符亀の「喰べたもの」 20210328~20210403

今週インプットしたものをまとめるnote、第二十八回です。

各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。


漫画

イマジナリー」(1巻) 幾花にいろ

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友達以上恋人未満な幼なじみを中心に、馬鹿話とちょっとの遠距離恋愛を描いた作品。なお作者さんはエロ漫画家ですが、本作にそういう描写は(現時点では)ないです。

くだらないダベりと絶妙な距離感がメインの作品ながら、読みにくさもテンポの悪さも感じないのがすごいです。特に会話劇が上手く、友人同士の脈絡のない会話をスラスラ読ませるという離れ業により、独自の魅力を確立しています。セリフ配置や言葉選びに、学べる点が多そうです。

また、ダベり中の空想シーンで高い画力を見せつけ、メリハリをつけているのも上手いです。絵力は全てを解決する。

あとは、もうぶっちゃけた話エロいです。紙面から成人漫画特有のスレた雰囲気が漂っており、エッチなシーン自体はお風呂まで(一応男女両方の裸は見れるが乳首は見えない)しかないのに、もうすっごいエロいです。これ以上書くと好感度下がりそうなので次行きます。


トリリオンゲーム」(1巻) 稲垣理一郎(原作)、池上遼一(作画)

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PCスキルは高いがコミュ障のガクと、コミュ力の塊だがワガママで常識の通じない男ハル。2人がタッグを組み、最強の大金持ちを目指す話。

話を動かす役割のハルに底知れない雰囲気が漂っているのが、キャラにも作品全体にもいい働きをしています。本作は基本的に彼の奇想天外な策やハッタリで動いていくのですが、彼の実力が不明な分、変化球だけではなく今度は正攻法で突破するのかもしれないと思ってしまう。だからこそ奇策での解決がマンネリ化せずに活きますし、ハル自身も薄っぺらく見えない。また、結局はガクが手を動かさないと解決しない展開のため、片方がカリスマなバディものにある「もうあいつだけでいいんじゃないかな」感が薄いのもいいですね。

ただ、検索して出てくる試し読みが面白いところまでいかないのは不満ですね。そのため原作の稲垣氏が1話を丸々twitterに公開しているのかなと思いますが、その1話もキャラの描写とストーリーの起こりだけで作品の個性が伝わってこないのも評価しづらいところがあります。正直この2人のネームバリューがなければ単行本買ってなかったかもしれないですし、逆にこの試し読みで購入を迷っている方は一回買ってみたほうがいいと思います。


ゲムマまであと1週間を切り、大絶賛修羅場中な私ですが、なんとか新刊に手を出す気力とそれを楽しむ体力は残っておりました。ですがちゃんと分析する脳の余裕は残っていなかったので、ゲムマ終わってからもう一度精読したいですね。


一般書籍

むりです。でした。


Web記事

『勝つために、麻雀の勉強を減らした』多井プロが“本業の努力”より大切にしていること
『仕事だけではここ一番の“ジブンの土台”ができない』野球YouTuberトクサンが語る“趣味を好きでいる責任”

新R25より、仕事系の記事から2本です。

前者は一見奇策のようでいて本質を突いていると思いますし、特に我々のような趣味なのに本職と戦わないといけない同人稼業の人間には勉強になると思います。その反面見出しだけ見て文字通り受け取ると意味が変わってくる部分も多そうでしたので、しっかり全文を読むのが重要な記事かと。

後者も面白く、趣味とどう付き合うかを考える際に参考になると思います。話し手のトクサンさんの話術スキルが高いのもありますが、聞き手側の方の事前調査やちょっとした注釈も面白さを足しており、その点でもいい記事です。


ジャンプの漫画学校講義録⑦ギャグ・コメディ漫画編 『ギャグ漫画は好感度が大切』

松井優征さんの防御力についての記事がバズった連載の、次の回です。

最近キャラの魅力やその伝え方についてぼんやりと考えているのですが、その際の参考文献として非常に勉強になりました。賛否が別れるかもしれませんが、こういうのでは珍しくダメな例を実際の連載から出しているのも、個人的にはわかりやすくて助かります。

ただまあ元々隔週連載でやっているとはいえ、前回バズったのにその次を出すまで時間空けすぎて鎮火してしまっているのは単純に下手だなあと思います。それでも読むような人向けの記事だというのはわかりますが、それでも6.5回を入れるなどしてその火を絶やさないようにした方が良かったのではないかと思います。特に今回は編集者さんの回で、ジャンプがどう考えているのかの宣伝にもなる記事です。ゆえになおさらただの読者にもこれを届けるメリットがあったのではないかと思い、私ですら投稿された翌週にようやく思い出して読んだぐらいに埋もれてしまっているのが残念に感じます。


note版 突然画力が伸びだした時、僕が発見した事

作品は作っているのになかなか伸びない人に向けて、その原因になっている心理とその対策を書いたnoteです。

原因のほうは他の書籍とかでも言われていることだと思いますが、対策が独特かつ実践的なのがおもしろいですね。


ゲームデザイナー新澤大樹インタビュー カードゲーム『すべてがちょっとずつ優しい世界』のつくりかた 後編

表題にもあるゲームの製作について、デザイナーさんに行われたインタビュー記事の後編です。

前編も含めて地味で、ぶっちゃけプロモーションになっているのかは微妙な記事だと思います。しかし、カードゲームにおける確率やテストプレイで見るところなど、地味だけど製作で大事なことについてプロの考えが見れる良記事だと思います。お客さんではなく、同業者向けの記事に感じました。


【寄稿文】『アマロンの元ネタ、Totenbrettとは』

怪文書。

存在しないゲームについて、存在する参考文献(英語書籍含む)と存在しない文献とを組み合わせて書かれたガチ評論です。怪文書が長すぎて、その後にリンク貼られてる説明書がよりコンパクトに見えるから笑えます。

ちなみに、王仁辰巳氏の正体についてはググれば出てくると思います。大学に所属してると、研究室メンバーの名前が簡単に調べられますので。


来週の今頃にはゲムマの1日目が終わっている、そんな時期になってまいりました。ぶっちゃけ間に合う気がしませんが、クオリティと体調に気をつけて走りぬきたいと思います。

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