見出し画像

【FUEの後頭部の採取に関して①】

はじめに

自毛植毛は、患者さんご自身の頭髪を、後頭部や側頭部から→前頭部や頭頂部などの希望部位に移植する治療で、要するに「毛包(グラフト)のお引っ越し手術」です。

現在、FUEという「毛穴単位」で株を採取する術式が主に行われています。

当たり前ですが、採取を行えば採取を行なった部位の毛量は減りますので、採取部は透けやすくなります。

植毛は、特に移植部(通常は生え際、前頭部、頭頂部)の結果に目に向きがちです。
しかし、後頭部や側頭部のことを疎かにしてはならないと思うのです。

後頭部や側頭部は、自分でよく見えないところで、どうなっているか気づきにくいところです。
今後、2回目3回目の手術をする際にも使用する大事な部位です。


どのような時、後頭部が透けやすくなるのでしょうか?

採取の時、後頭部や側頭部の「不均一」あるいは「過剰な採取」をされてしまうと(要は、何も考えなしに無茶苦茶に採取されてしまうと…)、採取部がより透けてしまうということが起こり得ます。

もし後頭部や側頭部が透けるようになってしまうと、余計な「悩み」が増えてしまいますので、避けたいところですよね。

術後の採取部は、評価の対象になりづらい部位とは思いますが、密かにそういったことまで配慮してくれるドクターから手術を受けて欲しいなぁと思います。
なかなか気づきにくいし、目立たないことかもしれませんが。。

透けないようにするためには!?

①密度感、毛の太さ、毛流れがどうかを確認して、プランニングする。
②一極集中にならないように考慮して採取をする。
③隣り合った毛包を連続的に採取しないようにする。
④どの毛を「残す」のかを考えながら採取する。
⑤極力切断をしないように丁寧に採取をする。
⑥将来的に頭頂部の薄毛が後頭部の方へと進行してきそうな場合、そこをなるべく避けるように採取する。

などなど、複合的に考えて採取をしていく必要があります。


①密度感、毛の太さ、毛流れがどうかを確認して、プランニングする。

密度感はかなり個人差があります。
また部位によって密度は一定ではありません。
通常、後頭部の方が側頭部より密度が高いことが多いですが、あまり差がない方もいらっしゃいます。
左右差がある方もいらっしゃいます。
どういった髪型をしているか、今後の髪型も考慮します。

②一極集中にならないように考慮して採取をする。

小範囲から採取をしようとすると、どうしても集中して採取することになってしまいます。
それを避けるためになるべく広めから採取するように心掛けております。

③隣り合った毛包を連続的に採取しないようにする。

隣り合った毛包を連続的に採取してしまうと、その部分に「ポッカリと空間」ができてしまい目立ってしまいます。
できるだけ分散して採取を行なっていきます。

④どの毛を「残す」のかを考えながら採取する。

採取する時は、採取する毛のことばかりに意識が集中しやすいものです。
ひとつのことだけに意識を集中していた方が、スピードも上がるはずです。
しかし、後頭部や側頭部の「残す」毛のことも意識して採取する必要があります。
実は、どの毛が ”残されたか” で、後頭部の見え方はかなり変わってきます。
「残す」毛のことを意識すれば、頭の中で考えながら採取を行うことになります。
つまり、ブレーキをかけて調整を行いながら採取を行うことになりますので、スピード感が多少落ちますが、とても大切なことだと思っています。

⑤極力切断をしないように丁寧に採取をする。

移植毛は当然傷が付いていない綺麗なグラフトの方が良いです。
生着率に直結します。
また、もしかしたらいつか2回目、3回目の植毛を行うかもしれません。
その時のためになるべく温存しておく必要があります。

⑥将来的に頭頂部の薄毛が後頭部の方へと進行してきそうな場合、そこをなるべく避けるように採取する。

頭頂部の薄毛が下がってきて、後頭部の方まで迫ってきていることがあります。そこから採取をしてしまうと、将来的により薄く見えてしまう恐れがあります。
また、その部位から採取した移植毛は、AGAの影響を受けやすい(長持ちしにくい)毛である可能性は高いのです。


他にも工夫もしていることがあります。
気になる方は診察の時に是非聞いてみてくださいね笑

「刈り上げ " ない " 自毛植毛」の時代へ AGA by Ark Clinic
薄毛のお悩み、お気軽ご相談ください。
オンラインカウンセリングも承っております。
↓↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?