符亀の「喰べたもの」 20240324~20240330

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 184です。



漫画

しかのこのこのここしたんたん」(2〜4巻) おしおしお

一人の少女(元ヤン)が一人のシカ(?)に出会う、ガール・ミーツ・シカ物語です。No. 183以来の登場です。

前回期待していたような狂気っぷりはやはりなかったのですが、何回か当たり回があったので満足はしています。これまで焦らしに焦らされて上がりまくったハードルは越えていない気もしますが、それは私が悪いので。

で、じゃあその当たり回と個人的に刺さらなかった他の回とで何が違うのかを考えているんですけども、これが本当にわからないんですよね。好きな回はシカ生ゲームの回 (13、14話) に花粉症の回 (16話)、ツチノコの回 (24話) で、ギャグとしてはツノ外すときに頭も外れるやつも好きなんですけど、これらの何が面白いのかを言語化はできません。好きな回の傾向としてはシカの謎生態を披露しまくる設定ボケ系になると思うのですが、設定ボケ回の12話はハマってないですし。逆に、4巻105ページのポーズとってるシカのコマはただポーズとってるだけなのにすごい好きですし。

こういうギャグ漫画の面白さを言語化できたりギャグの公式を作れたりしたら色々便利そうなので、何らかの学びを得たいですね。特に、言ってしまえば個人的に当たり外れが大きい本作とか、教材として使いやすそうですし。


ギャグ漫画の続刊1作品だけと、漫画のインプットは非常に少ない週でした。まあ後述の通り映画観たりしてるから許してえな。


一般書籍

さすがにそろそろなんか読んだ方がいい気がしてきました。


Web記事

日本D&D興亡史

日本における、TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の歴史をまとめたnoteです。

私はTRPGに詳しくなく、特にホビージャパンさんでの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の取り扱いが終了した経緯や現在の展開がわかっていなかったため、非常に勉強になりました。アナログゲームミュージアムー!この記事アーカイブしてー!!


「ワイ、戦国武将・長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)の末裔説」を本気で検証してみた。佐賀の『はじまりの名護屋城。』をきっかけに遠い先祖(?)へ思いを馳せる

ライターのヨッピー氏が、幼少期に父親から言われた通り、自分が長宗我部の本流の末裔なのかを調べた記事です。

歴史モノとして面白かったですし、この記事を受けて今後どうなっていくかも楽しみです。あとこれは私が完全に悪いんですけども、3ページ目で専門家の方が出てからわりと無批判に史料の正当性を受け入れてしまっている自分がおりまして、反省のためにその事実を書き残しておきます。


今週は、久々に映画を観ました。それも2本。

1本目は、「ブリックレイヤー」という元CIAエージェントが過去に自分が殺したはずの旧友が暗躍していると聞き再び捜査に身を投じるアクション映画です。本作は完全新作なのですが、敵の旧友だけでなく現役時代に同僚だったっぽいヤツやら当時恋仲になりかけたっぽいヤツやら、前作の存在を2作目で匂わせる系の演出が多く、新作なのにそれを採用する手法が面白いと思いました。本編は超王道のアクションものなのですが、それらの演出や山場が続く構成のおかげで退屈せず、逆にストーリー自体は王道なのでわかりやすく頭空っぽで楽しめるようになっていて、いい作品でした。

2本目は、「ペナルティループ」という最愛の彼女を殺した男に何度も復讐するサスペンス系のループものです。こいつがとにかく曲者で、「減点法だと60~70点だが、加点法だと100点超えてくる」みたいな映画なんですよね。ちなみに、この「減点法だと60~70点」を𝕏で投稿したら、監督に見つかっていいねされました。

まず個人的に点数が下がっている理由は、「序盤は脚本の概要を知っていないと意味が分かりにくく、絵面も地味」「なのに脚本を知っていると直感的には矛盾しているようなシーンがある(筋を通す解釈はできる)」「全体的に説明不足で、パンフレットを見ないとわからない設定があり、視聴中はモヤモヤが残る」あたりです。特に、最初30分はシュールなのか出来が悪いのかが微妙な感じで、もう帰ろうかなと思いながら見ていました。

ですが、殺し殺されの関係だったはずの2人がボウリング場に行き出してから、本作のジャンルがわからなくなって目が離せなくなるんですよ。そこから最後まで、一切退屈しませんでした。そこから1週間以上本作が脳にこびりついて、数人に観に行くように勧めてパンフレットも読んで、ようやく整理がついてきた感じです。

おかげでわかってきたのが、ループモノの性質についてです。ループしている間は基本的に話が動かないので、普通のループ作品だと「どうやってループを抜け出すか」というミステリーが、そのループに意味を持たせているんですよね。ですが、本作のループは、そういう抜け出すべきものではありません。物語におけるループの役割を新たに設定しなおしたことで、それが見えてくる中盤以降は何が起こるか読めなくて目が離せなくなりますし、逆に物語が進展していないように見える序盤は面白く感じられない。ループの役割、もっというと物語の全体像が見えないと何をやっているかわからないし、それが新しいと無茶苦茶面白い。こうやって分解し直すと前から言っていることに帰着するのですが、そのすごい具体例を見れたのはとても質のいいインプットだったなと思います。

「ペナルティループ」、30分間耐えられる人ならすごくオススメです。伊勢谷友介の色気がすごいので、そういう意味でもオススメです。

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