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両手に石


わたしは花になりたい。


この話の後、誰がなんの花かという擬人化ならぬ擬花化が繰り広げられました。

妻と娘は、ヒマワリやバラ、チューリップなど、キレイな花が候補として挙がりキャッキャウフフしていました。

「パパは?」

なんだか僕の中の乙女魂に火がついてしまい、思わず娘に聞いてみました。

33歳男性の乙女魂を感じ取った娘は、頭を捻りに捻って、答えてくれました。

「わた毛!」

わた毛

花……なのか?


色味ゼロ。何だろうこの残念感。

いや、あの、わた毛は一切悪くないんです!可愛いし素敵だと思うんですよね!

ただ、こういう時って、もっと色味のある花を提案してくれるハズでは?

まぁ、なんか、白くてフワフワしているから良しとするか……?

でもでも、なんか納得いかない。

「ねぇ。パパはさ、アジサイ好きなんだよね。アジサイ、どうかな?」

娘に問いかけてみる、そうさ、きっと思いつかなかっただけで、こちらからピッタリのものを提案すれば、食いついてくれるハズ!

「アジサイ?あー。良いかもね。」

腑に落ちないぃっ!!

なんだその諦め感の強い返事。やっぱり、わた毛が良かったのか。

そうだよな。娘としても、きっと考えて選んでくれた花。否定されたらきっと嫌な気持ちになる。ここは親として、子供の意見を尊重しなくてはいけない。

「いや!やっぱ、わた毛いいね!フワフワしてて可愛いもんね!パパ、わた毛になる!」

「あー。良いんじゃない?」

腑に落ちないぃっ!!


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