(投げキッスを送る)

 もう、僕は、野崎まどの作品は全部読まねばという衝動に駆られていた。いや、読みたいと思った。思わされた。それくらい衝撃的な作家だった。天才や鬼才という言葉は野崎まどのためにあったんだと思ってしまうくらいに凄かった。
 天才とは唯一無二の物を創る人を指すんだ。野崎まどを読んだ僕はそれしか考えられなくなっていた。

 『タイタン』の次に手に取ったのは『[映]アムリタ』から続く『新装版シリーズ』(記事のサムネにあるやつ)。六部作で、ラストのタイトルは『2』。つまり、前五作は合わせて一巻という認識だ(僕はそう思っている)。
『[映]アムリタ』も凄かった。いや、やばかった。『タイタン』の方向性もさることながら『[映]アムリタ』は何でもアリだから何でもやっちゃうよ!みたいな調子で物語が展開していく。『HELLO WORLD』からは考えられないほど尖っていた。だが、面白かった。面白すぎた。読後すぐ、残り五作をネットで注文した。届いた。読んだ。ここ最近は『新装版シリーズ』ばかり読んでいた。こんなに熱中したのは何以来だろう。何以来か思い出せないということは、”創作物に熱中する”という経験が今までになかったのかもしれない。

 そして、僕は今日、シリーズラストを飾る『2』を読み終えた。
どうしてこんなに検索性の低いタイトルをつけたんだろう。読む前はそう思っていたが、読んだ後、シリーズラストのタイトルは『2』以外にあり得ないと思った。前五作の総決算にして最高傑作だった。

 野崎まどの作品は”僕が世界を完全に憎むことができない理由”の一つだと思う。こんなに面白い作品が読めるだけで、日常生活に降り注ぐ理不尽が許せてしまう。それはとても良いことだと思う。

 野崎まど新作のタイトルは『小説』。検索性?もはやどうでもよくなってきたぜ……。

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