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これから登山をはじめる方へ(3) 装備編[2]

前回の登山三種の神器に続き装備編です。

まず、命を守る道具から。命を守る道具といっても、ほとんどのものがそうなので切り分けが難しいですが。

ツェルト

より軽量でしょぼいテントといえばいいでしょうか。とりあえず風雨を防ぐための居住空間確保の装備です。
具体的なアイテムとしては、

こちらなどご覧ください。
常備はしていますが、私も実際に山で使ったことはありません(訓練や設営のテストなどはしていますが)。
ですが、遭難などの自体になったときのビバーク設備として必須です。あるなしで生死に大きく関わるものです。ちゃんと設営できなくても羽織ったりするだけでも効果はあります。

加えて、ツェルトを持っていかないまでも、エマージェンシーシートはかわりに持っていくべきと思います。軽いし。これだけで雪山でなければ一晩ビバーク余裕じゃないかな。(死なないという意味で)

火器

火を得られるための道具はとても大事です。安全にコントロール下で炎を得られればベストですが、そうでなくても、枯葉・枯枝などで焚火をできれば遭難時の生存確率はかなり上がると思います。

自然環境ではマッチもライターもなしに火を得るのは無理ゲーです。

用意できるもののレベルはいろいろありますが、基本的にはテント泊でも使うようなガスバーナーのセットを常に携行するのがベストでしょう。

シンプル・軽量なものから記載します。

・耐水・耐風マッチ
・耐水・耐風ライター
・アルコール・ランプ
・固形燃料
・ガス・ガスバーナー

まぁガス缶は小さいもので200g程度。ガスバーナーも、オートイグナイタ付きのSnowpeak地で75gですから、そういったものがあればいいかと思います。あとコッヘルなどの加熱対象にできる容器。ただし、点火試験などはちゃんと事前に行うこと。

この時のようにガス点火できず敗退ってこともあり得ます。

アルコールランプや固形燃料は、点火するためのマッチやライターも結局必要になるので、まずは着火できるものを準備することが必須です。
着火する道具さえあれば、燃やす材料は枯葉やダケカンバの皮、スギの枯れ枝などいろいろあるはずです。スギの枯れ枝は油が多くよく燃えますよ。

よほど練習を重ねて習熟していない限り、また天候に恵まれない限り、ファイヤスターターで着火できるとは思わないでください。遭難するようなシチュエーションの場合においては使い物にならないと思った方がいいでしょう。

ヘッドランプ

本当に遭難したとき、というよりは、遭難しないために持っているべき道具として。まぁテント泊であれば常備しているものではありますが、日帰りでも持っているに越したことはありません。
ヘッドライトさえあれば、多少日が暮れても歩けるし、日没後の道迷いの心配も減ります。
私は日帰り登山でも常備しています。

FAD(First Aid Kit)

いわゆる応急救護セットですが、内容は人によって違うかとは思います。私も常に携行しています。ちゃんと活用したことは幸い一度もない。でも、いざという時には必要であろうというものを入れています。

今持っているものとしては、以下。

・日焼け止め
・サイレンQ(傷の殺菌・消毒)
・オキシドール -> 洗浄効果はあるが、流水あるならそれでいいらしいので、携行やめるか?とも思っている。
・痛止め各種(ロキソニン、カロナールなど)
・正露丸数粒
・三角巾
・ウェットティッシュ(消毒用)
・コンタクトレンズ(予備)
・ポイズンリムーバー(夏期のみ)
・虫除けスプレー(夏期のみ)
・テーピングテープ
・裁縫セット

といった感じ。

食料&行動食

装備とは言わないかも知れませんが、登山する上で重要なアイテムとして。

食料&行動食と、食べ物を分けましたが、ざっくりとは食料は食べるのに調理が必要なもの、行動食は歩きながらでも食べられるもの、という感じに考えてください。

まず、食料については、1食程度は多めに持っていくべきと思っています。持っていくものは人によっていろいろあります。時間をかけてでも調理して美味しいものを食べたい人は生野菜や肉なども持っていくでしょうし、そうでない人はアルファ米やインスタント食品で済ます人もいるでしょう。自分のスタイルに合わせて考えればいいと思いますが、基本的にはインスタントなものにしていくほど重量も軽くすみます。

私は基本的には尾西食品のアルファ米にアマノフーズのフリーズドライのビーフシチューやクリームシチュー親子丼とかの丼の元畑のカレー などを混ぜて一緒にお湯で戻して食べる感じが基本です。1泊2日程度ならさらにソーセージやハンバーグなどを持っていくこともあります。
畑のカレーやビーフシチューなどのときはさらに味のついてないプロテインも混ぜて食べたりもします。

山の定番としては棒ラーメンなどもありますが、個人的にはあまり好みではないのでアルファ米が多いですね。

カロリーでいうと、実は尾西食品のアルファ米(白米)1パッケージのカロリーは366kcal、アマノフーズのシチューや丼の元は100kcal前後しかなく、登山で消費するカロリーからすると全然足りません。1泊2日程度ならお腹さえ膨れればいいですが、長期の山行の際にはそういった必要カロリーの計算もする必要がでてきます。(この記事は初心者向けなので省きますが、そこらへんも登山の面白いところです)

行動食は、わかりやすいところで言うとスニッカーズやカロリーメイトなど、歩きながらでも食べられるものになります。最近はコンビニでもいろいろ売ってますし、エイヨウカンとかPatagoniaプロビジョンズとか、いろいろ自分の好きなものを試してみるのも楽しいかと。


水は私がかなりの汗っかきなため、多めには用意してます。テント泊の山行で調理に使う分も入れて、1日3L-4Lぐらいが目安でしょうか。ただ、必要量は人によって大きく変わるし、登山開始時に持っていく量は補給できる水場や山小屋の有無にもよるので、必ずしも1日の消費量を持っていかないといけないわけでもありません。高尾山や塔ノ岳や大山などは500-1000mlあれば十分で、減ってきたらルート途中でも購入できます。

そこらへんの勘所は自分で掴んでいくしかありませんが、最初は多めに持っていくことをおすすめします。

タオル・着替え

体の「濡れ」を解決することも非常に大事です。「濡れ」は風や天候とあわさって低体温症のきっかけになります。

レインウエアの装備をちゃんともっていることを大前提として、タオル・予備の着替えも携行するべきと思います。私は汗っかきでもあるので、シャツ1枚、タオル2枚程度は常に持っています。

タオルにしても着替えにしても、速乾性の素材でできているものであることは大前提です。

最後に

概ねこんなところで、さらにいざというときのことを考えるとスリングやカラビナも何本かあったらいいし、補助ロープなどもいざというときのためにはあったほうがよかったりはしますが、使い方わからなければ意味ないので、省きました。

だいたいこれらをちゃんと持っていくとザック自体の重要も入れて10kg弱ぐらいにはなってくると思います。まずはそれぐらいを担ぐ体力をちゃんと鍛えていかないといけないと思います。








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