符亀の「喰べたもの」 20240609~20240615

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 195です。


漫画

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」(3巻) 魚豊

小学4年生のときに論理的思考力について誉められたのが心の支えになっているフリーターが、恋と陰謀論に巻き込まれる話です。No. 182以来の登場です。

すごい展開でした。次巻完結でよかったという気にすらなる、怒涛の展開でした。小学生の感想文?

(以下、本編のネタバレが含まれます。)

「否定こそ、肯定」の使い方がうまかったです。この言葉、最初は主人公が陰謀論により深く染まってしまう、悪しき成長の象徴として出てきます。この時、主人公はコンビニのアルバイトに「ここはDS (引用者注、歴史の裏で暗躍するとされるディープステートの略) が経営していますか?」と聞き、当然否定されます。このシーンにおいて、読者は (実は作中世界が本当に陰謀論的世界観でないならば) 違うから否定されたのだとわかっていますが、主人公だけは真実を隠すために嘘の否定をしたのだと確信しています。本作お決まりの、本来素晴らしいはずの成長シーンを終わりへの転落へと書き換える、悪魔の発想です。

ですが、その後この言葉は、正反対の意味を伴って再登場します。いえ、正確には登場しないと言うべきかもしれません。ともかく、陰謀論を教えてくれる「先生」が以前にも同じような活動をしており、かつその活動はデマだったと聞いた主人公は、その真偽を「先生」に質問します。ここで「先生」は疑惑を「否定」し、主人公は安堵します。初登場時とは逆で、読者は「否定こそ、肯定」であり「先生」がペテン師だと確信するわけですが、主人公だけは都合のいい方に考えます。結果、「否定こそ、肯定」は、その後それでも「先生」が信じられないとなってからすら出てきません。破滅へと間違った成長していたと思われた主人公は、実は成長すらしていなかったのです。なんで毎巻最悪を更新できるんですか?

この流れをまとめると、まずこれまでの話で「成長を転落に書き換える」お家芸を印象づけ、次に「『否定こそ、肯定』というキーワードで、お家芸が来たと思わせつつもハラハラさせ」、最後に「そもそも成長すらしていなかったと土台からぶち壊した」わけです。こうまとめたらどっかで換骨奪胎して使えそうなテンプレートにも見えますが、本家があまりにうますぎて、パクったところでこれを越えられる気がしないんですけども。


ミステリと言う勿れ」(14巻) 田村由美

主人公が雑学や気になったことをしゃべっているうちに事件が解決できてる系ミステリ―。No. 155以来の紹介です。

主人公がいないシーンで、メインキャラに主人公の言動をシミュレートさせるのが面白いと思いました。作品の色は変えずに味変できますし、主人公自身の掘り下げにもなるので。ただ、本作では「シミュレートされた主人公が実際に喋っていないとおかしいやりとりがある」「シミュレートしているキャラを脳内の主人公が止めている」などチグハグな描写もあり、また主人公がいない必要性も薄かったので、もっといい活かし方があった気もします。


他にも新規作品を2作読んだのですが、ここに挙げられるほどに面白さを言語化できなかったので、保留とさせてください。てか「ようこそFACTへ!」でテンプレにまで言語化したのでそれで許して。


一般書籍

これまで読んできたやつが半分ぐらいまできたところで、新しいやつに手を出してしまいました。これはそう、両方とも読み終わらないやつですね。


Web記事

ボドゲの鉄人で『テーブルアシスタントの鉄人』と褒められたツマヤスタッフが調子に乗って何をしてたか自慢します。

先日開催された、ボードゲームデザイナーたちがその場でボードゲームを制作し競うイベント「ボドゲの鉄人」にて、運営スタッフをされた方の備忘録noteです。

イベントを盛り上げるために、参加者が瞬時に情報を知覚することが必要だと見抜いて施策を打っているのが見事です。施策それぞれもそのままパクれるもので、ありがたいまとめです。


いくら稼げるの!?マーダーミステリー!?2024

以前紹介した、マーダーミステリー作家兼マーダーミステリー専門店代表のイバラユーギさんが、売り上げと稼ぎ方のポイントを公開された記事の2024年版です。

基本的には2023年版と同じ内容でしたが、比較用だったりライセンス形式か買い切り形式かの話が追加されてたりしたので挙げました。


ココイチの良さが分かってない私としては「じゃあ食べてみようじゃねぇか」となったので早速行ってきました。

CoCo壱番屋の紹介記事を受け、実際にCoCo壱に行ってみた方のレポートツイート群です。

初回でここまでの言語化ができるのに驚嘆しました。書き方の技法として、最初にキャッチフレーズを出すことで言語化できているのを印象付けているのはわかるんですけどね。その言語化ができるようになる方法を知りたいんですよねこっちは。何食ったらこんなレビューができるのか知りたいです。CoCo壱か。


第二回ボドトーークに参加しました。今回は完全にアナログゲームミュージアムの人として参加し、有意義なお話ができたのではないかなと思います。たまには働いとかないと立場無くなっちゃうからね。

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