符亀の「喰べたもの」 20230702~20230708
今週インプットしたものをまとめるnote、No. 146です。
各書影は「版元ドットコム」様より引用しております。
漫画
「アンデッドアンラック」(17巻) 戸塚慶文
この世の理を否定する「否定者」たちが、神を斃さんとする物語。No. 137以来の登場です。
いやー、マジで面白いですね。ループ後のアンデラは今年一面白い漫画だと思います。
退場したキャラも全員復活させることでキャラを増やし、その強化イベントと過去編とを今の時間軸でやることで話を進ませながらキャラを掘り下げ、それでそのキャラの目的は果たされて主人公に協力するだけになるので、キャラが増えても話が複雑にならない。「ループ」という設定をこれでもかと活用していて、読みかえすたびギミックの美しさに感動します。あと普通にショーンの話が好き。
「マッシュル-MASHLE-」(17巻) 甲本一
ラスボスに対して「……殺っちゃった?」をやれるの、この作品らしくて私は好きです。
「100万回死んだルナ」 猗笠怜司
好きな人から愛されるため100万回やり直した少女を描いた読み切りです。
面白かったです。なので結構気合い入れて分析したんですが、構成がテクニカルで消化しきれませんでした。ちゃんちゃん。
(以下ネタバレ注意。)
テクニカルとはいえ、基本的には映画の三幕構成に沿っているんですよね。面白いのは、1/3の時点で主人公が超能力 (本作だとタイムマシン) を得るのと同時に「すべてを失って」が入るところ、そして2/3の時点で主人公が入れ替わるところでしょうか。
ここまで書いて、普通だと中盤の終わりに入る「すべてを失って」が前半に来ているのが、本作の読後感を良くしている気がしてきました。セオリー通り後半に入れてしまうと、ギャグっぽい本作にしてはシリアスすぎる。かといってそもそも入れないと、ただのギャグになって物語に深みが出ない。なので前半に入れつつ、即座に超能力とギャグ顔で印象を上書きして後味をすっきりさせている。それが本作の強みの1つなのかもしれません。よしこれで心置きなく考察できたと胸が張れるぜ。
ジャンプ系の週だったのでいっぱい新刊を買いましたが、来週発売の漫画に読んでいる奴の続刊がなかったので一部来週に回しました。そういう調整よくないと思うなあボク。
一般書籍
「完全教祖マニュアル」 架神恭介、辰巳一世
誰でも簡単に教祖になり、バラ色の人生を歩むためのマニュアルです。
マニュアル形式なら何言ってもいいでしょと、完璧なマジックサークルを作っているのが見事でした。宗教をバカにしているような記述もマニュアルだからと言い訳がききますし、アンチ宗教の本ではないので宗教のよくできた部分を褒めるような記述も無理なく入れられます。つまり自然に両論併記っぽい形が作れるので、内容がより正しそうに感じます。いや信じている私にとって、この本が正しいことは明らかなのですが。
箇条書き型の解説書なので勉強になったところを挙げようとすると全部書き出さないといけないのですが、ゲーム制作者的に面白いと思ったのは、信者をハッピーにさせる方法として「その人が良いと思うことを素直に実行させる」ことが挙げられていたことです。このように行動に理由付けをしてあげるのはゲームルールの得意分野であり、こういった形のゲーム体験もアリなのかもしれないなと思いました。
Web記事
「まず2Dゲームで開発、社員300人で1週間遊ぶ!? 新作ゼルダ、任天堂の驚愕の開発手法に迫る。「時オカ」企画書も公開! 【ゲームの企画書:任天堂・青沼英二×スクエニ・藤澤仁】」
2017年の「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」発売直前に行われた、プロデューサーの青沼英二さんと元ドラクエシリーズディレクターの藤澤仁さんとの対談記事です。
「あれも出来るなら、これも出来るはずだ」という面白さがゼルダシリーズの大事にしてきたものとして挙げられているのですが、これこそまさに私がボードゲームで実現したい (がビデオゲームにしか無理なのではないかと思っている) 面白さなんですよね。どうやって「できちゃった」を実現するかなんですよね課題は。うーむ。うーむ。
「春麗の体格の歴史」
春麗のキャラクターデザインを務めたあきまんさんの、春麗の体格の変化についての考察です。
昔の春麗は紅一点だったためいろいろなイメージの投影先であったが、今は他にも女性キャラがいるのでその中での役割に沿ったデザインがなされるのだろうという考察が、作品内におけるキャラクターデザインの仕事を表す逸話として面白いなと思いました。
「【祝・開設】東野・吉村がVTuberはじめました!【VTuber】【東野幸治 ノブコブ吉村】ゲストまんみ(ネルソンズ 和田まんじゅう)」
なんでやねん。
制作中のゲームのモヤモヤしていたところがなんとかなってきたので、日曜のテストプレイ会で上手く回るか確かめようと思います。
(注:この日記は7/8時点でのものであり、その執筆はテストプレイ会の記憶も薄れてきた約1ヶ月後に行われています。)
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