敗退の大峯奥駈道(2019.04.28-2019.05.01)[2] - 1日目
04月28日。大峯奥駈道1日目。天候は晴れ、気温は10度から15度。
大峯奥駈道は熊野本宮大社から吉野神社まで歩く道のり、100kmほどの距離がある。これを4泊5日で行こうとしていたので平均でも毎日20kmは山道を移動することになる。
大峯奥駈道では食料も水も、山小屋に行けば補充できるというものではない。基本的には食料の補給はできない。水は水場に補充をしにいかなければならない。水場まで数時間かかるのがデフォルトなので、位置なども把握した上で、行動をしなければならない。普通の登山より探検要素があるところ。
行程
この日の予定では玉置辻までの予定(だが、もっと先に行ければ行くつもりだった)。
実際の行程は、以下の通り。
* 大鳥居 8:58
* 大斎原 9:03
* 七越峰 259m 10:45 r16
* 吹越峠 304m 11:18
* 吹越権現 263m 11:54 r13
* 大黒天神岳 567m 13:32
* 六道ノ辻 443m 13:50 r10
* 五大尊岳 822m 15:15 r5
* 五大尊岳(北峰) 767m 15:35
* 篠尾辻 827m 16:18
* 大森山三角点(大水ノ森) 1040m 17:05
* 大平多山への分岐 - 974m 17:37
* 玉置辻(本宮辻)746m 18:27
距離にして16.8km、行動時間9時間半。
結果、ギリギリ日没までに玉置辻に到着できたという状態だった。
初日のルート上には水場はない。七越峰の先の広場はもしかしたらトイレから水が出たかもしれないが、序盤なのであまり関係がない。
玉置辻から50分ほど先の玉置神社まで行ければ水が補充できるのだが、そこまでいかず玉置辻でビバークする場合、結局水は最初から必要な量を持っていくことになる。
僕も3.5Lほどを持って登った。ザックの総重量は19kgになる。しんどい。
熊野川渡り
というわけで前泊時に、熊野本宮大社について多少知識を得て、よし「大斎原」から川を渡ってスタートしようと決めたわけだが、ここでまぁしょっぱなから色々やらかしてしまう。
川底ヌルヌルで渡るのに時間がかかる
河原はめっちゃ広いけど、渡渉の距離は10mぐらいなのですぐ渡れるだろうと思っていたが、膝まである深さの流れと、ヌルヌル滑る川石で慎重にならざるをえず、妙に時間がかかってしまう。最初から転んでびしょ濡れになるわけにもいかないし、
徒渉の前後で靴と靴下を脱いで履いてってするのでも数分はかかってしまう。
ショートカットしようとして大ブレーキ
これがその熊野川だが、正規のルートとしては右に回っていくのが正解。下の地図の緑色のラインのルート。
ただ、写真じゃ伝わらないかもしれないが、この回り込みをするのが結構距離があるように見えて、僕はこのピンクのライン(実際に通ったルート)のように突っ切っちゃえば、ショートカットできるんじゃない?斜度もそこまででもないみたいだし、と考えてしまい、この登山道じゃない斜面を登り始めてしまった。
一応、言い訳すると勝算なかったわけじゃない。斜度的にも行けると思ったし、実際に見て、獣道というか作業道というか何かルートがうっすら見えてたんだよね。実際登っていくと、腐って使い物にならない橋とかあったし。
(わかりにくいけど、右側の木が崩れた橋の一部。左にゴムチューブみたいな人工物も見える)
ただ、おそらく何年も人が入ってないルートなので、歩くと地面が崩れて全然上に上がれない。木の根や枝などを掴みながら登り、結果、ここのショートカットの突破に1時間以上かかってしまった。これで大ブレーキ。しかも汗だくで体力消費も激しい。多分通常のルートなら20分ぐらいだったんじゃないかな・・
あわよくば玉置神社の先までいく予定から、玉置辻に到着するのも怪しい情勢に。頑張って歩く。
七越峰手前の公園?
またしても間違う。この緑の線のエリア、グレーの登山道のルートと実際に私が歩いたピンクのルートがずれている。
ここは、なんか県民の森じゃなくて、何か忘れたが、なんか登山道じゃなくてただの森林の公園になっているようで、普通に迷い込んでしまった。そこまでタイムロスしたわけじゃないけど、なかなかうざったい感じ。が、一応この登山道に復帰するあたりには山と高原地図には出ていないトイレがあるのを発見したのでまぁいいか?
(そのトイレ)
七越峰
七越峰は地味だけど、ツツジが咲いていて、綺麗なところだった。
芝生でテント4張は余裕でいけると思う。
ただもうちょい進むと、七越峰の広場があり、そっちの方がだいぶ広い。トイレもあるので、オススメ。多分ここにとまるとしたら、北から来た人になるとは思うが・・・
七越峰先の広場。テント泊快適そう。なんかアスレチックみたいなのもある。トイレも。
七越峰先の広場のトイレ。
第四靡 吹越山
大峯奥駈道には靡(なびき)と言われる修行場があり、
* 第一靡 本宮大社(本宮証誠殿)
* 第二靡 那智山(なちさん、熊野那智大社)
* 第三靡 新宮(熊野速玉大社)
* 第四靡 吹越山(ふきこしやま)
なのだが、この第四靡がこちら。
とりあえず休憩した。
山在宝経塔
このページのタイトル写真にもなっているのが、山在宝経塔、こちらは靡ではない。結構立派なのだが・・・
第五靡 大黒天神岳
地味ですが、一応、第五の靡。
第六靡 金剛多和
第六の靡、金剛多和。ここは急に森が深くなった感じがしてちょっと霊力的なものを感じた。
第七靡 五大尊岳
第七の靡、五大尊岳。
こんだけ登り降りしてまだ標高が800mちょいなことに驚く。
痩せた急尾根になりストック持ってる場合じゃなくなるのに要注意です。
玉置辻
途中にあるはずの、
第八靡 岸の宿(きしのしゅく)
第九靡 水呑宿(みずのみのしゅく)
はよくわからずだが、そろそろ玉置辻。
この時点で玉置辻がどういう場所かわからないが、その手前にキャンプ適地が。
この緑色のポイントのあたり。
見た感じ周りに誰もいなくて快適そう。この場所、林道の終点になっているのですが、そのまま林道を進むと、玉置辻に到着。
写真だと明るく見えるけど、もう18:30。日没間際。
玉置辻の駐車場。先にお坊さんが一人いた。結局この後もう一人来て今夜は三張。
テントはいつものfinetrack カミナドーム2。
お坊さんはfinetrackのツェルト。もうお坊さんというか登山家なんじゃないかな。ちなみにお坊さんは3時ごろには出発していた。
1日目感想
荷物が19kgと重いせいもあるし、標高こそそんなに上がっていないがアップダウン激しく結構疲れた。コースもあまり面白くない、北から南に下がって最後にこのコースを歩く方がいいと思う。
水は3.5L持ってきていたが晩飯食べた後で残り1Lぐらい。
宿の朝ごはんはしっかり食べたが、昼飯はなし、行動食もナッツ少しとチョコ一欠片、エネ餅1本のみ。そのせいで後半ペースが上がらなかったのかもしれない。
夜は棒ラーメンにアルファ米を入れおじや風に、ソーセージ3本。マヨネーズをかけた。不味かった。失敗。
今日は行動開始が遅かったので、行動時間9時間半とそれほど長くないが明日からは毎日12時間を超える予定。
九時ぐらいには寝て、明日に備える。
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