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2023.1.28の備忘録

2023年1月28日。
私にとって奇跡のような、嘘みたいに幸せだったこの日のことについて書こうと思う。

0時発の夜行バスに乗り、6時半に横浜に到着。熟睡出来なかったけど着いた時点で疲れも眠気もぶっ飛び、既に浮ついていた。

Reassemblyの開演までに私には達成しなければならないミッションがあった。それは源さんを好きになり、今の私を作ったといっても過言では無いドラマ、『逃げるは恥だが役に立つ』の聖地巡礼をすること。事前に行きたい場所の印をマップにつけ、どの順番で回るのかをだいたい考えていたので、まずは平匡さん、風見さん、日野さん、沼田さん、そして百合ちゃん、梅原くん、柚ちゃんが働いていたオフィスビルに立ち寄った。
似たようなビルがありすぎて、果たして辿り着けるのか若干不安だったけど、そのビルを目の前にした時に脳内の景色と合致して心が震えた。外装も少し見える内装も知ってる。何度も何度も見た景色。「ここで撮影が行われたんだ」というよりも、「こんな都会にあるこのビルで平匡さんは働いていたんだな」という感情になった。私にとって逃げ恥の登場人物たちは現実世界でも生きている存在なので、同じ空間にいる錯覚におちいり心から感激した。朝の7時前で人通りも全然無い中、ひとりビルの前でここにこれた幸せを噛み締めていた。
次は5話でみくりが街頭演説の妄想をした日本丸メモリアルパークを横目で見つつ、ドラマ内の重要な場面で何度も登場する北仲橋を歩いた。偽って普通の結婚だと周囲に言うことを逃げだと感じているみくりに対し、平匡が「逃げるのは恥、だけど役に立つ」とハンガリーの諺を教えたあの場面、二人が恋人繋ぎをして歩いたあの場面、今は逃げてはダメだと平匡が決心するあの場面、子育てを手伝うと言う平匡にみくりが疑問をぶつけるあの場面……いろんなシーンがフラッシュバックしてきた。風が冷たくとても寒かったが、心はじんわり温まった。
ちょうどお腹も空いてきたので、横浜市役所一階のスタバで朝ご飯を食べ、永遠に充電がたまらないスマホと睨めっこしながら時間を潰していた。意外と開演まで時間はあるし、ライブグッズを追加で買う予定もなかったので、周りたいところを周りきったら適当にふらふら横浜の街を歩こうと決め、お店を出た。
とりあえず次の目的地である象の鼻パークに行こうと思い、北仲橋を歩いていると、橋の途中で源さんUTのバッグを持ち、写真を撮っている方の姿が見えた。きっと源さんのファンの方だと思い、迷ったが声をかけてみた。すると予想は的中し、開演前の時間を使って聖地巡礼をしているとのことだった。そして、一緒に周りませんかというお誘いもしていただいた。もちろんそのお誘いをお受けして、沢山のことをお話しした。SNSで友達を作ったことがないこと、横浜まで遠方から見にきたこと、逃げ恥が大好きなこと……沢山共通点を見つけ、道中楽しくて仕方がなかった。今まで楽しさや興奮を同じ温度感で共有したことがなかったので、この時間が奇跡のようだった。
その後は結婚式の妄想をした船乗り場、プロポーズをしたレストラン、みくりとやっさんが来た中華料理店を巡り、百合ちゃんのシーンが印象的なレストランで一緒にご飯を食べご馳走にもなり、最後に青空市が行われた八幡神社に寄った。上り坂が思いの外長く、一人だったらしんどかっただろうなと思う。しかし励まし合いながらなんとか到着し、いざ神社を目の前にすると二人の姿が見えるような気がして心がいっぱいになった。逃げ恥が生きがいだった当時中学3年生の自分に「いま私は源さんの誕生日に、あなたがずっと行きたいと夢見る場所に来れたんだよ」と教えてあげたいと思った。夢のような最高の時間を過ごすことが出来た。
当初私が行こうと決めていた聖地全てを周りきることが出来て、そしてそれを一緒に楽しんでくれる存在がいてくれることが本当に本当に嬉しかった。神社で「このいま歩く時のジャリジャリ音とみくり平匡のシーンのジャリジャリ音って一緒ですよね!!!(?)」と若干いま後悔しているほどテンション高く話す私に対しても笑って共感してくれるような、あのマンションにはなるべく行きたくないという私の思いを汲み取って尊重してくれるような、そんな素敵な方だった。勝手ながらその方は源さん繋がりで出来た初めての友達だと思っている 。本当に素敵な出会いに恵まれた。
14時前頃にその方とお別れをし、ホテルにチェックインをしてその後会場に向かった。大阪2日目の時も感じたが、本当に年齢も性別も幅広いファンがいるんだなと横浜でも思った。その一部に自分も含まれていることがなんだか嬉しかった。無事会場入りし、ニセさんフラッグの写真も撮り、開演までの一分一秒をしっかり感じながらその瞬間が来るのを待った。

そして17時開演。ムービーが流れて、改めて感慨深い気持ちになった。Assembly vol.00の映像から始まり、インストのHelloSongにのせてMVや過去の映像、そして「いつかあなたに」「いつかあなたに」「会える」の文字が流れた。大拍手の中、通路から登場する源さんが肉眼ではっきり見えた。全方位に深々とお辞儀をする源さん。走っていけば数十秒で辿り着いてしまいそうな距離に源さんがいることに横浜でも全く慣れなかった。そして曲がスタート。一曲目の化物は玉田さんのドラムから始まり、曲中のトメやアレンジがたまらなく気持ち良くて、音楽的展開やきっかけの際の照明が全てバチバチに決まっていて最高だった。
桜の森は目を閉じて頭を振りながら聴くムーブを大阪と続けて再度やってしまった。大阪の反省を生かして、せっかく同じ会場にいるんだから、しかとその姿を目に焼き付けようと思って臨んだのに、聴こえてくる音楽がもう本当に良すぎてついやってしまった。
曲間のMC、亮ちゃんへの「可愛い洋服ですね…」、さくちゃんへの「可愛い髪型ですね…」にニヨニヨした☺️
ミスユーでは源さんの天に向かって歌っているような姿が印象的だった。目の前にいる観客、そしてその奥にいる存在に向かって歌っているように見えた。「君駆ける青空」の照明が、空のようで源さんの姿が相まって幻想的だった。斜め前にいる男性が涙を拭っている姿を見て、今のこの光景は忘れないだろうなとその時思った。
Presentはドームツアーの照明に心震えたし、大阪でも改めて感動したから楽しみだった。冒頭の照明は源さんに突き刺さる(良いものも悪いものも含まれた)視線のように感じた。全方位からザクザクステージに刺さっているように見えて、照明で胸が苦しくなるとは思わなかった。「雲を流れどこも行けずに」でどこも行けないコロナ禍、外を見れば綺麗に晴れているのに落ち着いて深呼吸が出来ないあの時のことが書かれた、いのちの車窓からのあとがきを思い出した。当時思ってもみなかった未来を先んじて見ていたかのような歌詞だなと改めて感じた。そしてラストの照明はやっぱり何度見ても感動する。陽が差し込むように会場が光に包まれた瞬間は思わず上を見上げてしまった。
不思議ではMVの軽やかに独りでステップを踏む源さんと目の前にいる源さんが重なった。こんな日本語があるのかわからないけど、会場の中心で歌う源さんは温かい孤独を纏っていた。「遺らぬ言葉の中に 溢れる記憶の中に」のリズムが毎度気持ち良い。音源とは違う「詰め込んだ歌」のメロディーラインが改めて大好きだと感じた。
次のうちで踊ろう(大晦日)は多分、一生忘れられないと思う。会場にいた全ての人がそう感じたと断言できる。曲前で私たちは直接源さんに声を届けることが出来た。「ちょっと待って泣きそうなんだけど」と言って顔を歪めた源さんが見えた瞬間、涙が出てきた。各方面から啜り泣く声が聞こえてきた。源さんに何をしてあげられるんだろうと考えては、何も出来ないのだと悟り虚しくなる時がある。きっと本当に辛いときは直接その根っことなる部分を見つけ出し抜いてあげることは出来ないし、私たちの知らないところで不安や悩み、重圧を感じていることも沢山あったはず。この3年間、源さんは私たちから見えるところでも見えないところでも色んなものと必死に闘ってきた。試行錯誤し、最適解をもがきながら探して私たちに提示してくれた。何も還元できないな、何もしてあげられないなって仕方ないけどそう考えては申し訳なさとかやるせなさをこれまで感じてきた。そんな中で、源さんの誕生日であるこの日に有観客ライブでの声出しが解禁され、直接声を、思いのこもった声を届けることが出来た。それに本当に本当に嬉しそうにしてくれる源さんがみれて、本当に本当に嬉しかった。何も出来ないと思っていたけれど、その瞬間に誕生日プレゼントのような、今まで頑張ってくれて、闘ってくれてありがとうという感謝の気持ちを伝えられた気がした。少しは何かを返すことが出来たのかもしれないと思った。そして曲が始まって、客席が自由に手を挙げ、歌い、踊る光景が夢のようで、全方位から聞こえる歌声が心地よくて最高に幸せだった。途中で声を詰まらせながらも歌ってくれて、「重なり合えましたねー!!!」の言葉に私は声をあげて飛び上がった。もうこの歌がライブで歌われることはないのかもしれないけれど、歌われなくても記憶にずっと残り続けるような何にも代え難い時間だったと心から感じた。鳴り止まない拍手。鳴り止まない声援。嘘のような、夢のような、うちで踊ろう集大成だった。
涙の後の歌唱はこれまで以上に安定していて、口から音源以上だった。
Continuesを大阪公演で聴いたとき、これからも生き続ける行為そのものや生活そのものを爆発的に肯定された気がして、今後生きるための未来への歌であるように感じた。実際それは横浜でも変わらずそう感じたが、それに加えて「ここまでよく生き続けてくれたね」という過去からの繋がり、過去から現在への続いている時間の繋がりを同時に感じた。会えなくなって、会えるようになって、声を届けられるようになって、そしてこれからも続くこの繋がり。過去、現在、未来という時間軸にContinuesという歌がまっすぐ伸びていくような感覚になった。上手く言葉にできないけれど、これまでの歌でもあるし、これからの歌でもあるように感じた。最後のLalalaで届け届け!と思いながら歌うことが出来て、胸がいっぱいになった。
SUNのイントロが流れた瞬間に客席がFoo〜!と沸いた。ダンスフロアのように揺れて楽しそうな客席を見るのも後方座席の特権だなって心から思ったし、全席それぞれ楽しみ方があるように思えた。「月の上も」のムーンウォーク見れて感激。Ah Ahも全力で歌えて嬉しかった。
ある車掌の「さようならも また会えたも 出会った意味すらも 空に消える 夜に光る 燃やした日々 河になるよ」は今晩のためにある歌詞かと錯覚するくらい、今の気持ちにピッタリとフィットした。音源ではハミングだった部分の武嶋さんのクラリネット演奏も沁み渡った。
日常を聴いて正直泣くとは思っていなかった。「みんなが好きなものが好きでもそれでもいいのよ」という温かい歌詞に惹かれた中学3年生が、「夜を越えて朝が生まれる 暗い部屋にも光る何か」の歌詞に精神を支えられる大学3年生になっていた。歳を重ねる中で真っ暗な部屋で色々しんどくて泣いてしまうようなことが増え、どうしようもない時に心を立て直そうと何度も聴いた時のことを思い出した。これからもきっとこの曲には何度もお世話になると思う。ずっと生で聴きたかった曲だったから夢が叶って嬉しい。
喜劇前のトークで夢の外への歌詞「いつか遠い人や国の空 想い届けばいいな」が浮かんできた。実際に届いていると実感出来ていること、そして違う国でも同じ国でも伝わっていると感じられる反応がご褒美のようだと教えてくれた。すごくすごく勝手だけど、海外からの反応の方がやっぱり嬉しいのかな……という考えがよぎってしまうことがこれまででほんのちょっとだけあったんだけど、それでも慣れ親しんだ日本語で感想をくれることも嬉しいのだと今回言ってくれてホッとした。歌声が分厚くて、会場一体が多幸感に包まれた。
「次でラストの曲なんです」「えー!!!!!」という熟年夫婦のような(by源さん)やり取りもあり、「終わらないで!」「やだー!」と口々に叫ぶ客席に「うるせぇ!」という源さんも楽しそうで☺️ドームツアーの名古屋公演2日目でも同じように反応してたなあと思い出した。今回聞き取れた叫び声に対して毎度コミュニケーションをとってくれているのが新鮮だった。他にも「誕生日おめでとう!」に対して「あ、そう今日誕生日なんですー!」とか、「友達だよー!」に対して「友達じゃねえ!……分からない方は毎週火曜の星野源のオールナイトニッポンをお聞きください」と急な番宣があったりとか、「おかえりー!」に対して「ただいま!」とか……沢山のやり取りに特別感があった。
そして最後は“挨拶を交わす“あの曲。一緒に歌って、笑って、手を挙げ踊って、楽しい幸せすぎる時間だった。笑顔でこうして会えたことが嬉しくて嬉しくて嬉しくて、完全に曲に全体重を委ねて自由に動いた。金テープが飛び、歓声が上がり、Hello Helloで手をめいいっぱい挙げ、全力で手を振った。伸び伸びとした源さんの声が長く長く続いた。アウトロで「一生忘れられない日になりました!また会えたら笑顔で会いましょう!!」と言ってくれ、この言葉もこの空間のこともこの思い出丸々全部一生忘れたくないと思った。源さんにとっての一生忘れられない日の一部に自分も含まれていること、同じ時間を同じ空間で共有できたことを絶対に忘れたくないし、一生この記憶を大切にしたいと心の奥底から思った。
席に座った時、思わず隣の方に「やばいですね!!」と興奮気味に話しかけてしまった。とにかくこの感情を声に出さないと気が済まなかった。普段の私とは乖離した行為が無意識に出てきて、自分自身でも驚いた。
一流ミュージシャンからのメッセージは大阪公演で観たので、既に出演者も内容もわかっていたけど、結局声出して笑ってた。萌音ちゃん、マモ、ハマくん、千重子さんって順番も良かった😂
映像が終わり、聖太さんと寺ちゃんがいるセンターステージが明るくなった。「声すごかったですね」という聖太さんに対して「え?何が?」みたいな反応をする寺ちゃん😂ステージを見ていない疑惑が生まれ、陥れようとしてる!と言う寺ちゃんといやいや、だって、ねえ!と責める聖太さんのわちゃわちゃが早速みれて声あげて笑った。そこに「面白いやりとりをしてますね〜」と器用にチャリに乗りながら源さんが登場した。
聖「一つ良いですか」
源「はい」
聖「あなた泣いてましたよね?」
客「(拍手)」
源「……はぁい。泣いちゃいました」
大阪では楽しい気持ちが勝ち、涙が出なかったという源さんだったけど、この日はぐわーっと溢れてきたらしい。聖太さんもモニターを見て泣いたらしく、そこもなんだかグッときた。聖太さんと寺ちゃんの紹介いらないよね!って源さんが言ってて、二人のことを既に知っている前提で進行していたのも笑った。
イエパス会員から集められた質問に対して答えるゾーンでは、作曲の始め方についてのお話があった。一人ずつ発表させたりするような、楽しさを感じない音楽の授業ではなく、色んな楽器を気軽に出来るような環境が必要だと話す源さんが最終的に「そういうのを変えていきたいと思います…?!」と自分の発言に驚いている姿がとっても良かった😂ファンの贔屓目なのかもしれないけど、源さんなら実現できるんじゃないかなって思った。そして誕生日の忘れられない食事について、マックのバースデープレート?で友達(源さん曰く大体いけ好かないようなやつ)をお祝いしたことがあるけど、祝われる側になったことがないというお話をしていた。源さんの言う祝われないような人たち(源さん、寺ちゃん、聖太さん)が13000人に囲まれている事実が、完全にそちら側である私にとってなんだか嬉しかった。その時も円卓だったらしく、円状のセンターステージは大阪2日目では相撲の土俵、横浜千穐楽ではマックのテーブルに変化した。今はショートケーキが食べたくて、リハーサルの時点で何度もサプライズケーキで祝われたという。センターステージから迫り上がるようにケーキが出てきたらしく、その光景を想像してニヤニヤした。そして、今ワガママを言うとすれば3人でマックで誕生日パーティーをしたいという、めちゃめちゃ可愛いワガママだった。ハッピーセットで遊びたいと言う源さんに、最近までマリオのハッピーセットだったよと話す聖太さん。流石に日常会話すぎて笑った。そしてバンドメンバーとのトークの時間になり、今回はジャンボさんと武嶋さんが来てくれた。すると、「あ、にせさんよびにいくじかんだ」という平匡さんを彷彿とさせる棒読み&全ひらがなのセリフを言い残し、ニセさんを呼びに(?)ステージを降りて行った。
まず、演奏していて楽しい源さんの曲、そして難しい曲は何かという質問から始まった。武嶋さんは楽しい曲にうちで踊ろう(美味しく目立てる)、難しい曲にSUN(美央さんのストリングスが狂ってる)を挙げていた。ジャンボさんは楽しくて難しい曲に異世界混合大舞踏会を挙げていた。岐阜出身の武嶋さんに岐阜の良さをPRしてもらったり(3つの川)、ジャンボさんに青春時代の思い出を聴いたり(キョンキョン、女の子)…そしてライブでの失敗エピソードの話で、武嶋さんがおげんさん当日に自身がコロナになり、出演出来なかった時のことを話してくれた。その際に放送で武嶋さんの名を呼んだ源さんに感激したそう。その日の放送にいない武嶋さんの名前を源さんが挙げていたことは確かに当時話題になっていた。少し話は逸れるが、不思議で音楽番組に出演した際に投稿されたインスタのポストでは番組に出演はしていない、でもレコーディングには携わった方々のタグ付けがちゃんとしてあったり、おげんさんがあった際に番組自体にエンドロールがないからといって、スタッフさんの名前が一人ひとり書かれた投稿をインスタにあげていた。源さんは表向きには見えないような存在にも光を当てるような人だとこれまでも思っていたけれど、武嶋さん本人からこの話を聞けて改めてそう感じた。そうこうしていると吐息多めのニセさんが袖から登場してきた。ニセさん自身武嶋さんトーク後のしんみりした空気を感じながらも、来て早々ジャンボさんに近づき肩を組んだ。客席から「(ジャンボさん)頑張れー!」の声が聞こえた時は笑ったし、あんなに大きいジャンボさんが幾分か小さく見えるほどタジタジだった。二人と一緒に退場しようとするニセさんの後ろ姿が可愛かった。
ニセさんトークゾーンが始まり、360°全方位に投げキッスをするニセさんの動きを会場全体があたたかく受け入れてあげる時間や、ニセさんを星野さんと間違えて(?)呼んでしまう聖太さんとのやりとり、ニセさん入浴シーン特集(窪田さんに何言わせてんのって毎回笑わされる“乳首は最後の砦”)&聖太さんとニセさんのやり取り厳選集で大笑いし、ニセさんを売れさせよう!(仮)のコーナーへ。CM出演がいいと言う話では、リーヴのCMを例に挙げていたけど私含め周囲の観客の皆さんがいまいちよく分かっておらず、急に静かになる客席とステージとの温度差に笑った。フォトジェニックなニセさんの撮影コーナーに入り、全員でシャッター音を鳴らすも音が優しすぎてピンとこず(大阪でもこのやりとりあった)、私の撮った写真が白光りしすぎて、いま見返すと若干ホラーな感じになってしまった。
ニセさんが曲準備に入るため、一流ミュージシャンからのニセさんへのメッセージが流れた。何度も笑ってしまう萌音ちゃんに、私の後ろの席の女性が「可愛い……」と声を漏らしてたことが印象的だった。テニスでは日陰しか行かないニセさんを想像して笑い、「スッスッス」の時点で雅くんだと察してざわつき始める会場の反応に笑い、TikTokでしかやり取りをしない特異すぎるウソノさんに笑った。大阪でも見てたのに結局全メッセージに笑ってしまった。
そして、寺ちゃんの前口上。この3年間のことを改めて振り返り、この時もあの時も私は源さんに支えられたなと思いながら聞いた。寺ちゃん特有の節回しの口上をこうして生で聞けることが改めて嬉しかった。寺ちゃんに促されるまま会場全体が立ち上がり、大拍手の中、君は薔薇より美しいが始まった。ステージがみるみるせり上がり登場したニセさんはギラギラの光に照らされ、ギラギラの衣装を身に纏い、完全に喉が開ききり、もはや無双状態だった。「目に見えない翼広げて」で手を若干パタパタしていた(気がする)。最後のドラムとのタイミングをはかる動きも気持ち悪くて最高だった。
ニセさんに歌ってほしいリクエストで4票しか無かったという夏のクラクションも本当に心地よくて、自由に揺れながら聴いた。バンドメンバーのコーラスも最高に気持ちが良かった。おうちカラオケでも歌ったとラジオで話していたことを思い出し、その時がとても楽しかったから歌おうと決めたのかなと思うと胸がキュンとした。
REALは大阪公演の時もそうだったけど、バンドアレンジがかっこ良すぎて、笑いが込み上げてきた。合いの手のように入る武嶋さんのサックスや原曲にはない玉田さんのドラムが加わることで、こんなにも新鮮で面白すぎる音楽が出来るのかと驚いたし、とっても楽しかった。羊羹、緑茶、ガトーショコラ、ブラックコーヒーという単語をあんな大人数で叫ぶ現象自体が意味分からなすぎて、馬鹿馬鹿しくて最高だった。「お金い〜〜〜……」の沈黙で湧く観客も、調子に乗ってパントマイムみたいなことをやり出すニセさんも丸ごと愛おしくてバカな時間だった。
お化けに間違えられることがよくあるニセさんによる、源さんのカバー曲の異世界混合大舞踏会 feat.ニセもカオスで終始はっちゃけながら踊った。せっかく覚えたのに大阪の時は恥ずかしさが勝って出来なかったサビでの振りを今回は全力で踊った。ダンスと音がガッチリ合う瞬間は爽快な気持ちになれたし、改めてこの振り付け可愛すぎるな?!と気づくことができた。日頃の恨みを込めてうーらーめーしーやー!とほぼ絶叫しながら歌えて、最高に清々しかった。
源さんと同様観客の声にも応えるし(愛してる!に対して、ニセもだよと答えた後、気持ち悪いですねぇ……と我に帰るニセさんとても良かった)、玉田さんや改めてジャンボさんにも接近するし、相変わらずフルスロットルなニセさんを摂取できた。
バンドメンバーと一緒に客席に向かってお辞儀をし、舞台が暗くなった後、エンドロールが流れてきた。喜劇と共に客席からは自然と手拍子、そして歌声が聞こえてきた。こだまする光景がとてもあたたかかった。すると源さんが改めて登場して、「自分は一人ではないと思った」と話してくれた。源さんの著書、『そして生活はつづく』の「ひとりはつづく」を思い出し、その時の源さんと現在の源さんの変化が私にはとてつもなく嬉しく感じられた。自身が生まれた大切な日にそう思ってくれたこと、それに自分も関わることができたことがどれだけ幸福でありがたいことか。嬉しくて何度も何度も噛み締めた。会場を後にする源さんは、比喩ではなく本当に数えきれないほど「ありがとう」「ありがとね」「ありがとうございます」を届けてくれた。最後に全力で「おめでとー!!!」と叫ぶことが出来た。陳腐な言葉だけど、本当に源さんを好きになって良かったと思った。一生この日のことは忘れられないし、一生好きでいるんだろうなと確信した。

力が抜けるように席に座り、一点を見つめて、この奇跡的な公演の余韻に浸っていたが、席順的に真っ先に退場をしなければならなかったので、すぐ立ち上がり移動した。
結局大阪でも横浜でも私のいる座席までは金テープも銀テープも届かなかった。しかし、大阪公演の際に大阪駅までしぶとくタオルを裏返していた私にお姉さんが声をかけてくれ、銀テープを渡してくださった。その銀テープを横浜でも持ってきていたので、次は私の番だと思い、同じくタオルを裏返しているお姉さんに「すみません、銀テープ持ってますか?もし良かったら、半分になっちゃうんですけどお渡ししたいです」と声をかけることが出来た。良いんですか!と喜んでくださり、どうぞ!と笑顔で渡すことが出来た。銀テープを渡してくれた大阪のお姉さんにも、渡す喜びを教えてくれた横浜のお姉さんにも感謝をした。
しかし、わがままだと分かっているけどやっぱり私も金テープが欲しい。2分の1の長さの銀テープは持っているが、金テープは持っていない。ということで引き続きタオルを裏返してホテルまで移動した。しかし、そう上手くはいかずホテルの正面まで辿り着いてしまった。頼んでおいたUber eatsの受け取り場所をホテル正面に指定していたので、届くまで15分ほど外で待っていた。
すると、お兄さんが近づいてきて「あの、もし良かったらこれ!」とテープを鞄から出してくださった。そのテープの色は銀だった。ここで銀テープは持っているからと言って受け取りを拒むのもお兄さんの善意を無駄にしてしまうような気がしたし、「最後にギリギリ渡せて良かったです!」と言うお兄さんの嬉しそうな表情を見れたのでありがたく受け取った。本当に優しい方たちばかりだなと嬉しくなるのと同時に、銀テープ1.5本分持っていることに申し訳なさを感じ始めてきた。せっかくなら持っていない方に渡したい。お兄さんもきっとそう思ったから私に渡してくださったんだ、と思い、タオルを裏返している方数名に銀テープ持っているかどうかを尋ねてみた。しかし、私が声をかけた方全員が銀テープは持っているけど金テープはないのだと話してくれた。
そこでこうするしかないと思い、Twitterにタグ付きで「銀テープ持ってない方はホテル前にいる眼鏡黒帽子の女(私の見た目を端的に表すための表現)に声をかけて欲しい」ということ、そして「金テープは持っていないからお渡しできない」ことをツイートした。誰かに届け!と祈りながら反応が来るのを待った。すると、席まで銀テープが来なかったという方からメッセージが届いた。自分にも出来ることがあるのだとなんだかとてもホッとした。しばらくすると一人の女性が私の元まで駆け寄ってきた。その方はメッセージをしてくれたご本人だった。私は先ほどお兄さんからもらった銀テープを無事にお姉さんに渡すことが出来た。すると、お姉さんは「金テープなら持っていて、半分になっちゃうんですけどそれでも良いですか?」と金テープを鞄から出してくださった。こんな奇跡のようなことが起きるのかと、心が震え飛び上がるほど嬉しい気持ちになった。何度も何度もお姉さんにお礼を言い、私は金テープを無事受け取った。ついさっきまで、こんな未来が待っているとは思ってもいなかった。感謝の気持ちがまわりまわって自分の元に返ってくるなんて今までなかなか実感を持って経験したことがなかったから、夢のように嬉しかった。こんな素敵な縁を運んでくれた源さんに対しても改めて感謝をした。
幸せでふわふわした気持ちのままホテルの部屋に行き、余韻でベットのそばにしゃがみ込んでしばらく動けなかった。感想のツイートをしたいのに全く言葉がまとまらなかった。ふと、ホテルの鏡で自分の顔を見た時、めちゃくちゃ幸せそうな表情をしていることに気づいた。泣いてメイクは崩れていたけど、目尻が垂れ下がり、自然と口角が上がり、自分でも見慣れない表情になっていた。
ホテルまでの道中で買ったレモン酎ハイ2缶とUberで頼んだチキン、ショートケーキの代わりのクレープを用意して、生配信が始まるのをワクワクしながら待った。そして始まった生配信。グダグダな進行に大笑いし、バンドメンバーのお話をうんうんと頷きながら聞き、27日の演奏を小さく手拍子しながら小声で一緒に歌い、公演で聴けて一番嬉しかった日常を弾き語りで再度聴けることに感激しながら聴き入った。
23時に生配信が終わり、幸せな気分のままタグを遡り、各公演の詳細や素敵な感想が書かれたツイートにいいねを連打し、風呂に入り、またTwitterに潜伏し、25時ごろに就寝した。

源さんはこの日のことを“奇跡みたいな時間“だったとインスタに書いてくれた。それを見た時、私にとっても奇跡のような時間がずっと流れている一日だったと感じた。開演前も、公演中も、公演後もずっと奇跡の連続だった。嘘みたいに幸せで、夢のような一日だった。なんだか人生規模のご褒美をもらった気がした。これまで生きた21年間が報われるような、書いていてとっても大袈裟な表現に感じるけど、本当にそう感じた。生きていて本当に良かったと思った。

この日のことを1秒たりとも忘れたくなくて帰りのバス、そして帰ってきてからも書き続けたこの文章が12,000字もあることに若干自分でも引いている。こんなに長い文章を書いたことは初めてだから読み返すのも大変だけど、書く時間はとても楽しかった。定期的に読み返しては、この日のことを思い出してこれからも生きていこうと思う。

最後に、源さん42歳のお誕生日おめでとうございました。出会ってくれた皆さんも本当にありがとうございました。
色んなことがありますが、またいつか笑顔で会えますように。

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