見出し画像

認知科学に基づくコーチなら当然知っているべき認知科学基礎

マニアックな記事すぎて読者がいるとも思えないので有料記事に。

苫米地英人さんの本などでよく「認知科学に基づくコーチング」というような文面をみます。その内容自体は、認知科学の考え方と緻密に整合した概念です。

一方で、その体系はコーチング用語(コンフォートゾーンやブリーフシステムなど)や神経科学の単語(ホメオスタシス)など、認知科学といくつかの概念が混ざってできた複合体になっています。

従って人によっては、何が認知科学で何が認知科学じゃないか分からずに「認知科学により証明されている」などと適当なことを言っちゃったりしてるかもしれません。世界に少なくても10名程度は居るんじゃないかと。。。僕はそう睨んでいます。

そこで本記事では「認知科学とは何か?」ということをコーチングの文脈に沿って解説した上で、認知科学のパラダイムでコーチングの原理を説明しきるという試みを行ってみます。

認知科学的な考え方って何?

日本認知科学会によると、認知科学とは

情報処理という観点から、生体(特に人)の知の働きや性質を理解する学問

と定義されています。

ここでいう「情報処理という観点」というのが鍵なのですが、それを理解する上で、その逆のコンセプトから理解していくと分かりやすいと思います。

よく認知科学と対比される概念として、行動主義心理学(behaviorism)という分野があります。これは心理学のアプローチの1つで、外からは観察ができない「心」というような概念が単独で存在することを認めずに行動のすべてを説明するアプローチです。

画像2

ここの外部刺激とは、「甘いものを見る」のような感じで我々の目に入る、耳に入る、などでとにかく知覚することだと思ってください。行動というのは、「食べる」とか「購買する」などです。

「甘いものを見る」と、「食べたくなる」という行動の相関が見られますが、なぜ食べたくなるのかという説明をしたくなりますよね。

行動主義心理学とは「外部刺激」と「行動」の間に、中間的概念があるとしても、全てはどうせブラックボックスであり、根拠が少なすぎて結論が出せない。だから、考えてもあまり意味ない、とします。

・・・・・・

ここから有料コンテンツです。合計で13000字弱くらいです。以下のような人にはとても有効なコンテンツになると思います。

・認知科学についての最低限の知識を入れて語れるようになりたい
・「認知科学に基づくコーチング」と自信を持っていうための知識がほしい
・コーチングの意義をもっとクリアに理解したい
・なぜ「現状の外側」という概念が重要なのかを理解したい

以下の人には向きません
・コーチングの事前知識を持たない人
・コーチングの方法論が知りたい人

ここから先は

11,852字 / 19画像

¥ 8,800

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?