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10年ぶりの社会復帰で確立した新しい働き方。バックオフィス担当、新谷 佐代子さん

今回の「中の人インタビュー」では、Impact HUB Tokyo(以下IHT)のバックオフィスで働いている新谷 佐代子(以下Sayoko)さんにお話しを伺いました。はじめてのSlackを使用した社内コミュニケーションや時短での在宅勤務に戸惑いながらも、自分のお仕事を確立していきながら、4年間HUBのチームメンバーとして働いているSayokoさんのストーリーに迫ります!

——Sayokoさんは、IHTでは現在、どんな業務を担当していますか?

基本的には在宅で、バックオフィスでアドミ系の仕事をしています。メンバーさんのメンバーシップを変更したり、要望を聞いたり、お問い合わせの対応などをしています。

約10年ぶりの職場で助けられた「社会復帰を目指す女性を後押しする」というひとこと


——ここで働くようになったきっかけについて教えてください。

家事や子育てとの両立が可能な在宅勤務での人材募集を代表の槌屋詩野(以下Shino)さんがFaceBookに投稿していて、Shinoさんと繋がりがあった家族が見つけて応募したのがきっかけです。長女の出産から、職場からは離れていて、何かお仕事を再開してもいいかもと考えているときにちょうど投稿を見つけたのです。

——専業主婦の前は同じようにバックオフィスの仕事をされていたのでしょうか。

そうですね。大学を出たあと、正社員としてメーカーで事務の仕事をしていました。もともと愛知県の出身なんですが、結婚で上京して、派遣でバックオフィス業務をしていたなか、妊娠・出産で退職をして、IHTにお世話になるまではずっと専業主婦だったんです。

——IHTでの働き方は、コロナ以前から在宅の比重が多かったようですが、復帰された当初は苦労されたこともありましたか?

そうですね、10年ぶりぐらいの社会復帰でしたし、ずっとWindowsを使っていたので、Macも初めてでしたし、Slackも使ったことがなかったので慣れるまで大変でした。あとは基本在宅なので、物理的に顔が見えない相手とコミュニケーションをマメに取る難しさも実感しました。
でも違う言い方をすれば、約10年のブランクがあったので、ある意味まっさらな状態ではじめられたというのはあるんです。「社会経験があるから」、という気持ちで入るより、「1から始める」という意識でいるほうが、前はこうだったのにとか、前はこういうことができたのにと比べずにできるかと思ったんです。
あと入社当初、トレーニングしてくれていたチームメンバーから「社会復帰するお母さんや主婦の方を後押ししたいという、そういう気持ちで受け入れている」と言っていただいて、長いブランクがあった私を受け入れてくださって、非常にありがたい気持ちと、ホッとする気持ちとがありました。

——在宅でバックオフィスというのは、今では増えてきていますが、Sayokoさんが入社した4年前は少なかったように思います。当時はどのように仕事を覚えていったのでしょうか。

当時は今ほどチームメンバーもいなくて、私が一緒にお仕事して質問できる相手は社員の2人でした。私と同じ時間に必ず稼働しているわけでもなかったので、質問をしても返ってこないこともありましたし、色々な意味で様子が見えなくて、部屋で1人ポツンと置いていかれているような感じがしたことがありました。その状況を正直に代表のShinoさんにお話をして、様子がわかるまで目黒のオフィスに週に2,3回通うことになったんです。​​当時はイベントスペース利用の受付も担当していたので、お問い合わせや内見の対応をするためにも、現場の様子を把握したり、とにかく最初は詰めて通っていました。それはそれで楽しかったんですよね。雰囲気を掴んで、仕事も覚えていきました。

——コミュニケーションをとれたあとに、在宅になるほうがスムーズですよね。一回顔を合わせたことがあるだけでも大きく変わる気がします。

お互いを少しわかってからではないと、見えない中でやっていくのは難しいなというのは、体感覚的にありました。一度一緒にお仕事をしたことがあると、離れていても相手の様子が予測できるんですよね。
慣れてきてからは、本当に行ったほうが進むタスクと、在宅でもできることを棲み分けしながら、目黒に通う回数も減らしていきました。働き方の選択肢があって、きちんと仕事が回っているのであれば、どこでお仕事をしていても良いという本来の形になったかと思います。
結果的に、コロナで行く必要のないときは行かなくなりましたし、チームメンバーがたくさんIHTに出社してきそうなときは、足を運んでランチをみんなで食べたり、対面ミーティングのほうがスムーズなときも出社したりもしています。

前職と違いコアタイム待機がない仕事。

——働きやすいなと思うところはありますか?
私はパートナーの扶養家族として働いているので、制限を超えないよう就業時間をコントロールしやすいことだと思います。バックオフィスはある程度決まった流れがあって、労働時間が月末月初で長くなっても、月中のところで調整することができるんです。仕事を自分で回しながら、子どもの学校行事や通院など自分の予定を、他のチームメンバーの都合とも合わせて、組むこともできます。そういう意味では自由にさせてもらって、それを許してもらえている環境なのはありがたいです。よくある「コアタイムは待機してください」という形ではないので、限られた時間の中でどう効率良く、穴を開けずに仕事をするかも求められるんですよね。私の稼働時間は人件費になりますし、私も時間が惜しいので、お互いの利益が一致していて働きやすいですね。

——​​まず個人の生活があって、その上に仕事があるという考え方をIHTはしていますよね。

そうですね。色々な意味で両立することができてありがたいですね。あと、IHTのメンバーさんは、世代的にも若いので、目新しい情報が入ってきたり、通常の生活では会わないであろう分野の人たちをお見かけすることもあったりします。
もし自分の近隣でお仕事をしていたら、同じような状況のお母さんたちや主婦の方々が集まるような職場だったろうと思います。出産で仕事をやめるまで大企業にいたので、お仕事の仕方も全然感覚も違いますし、IHTは真逆なところにいると思うんですよね。自分が今まで経験したことがなかったことを、社会復帰と同時にスタートさせて今自分なりの解釈や、「働くってどういうこと?」「人と連携を取るということはどういうことか?」など、自分なりの考え方が持てるようになったかなと思います。

——IHTはチームとしてみんな1人ひとりにもう少しフォーカスされているというか、そんなイメージはありますよね。

そうですね。自分なりの考えをもって仕事をするというのがあると思います。基本的なルールはあるけれども、そのルールが必ずしも絶対ではなかったり、きちんと理由があれば、変わっていくものという前提で動いているんですよね。


流されることもあってもいいと感じた、シンガポール駐在時代。


——ブランクがありながら、在宅で復帰し、最初はなかったポジションを自分で作り上げていったというイメージを持ちました。そんなふうに、どんな環境の中でも、あきらめずにやりつづけるパワーはどこからきているのでしょうか。

経験というか、年の功もあるかもですが、新しいことをはじめたとき、すぐに軌道に乗ったり、自分のものになることよりも、あがいてもどうにもならないときに、その状況に浸かってみたり、時間が解決してくれることって必ずあると思うんです。自分に合わないと反応するのは少し判断が早いかなという感じがあって。時間や、慣れ、経験が解決してくれることなのか、それとも体質的に完全に合わないものなのかの違いは、今までの経験で感覚的にわかる気がしていて。人それぞれに対処法がある思うんですけど、これは時間の経過が解決してくれるかもしれないから、今はじっとしてみようかなという人と別の選択肢を持っていたかもしれないですね。


——何かそう考えるようになったきっかけはあるのでしょうか。

短期間ですが、シンガポールに住んだことがあるんです。パートナーが単身でシンガポール駐在になって、その間私は東京で小さな子どもの子育てをしていました。最終的には3年目に入るときに、家族呼び寄せという形でシンガポールにいったんですね。母親一人で生活すること、海外で暮らすこと、いろいろな経験をして。自分の力でどうにもならないことも、いい意味で流されて、この状況に慣れれば、今のストレスは解消されるということがわかってきたり。手放して、自分のストレスをなくすしたり、それがどういう類のストレスなのか、今自分がどういう状況に置かれているのかというのがなんとなくわかるようになったというのはあります。

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——そうだったんですね。少しSayokoさんのポジションを自分で作っていく秘密が聞けたきがしました。

どこにいても、だれにでも必ず役割があって、自分に合った働き方があるはず


どこにいても必ず役割があって、決まったことを決まったタイミングでやる人がいるからそれが土台になっていることがあるんです。変化して良いところと、変化させないで一定のものを出し続けるっていう職性ってあって。決まったことを決まったタイミングで同じレベルで行う、それが向いている人と向いていない人というのが必ず存在していると思うんです。特に私は今時間に制約があって、自分の守りたい優先順位があるので、それを苦と思わないところがあるんですよね。
他のチームメンバーのコミュニティ・ビルダーの方々とは感覚的には違うと思うんですけど、決して後ろ向きな発想ではなくて、決められた中でいかに効率的にやれるか、周りの人が気持ちよく働けるかたちで進められるかが重要だと思っています。

——そうですよね、変化させないで同じものを出し続けるというのもできる人がいるから会社が回っていくんですよね。

大企業で仕事をしているときによくいわれたのですが、事務仕事は、誰でもできる仕事とか、創造性もないし、自分のアイデアも乗らないし、仕事のレベルとして低いものと思われがちだったんです。けれどある人にとっては、ストレスが溜まってイライラするのであれば、決して誰でもできる仕事ではないのですよね。
当時は、これはつまらないことかな?お金を生み出せない仕事をしているのかな?と悲観する場面もあったんですが、今はIHTで社会復帰して、仕事をしている中では、自分の中での優先順位とか価値観が守られる働き方になっていると思います。決まったことをきっちりやっていくことで、満足感や達成感が味わえるのでそれが向いているんだなと感じています。
たとえば家族との時間が大切で、自分の優先順位として高ければ、仕事でもう少し何かしてみたいという欲が出たとしても、その欲は抑えたほうがいいこともあったりします。傍から見てそれがつまらないか、充実しているかというのは本人にしかわからないんですよね。
今私が言えることとしては、自分の感覚が大事で、人にどう見られているかということよりも、自分がそこで働けて、何かしら役に立っているなという満足度が得られていれば、あまり人からの評価は関係ないかなと思っています。自分でちょうど良いと思えるかどうかが大事だと。
今の時代、何を優先させるかがあった上で、働く場所を探したり、働き方を決めることができると思うんです。この4年間を振り返るとそういうことを実感することが多かったなと思います。それはIHTのチームや、メンバーさんたちが自分の感覚をきちんと持っているし、経験しながら積み重ねていっているからだと思います。

10年ぶりの仕事復帰で、自分の感覚を大切にしながら、IHTで過ごす中で確立していった自分なりの働き方。自分の優先順位を理解した上で、仕事をしていくことの大切さに気づいたSayokoさんのストーリーにふれることができました。次回は、どんなチームメンバーのお話に迫ることができるのでしょう。過去のチームメンバーのインタビューはIHT中の人の紹介にも掲載されています。ぜひご覧ください。


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