aiwa製品発表会で思うこと

8月24日、aiwaブランドを使ったスマホ・タブレット製品が同ブランドの使用権利を得たJENESIS社から発表された。しかし、悪い意味で驚いてしまったのでここで記す。

SMP0601
スマホ。osにAndroid12(go edition)※を搭載し、メモリ(ram)が2ギガでストレージ(rom)が32ギガとなっている。

※go editionは軽量版のandroid osで、主に新興国・途上国向けに出されている。メモリ3ギガ未満の端末に載ることが多く、そのために一般的に出回っているandroid osと比べ軽量化されている。軽量版ゆえ使える機能やアプリが制限されるとのこと。

https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1434373.htmlより引用。

このスマホ、価格が1万7000円ほどするらしい(しかも特価で)。SoCも中華unisoc製のT310を使っているが、これは5年前に製造されたスナドラ6301に近い性能で当時のミドルレンジ帯の位置づけ(この時点で処理能力には大きな期待は難しいだろう)。もう少し金を出せば処理能力が2倍以上の性能を持つarrows weやaquos wishが買える点・機能制限版の軽量osを搭載している点を考慮するとコスパは悪いと言わざるを得ない。また、新興国向けのosを導入し割高の価格に設定しているくせに「aiwaは日本の宝物だ」とか「aiwaを再び世界のブランドにしたい」とかほざくのはこれまで積み重ねてきたaiwaブランドを冒涜していて、何より日本人をブランドにすぐに飛びつく情弱と見下し馬鹿にしているとしか言いようがない。

しかも何故かau向けのプラチナバンド18と26に対応しない。日本メーカーが手掛けsimフリーの位置づけにある製品で対応させず、メーカー側からの注意喚起が無いのは不親切で詐欺同然といってもいい。

タブレットはというと、更に酷かった。タブレットのTBA1001メモリ4ギガのストレージ64ギガでSoCはメディアテック製のmt8183(処理能力はantutuで18万程度、スナップドラゴンだと665に近い性能)だが、3~4年前のミドル帯の性能で価格が4万近くするという、これまたコスパが非常に悪い代物となってしまっていた。同じ価格で処理能力が3倍以上で、かつ多くのゲームを最高画質でプレイできるほどの性能を誇るmatepad11が中古で買え、処理能力が2倍以上のmatepad10.4の2021年モデルが更に安い3万円前後の価格で購入可能なので、それらと比較すると余計に酷さが際立ってしまう。

https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1434373.htmlより引用。

どちらもターゲットは初めてスマホを持つ方に加えaiwaブランドを認知している年代の方の中でも、この手の分野に疎い方・自ら調べることができない、苦手な方を狙っているのは明らかである。実際にツイッターを「aiwa スマホ」「aiwa タブレット」で検索をかけてみるとガジェット界隈からぼろくそに叩かれているツイートが散見される。中にはゴミと言い切っている方もいるが、価格と性能のバランスの点で納得せざるを得ない。

何より懸念する点は何も知らない親が子に安いからといって買い与える点である。機能制限されていてまともに使えないものなのはスペックから想像がつくので、もしそうなるとandroid嫌いになり、「やっぱりiPhoneがいいよね」となってそれに流れてしまいかねない。その現象が多くなるとiPhone信者が増えandroid機をオンボロイドと見下してしまうようになる可能性は否定できない。そうした懸念もあり、androidの低スペック機を安易に大々的に宣伝してさも凄いかのように刷り込ませるのは止めるべきだしただでさえ多いiPhoneユーザーを更に量産する原因になりかねない。

あと初心者や高齢者向けに低スペックで固める手法がこれを含め多くなっているけど、この手の製品は処理能力は高い方が絶対に良い。処理能力の高さは動作の快適さのみならず、快適さゆえに待たされる時間を短縮できるという利点がある。それが積み重なって使える時間が増えていき、端末の使用を含め日常生活の快適さがより増していくことにも繫がり、また動作が良いので端末を長く使える傾向にもあり、機種を頻繁に替える確率を下げられるため金銭面でも余裕を持たせられる。長い目で見れば処理能力の低い端末だとその低さゆえに時間の損失も増え、機種代に多くの金をつぎ込むことにもなるので低スペックの端末に安易に手を出すことは自らの日常生活の枷となりやすく、将来性と投資という点でおすすめはできない。

アイリスオーヤマにしろバルミューダにしろaiwaブランドを請け負うJENESISにしろ、そこそこの知名度を持ちブランド力がそれなりにある日本企業がここまで情弱に高価格でゴミを押し付けぼったくるビジネスは本当に悪質極まりない。民間がこれなので、政府の面々が増税や民営化、派遣業の拡大と定着、給付型を頑なに普及させず奨学金という名のローンの押しつけをするなど、日本人を虐める政策を次々と導入しているのも当然の帰結と言える。政治家は国民の顔と言われるのが今回の発表会を調べていると納得のいく格言だと実感できる。

今回のaiwaブランド復活を知り、同ブランドが付されたスマホやタブレットの購入を考えている方へ。悪いことは言わないから、それらを買うぐらいなら中華メーカーのスマホやタブレットを購入する方が性能面でも価格の面でもずっと良いのでお勧めしたい。中でもxiaomiの製品は性能と価格のバランスに非常に優れたものが多いので、コスパを追求する・コスパとは何かを考える上でもとても有益である。

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