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DIY防音室の換気方法を考えよう

DIY防音室なるジャンルを知りまして、問題となるのは換気。
湿気や材料からの化学物質、身体からの汚染物質の排除などを行わないと大変なことになってしまいます。

調べていると、ロスナイ換気扇が良いゾとの情報。
、、、、一応ご指導いただいた経験があり、なので何か役に立つかも?と、換気扇の選定や防音方法や部材などを書いておこうかと。

■換気方式

一~三種換気という方式があります。
ググってもらうと模式図が出てくるかと思います。
ロスナイは一種、一般的な居室は三種、クリーンルームなどは二種となります。

web界隈でロスナイがいいゾ~の理由は防音性能が高いから。
たしかに、換気ユニットを介して外部へ繋がるのでそのとおりですが、熱交換してしまうので、防音室の外部でエアコンつけてても防音室の中は効かないということになりそうな気が、、
ドラムとかだと大変ですね、、。

なので、三種換気でお話を進めます。
二種でも良いのですが、防音室を部屋の中に設置するという条件から、あえて二種にしなくても良いかと思います。

■必要換気量

一般居室は2時間で全ての空気が入れ替わるように計画します(建築基準法)。
計算方法は幾つかあるのですが、ざっくりこんな塩梅(換気扇の風量で多めに確保できるので適当でいいです)。
例えば1畳の床面積x天井高さ2mだと、ざっくり3.3m3くらいですね。
また、ドラムセットを置くために2畳にしていたとしても6.6m3となりますね。
と、ここまで計算しておいて、、なのですが、一般的なパイプファン(壁付け換気扇)の風量は60m3/hくらいあるので、気にしなくて問題無いです。
逆にそんなに換気しても大丈夫?風切り音とかでない?ってなりますが、吸音材などの圧力損失が大きくて、実際は20m3/hも出ないのでヘーキヘーキ

■部品構成

吸気口と排気口(換気扇)の二か所それぞれの部品が必要になります。
防音室の外側から順番に、、
1,防音フード
2,壁を貫通するダクト部分
3,ダクト内部に入れる吸音材
4,防音室内には吸気口カバーと換気扇

■防音フード

建物の外壁についているこういう部品です⤵

かなり種類があるのですが、選定条件は100φサイズ(後述)、防火ダンパーや防風機構無し(機能上不要なので無い方が安い)、そして防音タイプとなります。
例えば、ナスタ KS-100FSMD-MLG⤵

箱の中に吸音材が入っています。
性能についてはメーカーが公表しているものがあります。
吸気口カバーとセットで黒線の性能⤵

T-3ってなんやねんと思われるかもですが、ざっくり最近の新築建物くらいです。窓や扉を締め切っていると、外の音は殆ど気にならないくらいの性能。でも、楽器を弾いてたりすると聞こえるなあ、夜だと気になるなあみたいな感じ(主観)。
防音性能の数値で言うとDr-30くらい。防音室としては足らないので、パイプ内の吸音材で補います(後述)。

この部品を吸気口、換気扇それぞれに取り付けます。
また、吸気口側は空気を吸い込むところにこういうフィルターを貼っておくと、埃の混入を少なくすることができます。
このあたりからも、三種換気で良いかなあと。

■壁を貫通するダクト部分

内径100mmのパイプが必要になります。
防火性能も要らないので、紙管などでも十分です。

長さは150mm以上にしましょう。
下の図のように、防音フードも換気扇も出っ張りがあるため、ここをダクトパイプ内に差し込む必要があるためです。

換気扇の断面図、82mmほど出っ張りがあります
防音フードの断面図、50mmほど出っ張りがあります
前述の品番では、10の防火ダンパーは無く空洞になっているため、ここに後述の吸音材を入れます

また、ダクトパイプの共振を防ぐために、パイプの外側に防振材や吸音材を貼っておくのも良いかと思います。

■ダクトパイプ内部に入れる吸音材

前述のダクト内に吸音材を入れます。
自動車やバイクのマフラーのようなイメージで、ダクトパイプの中にサイレンサーを入れるというような塩梅です。
こんなタイプ⤵

仕組み的にはダクト内の反響を押さえる役割なので、こちらも防音室を作った際に余った吸音材を貼り付けても良いかもですね。

また、防音性能の記載があるものだとこういった製品もあります。
T-1同等とのことなので、前述の表でみると合計DR-50くらいにはなってくれるかも?


■吸気口カバー

選定条件は防音タイプ、100φサイズです。
たとえばこのあたり⤵

■換気扇

パイプファンという壁や天井に取り付けるタイプです。
内部に固定用のビスを打つ箇所がありますが、軽量なので強力両面テープとかでも良いかも。
ダクトパイプ直径が100、150、200mmの三タイプがあり、100mmで十分風量が確保できます。
そのため、前述の部品群も全て100φタイプで統一しているという塩梅。

選定条件は、本体にスイッチがあること、そこそこ風量があること、換気扇を正面から見た際に、空気の通る穴が見えないことです。
たとえばこれ。

また、正面のパネルに、防振シート+一回り大きな吸音材を貼り付けるのも非常に有効かと思われます。


こんな塩梅で換気機能を持たせておくと、清潔かつ快適な状態を保ちやすくなります。
また気付いたことが有れば追記しておこうと思います。

ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、試行錯誤を繰り返して、楽しかったり上手く行ったところを書いていたりします。 貴重なサポートを頂けますと、なおさら色んなことを試して書きます!