見出し画像

【DAY 25】好きだけど今の時代にそぐわない映画 「スパイダーマン」

DAY 25
a film you like that is not set in the current era.
好きだけど今の時代にそぐわない映画

スクリーンショット 2020-06-23 13.58.34

「スパイダーマン」(2002)
サム・ライミ監督
トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ウィレム・デフォー、ジェームズ・フランコ、クリフ・ロバートソン、ローズマリー・ハリス、J・K・シモンズ

いじめられっ子の高校生、ピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、隣に住むMJ(キルスティン・ダンスト)に恋をしているが、なかなか話しかけられないでいる。ある日、社会科見学で訪れた大学の研究室で、遺伝子操作された特殊なクモに噛み付かれてしまった。熱にうなされるピーターであったが、翌日にはスーパーパワーが備わっていることに気づく。視力が良くなり、筋肉量も増えた。そして手のひらに生えた細かい毛で壁を登ることができ、手首からは丈夫なクモの糸を放出できるようになった。

その力を使って、学校ではいじめっ子と喧嘩して倒すことができた。しかし、今までとは様子が違うピーターを心配する、親代わりのベンおじさん(クリフ・ロバートソン)は、「大いなる力には大いなる責任が伴うのだよ」と忠告をする。ある日小遣い稼ぎのためにファイトマネーをもらえる地下プロレスに出場した彼は、チャンピオンを倒したものの、主催者が約束通りの金をくれないことに憤慨して帰ろうとすると、そこに強盗が入る。しかし、やろうと思えば捕まえられた強盗を見逃す。しかし逃げたその強盗は、ベンおじさんを射殺することになり、深く後悔をするピーター。今後は、「スパイダーマン」として、自らの力を悪者退治のために使うことを決意する。

一方、親友のハリー(ジェームズ・フランコ)の父、ノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)は、軍需産業を営む会社の社長だが、ある日国からの援助を打ち切られそうになったことに焦り、自ら人体実験を行った結果、パワーの増強の副作用で凶暴な人格が目覚めてしまった。「グリーン・ゴブリン」と名乗り、ライバル会社の重役を殺し、次には彼を解任しようとした自社の役員たちを標的に。その攻撃に巻き込まれたMJを救うためにスパイダーマンとして戦い、グリーン・ゴブリンを撃退したことで、恨みを買うことになった。

+++

この、初代のバージョンは、今や時代遅れになってしまったけれど、僕はこの3部作が一番好きだ。「(500)日のサマー」(2009)を撮ったマーク・ウェブ監督の2部作は、アンドリュー・ガーフィールドに「スパイダーマンに必須な弱っちいヒーロー感」が薄いのがいまいちだし、3代目はもはやMCUの一部分として扱わざるを得ず、単品としての評価が難しい。

+++

本作の監督サム・ライミは、僕が大好きな「死霊のはらわた」(1981)「死霊のはらわたII」(1987)で頭角を現したホラー作家だけれど、実は「シンプル・プラン」(1998)や「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」(1999)みたいな、けっこうふつうの映画も手がけている。しかし、それがストレスだったんだろうか、この「スパイダーマン」のシリーズでは、コミック原作のアクション映画ということで、憑き物が落ちたようにやりたい放題に遊んでいて、あの頃の彼が戻ってきたようである。しかし、エンタメ大作なんだから、遊ぶにしても、もうちょっと小綺麗にまとめちゃえばいいものを、どうも、随所随所に「クセ」を入れてくる。

例えば、「スパイダーマン2」(2004)では、スパイダーマンを一度廃業して普通の人に戻るシーンがあるが、そのときの「雨にぬれても」をBGMに街を練り歩くさわやかな描写、なにあれ。ぜったい、ふざけてやってるんだよな。「スパイダーマン3」(2007)では、さらにその悪ノリは助長し、ヴェノムに寄生されてダークに落ちていったピーターが、ジェームス・ブラウンの「People Get Up And Drive Your Funky Soul」に合わせて踊る。もうちょっとシリアスになくだりのはずなのに。大爆笑した。

+++

そして、なんといっても、ヒロインが可愛くない、これに尽きる。2代目のヒロインはちゃんとエマ・ストーンが演じている。MCU版ではラブストーリーはあんまり重要ではないけど、MJを演じるのはゼンデイヤ。でも、この初代のMJは、キルスティン・ダンスト。僕の趣味の問題なのかなあ、どうしたってこの俳優、美人には見えないんだよな。しかし、それもクセになる要因のひとつではないかと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?