符亀の「喰べたもの」 20220904~20220910
今週インプットしたものをまとめるnote、No. 103です。
各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。
漫画
「イリオス」(1巻) 円城寺真己
伊莉雄 (イリオス) 会の亀山組若頭である亀山パリスと、朱維屋 (アカイヤ) 会所属の半神と呼ばれる男アキレスとの命をかけた競走を描いた作品です。
金のリンゴの逸話の使い方、原本からのズラシが上手いなと思います。神話では<美しい女>を選んだところを「全部僕によこせ」と言わせることで、主人公のキャラを一発で伝えています。さらに、破滅した元ネタのパリスとの差を示すことで、主人公が勝つ可能性を読者に感じさせ、先を読めなくさせています。
神話になぞらえて筋をわかりやすくしつつ、きっかけとなった選択を変えて展開を読めなくさせる。前回名付けてからいきなり「見立て(仮)」の実例が登場したこと、運命を感じます。
「ブーツレグ」(3巻) ヤスダスズヒト
魂を持ち人を襲う100双の手袋「Hand-Red」を倒すため、それらに愛する者を奪われた者たちが「鎮魂靴」を履いて立ち向かう物語。第五十一回以来の登場です。
設定とその使い方が上手い作品だと思います。足運びを4つの組み合わせにして覚えやすくしつつ拡張性や奥義っぽさを生むやり方、情報を小出しにすることの理由付け、仇や能力「固」の意味付けなど、どこをとっても上手さを感じます。こうした設定がキャラの疑問への答えとして提示されており、説明臭さを薄めているのも見事です。
ただ、キャラのストーリーが1点で交わらなかったためか、話が散らかっていたなという印象は受けてしまいました。次巻からの新エピソードでは再び2巻のときの凄まじさを見せつけてくれることを祈りつつ、1年待とうと思います。
アナログゲームフェスタの準備、特にギリギリまで着手しなかった説明書の執筆と当日の出展のために浅めのインプットになってはしまいましたが、新規作品や厚めの漫画に向き合おうとできたのはまだマシだったかなと思います。スケジュールさえちゃんと管理してればこんなことにはならんのだが。
一般書籍
なんであと数ページのとこまで来て2週間放置してるんですか?
Web記事
「OKAZU brandのアナログゲームフェスタのお品書き」
タイトルそのままのツイートです。作品数が多くなった際、画像も入れつつ見やすくまとまっているお品書きとして参考にしたいと思って載せました。要するにブックマーク代わりです。
「『彼』自身の言葉で、語るべきではないか――料理と食を通して日常を考察するエッセイ『とりあえずお湯わかせ』柚木麻子」
某役者さんの性加害報道を受け、そのファンの小説家さんが書かれたエッセイです。
内容も、構成も、それができるホームでの執筆 (他の依頼を断ったこと) も、第三者が評していいものかは悩みましたが、それでも素直に美しいと思いました。
「【デュエマ】大崎甘奈とマナロックに関する言説について(メガ甘奈ロックドラゴン事件)」
こういう事実をちゃんと残す記事、大切だと思います。
アナログゲームフェスタ、正直に申し上げて、想定をはるかに超える盛況をいただきました。これを弾みに、ゲームマーケットの方もがんばっていきたいと思います。と言いつつ1週間なんもしてないですけどね。
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