符亀の「喰べたもの」 20221106~20221112

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 112です。

各書影は「版元ドットコム」様より引用しております。


漫画

ももいろモンタージュ」(1巻) まめ猫

最強のエロ絵師を目指す芸大生の物語。

よりエロく描くための理論を追求する、この題材の時点でもう勝ちな作品です。エロという原始的な面白さに理論追求という理知的なそれが合わさり、パッと見のヒキと読破後の余韻の両方を兼ね備えています。さらに、その理論を身に着けていくという成長要素によって作品を通じての軸も作れているため、まさに隙がありません。もちろんキャラもかわいいですし。


シルバーロック」 三上カン

引退した元ジャズドラマーが、孫へのメッセージとしてもう一度ドラムを叩く読み切りです。

ラスト、メッセージを受け取った孫と話さずに一人で夜道に消えていくのがいいなと思いました。あそこで孫と抱き合ったりしたらダメなんですよね。私は変な演出で余韻を台無しにしかねないタイプだと思うので、改めて自戒しなくてはいけないなと思いました。例えばそう、無粋にも作品の分析して勝手に駄文をぶちまけたりとかね。


重めの本を読んだ週は、どうしても漫画の方がおざなりになってしまいますね。だから積読が増えてくんだぞわかってるのか。


一般書籍

性表現規制の文化史」 白田秀彰

「えっちなのはいけません!」という社会規範がどのように生まれたのか、筆者さんの専門である英米法における歴史を中心にまとめられた本です。

宗教的価値観や財産の相続、社会階級や政治的運動と、幅広い観点から性表現規制の歴史が著されている、非常に面白い本でした。特に、財産継承から性的貞淑さが重要な上層階級とそうでない下層階級との差が性を下品とみなす考え方を生んだとする説と、自分たち含むある立場の人たちを「性表現により反道徳的影響を受けやすい」とするかどうかが政治的カードになる (が故に政治的主体になりえない未成年が性規制の聖域になる) ことの2点は、この本を読まなければ得られなかった重要な知見でした。

問題点を挙げるならば、本書「おわりに」にある通り、資料的裏付けを参考文献に任せているうえに該当部分の引用がほぼないため、批判的に読むには該当書籍を入手する必要があるところは気になりました。今回はその手間を惜しんでいるので、筆者さんの誤った歴史観を鵜呑みにしてしまっている可能性はあります。ですが、そのリスクを除けば非常に面白い本であり、かつ表現規制の論点をクリアにしてくれる本でもあるため、その問題に関心があるならば必読な一冊だと思います。

ちなみに、エロテーマの「ももいろモンタージュ」と同じ週に読み終わったのは単なる偶然です。


Web記事

金婚式の企画のポイント

ボードゲーム制作者であるかわぐち氏が、そのノウハウを活かして金婚式の企画をされた際のポイントをまとめられたツイート群です。このnorteの執筆が遅れている間にnoteにまとめを作成されていたようですので、そちらのリンクもご覧ください。

「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」ではありませんが、孫を楽しませることで祖父母を楽しませるというターゲティングが的確だと思いました。具体的な施策の数々も、幅広いイベント運営で参考にできそうです。


本体vs拡張の数について

ボードゲームの本体と拡張の販売数について、ボドゲーマのデータを用いて適切な比を求めようとされたnoteです。

外れ値を除き、およそ本体所持数の20-60%の範囲に拡張所持数が収まるというデータ、非常に有用だと思います。知見を公開していただいたことに感謝します。


ぼっち・ざ・ろっく」を見始めました。話題になるだけあって、非常に面白いです。きらら系なのでキャラがかわいいのは当然として、主人公の顔芸によるインパクトの強いギャグ、ロック感が強く耳に残る曲、バンドメンバーの関係性変化や主人公の成長と、いろんなタイムスパンの面白さが散りばめられていて飽きずに見続けられます。実質「かぐや様は告らせたい」。その上主人公が独り言で全部思考をしゃべってくれるおかげで分かりやすいのも「鬼滅の刃」みたいで素晴らしい。父が鬼滅で母がかぐや様。なるほどそりゃ売れるわ。

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