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これから登山を始める方へ(1)

私が登山を始めたのは2017年、登山歴は2年半ほどで、まだ登山的には初級者の部類だが、初級者であることを忘れないうちにこれから登山を始める方へのメモを記載しておきます。
主にStr登山部の新規参加者へ向けた内容と同じではあるのだけど、以下のあげたリスク要因は冬山以外での登山の場合です。冬山ではさらに色々なリスク要因が加わります。
そんな変なことは書いてないはずですが、間違ってることなどあればご指摘ください。

登山のリスク1:道迷い

スマホに登山用のGPSアプリをインストールして準備をしてください。パーティーの全員が行うこと。それだけで道迷いのリスクはほぼ0にできます。
携帯電話の4Gなどの電波が届かない山中でも衛星からのGPSは受信できます。あらかじめ地図データをダウンロードしておくことで、携帯電話が圏外の場所でも現在地や登山道が把握できます。
おすすめアプリ:
YAMAP
geographica
山レコMap
どのアプリも計画を事前に作ってその範囲の地図データをあらかじめダウンロードしてキャッシュできます。
それぞれ登山中にレコーディングすれば、実際の登山で動いたデータをgpxデータとして保存できます。
さらにスマホの電源が切れた時の予備バッテリー、紙の地図、コンパスなどもあると良いです。
本当は地形図とコンパス、風景を照らし合わせて位置の特定などができるのがベストですが、まずは最低限、登山用アプリの準備はしてください。

登山のリスク2:ハンガーノック・疲労

登山は長時間に渡る運動です。疲れます。そして十分なエネルギーの補給がないと動けなくなります。
エネルギーが足りなくて動けなくなる状態をハンガーノックと言います。
体重にもよりますが、10kgの荷物を背負って8時間登山をすると4500-6000kカロリー消費します。基礎代謝の3-6倍です。
また多くの汗をかくので水分の補給や、汗で失われる塩分などのミネラルが足りなくなると足をつるなどのアクシデントも起きやすくなります。
登山では通常の朝・昼の食事を取るのはもちろん、他に、行動食と言われる登山しながらの適度な栄養補給が重要になります。チョコレート、カロリーメイトなどのエネルギーバーやドライフルーツ、ナッツ、塩分タブレットなどがよく行動食として用いられます。各自準備して登山に望みましょう。
ハンガーノック以外の疲労は、各自鍛錬して克服しましょう!

登山のリスク3:天候、体温管理、低体温症

自然が相手なので、天候への対策も必要です。正しい知識があればある程度予想はできるとはいえ、実際当日になって避けられない場合もあります。
・落雷
落雷は即死級の脅威です。雲の状態などである程度は予測はできるらしいけれども、これから山に登る方には、そこまでの経験がある人はいないと思います。もしそういう状態になってしまったら覚悟しましょう・・稜線などでは逃げ場もあまりないですが、露出しているストックなどの鉄を捨ててできるだけ窪地を探して隠れるなどの対策をしてください。
・雨風
たとえ予報が快晴でも、レインウエアと着替えはちゃんと持っていきましょう。大概の場合は上着だけで十分ですが、大した重さもないし、レインパンツも持っていく方がベターです。
即死することはないにせよ、濡れた衣服は急激に体温を奪い、夏でも低体温症になる事例は普通にあるそうです。(低体温症状態が3時間続くと死ぬと言われています)
また、登山道も特に岩などは雨で滑りやすくなるのでよく注意しましょう。風も風速25kmとかになるとザック含めて100kg近くになる私でも飛ばされます。無理な行動は控えましょう。

登山のリスク4:レイヤリングと綿禁止

登山での標準的な服装で、レイヤリングという概念があります。
何枚もの服を重ね、脱いだり着たりすることで温度管理をする考え方です。
登っているときは汗をかくぐらい暑くても、休憩して食事をしてさらに風が吹いてたりすると急激に体温が下がります。そういったときなど、他の服やレインウエアをきたりして体温の調整をします。

綿の衣服は吸水性が高く乾きにくいので基本的に登山では使うべきではないとされています。登山をしていると汗をかくが、綿のシャツがそれを吸い乾くよりも早く冷えるため、低体温症の大きな原因になります。
できるだけ、ポリエステルやメリノウールなどで速乾性の衣服を着るようにしましょう。ジョギング用などのシャツやジャージがあればその方がいいでしょう。登山用に開発された速乾性の衣服がベストですが、どうしても綿素材の衣服しかなければ着替えをちゃんと用意しましょう。
レイヤリングについては、Finetrackのサイトなど詳しいです。

登山のリスク5:怪我、滑落、落石等アクシデント

怪我:鎖場やハシゴ場など明らかに危ない場所では集中すると思うので、一般登山道を歩いている分にはそこまで危なくないとは思います。逆に大したことなさそうな道で怪我する事例も多いです。一般登山道は整備されているとはいえ、アスファルトの道ではありません。そこら中に岩も転がっているし、木の根も出ています。折れた木の根が空に向かってナイフのように突き立ったものなどもあります。
不注意に歩くとたまたまあった木の根で足を引っ掛け、転んだら目の前にナイフのように突き立った木が刺さるなどあり得ます。阿呆らしいアクシデントですが、怪我の箇所によっては重症になり得ます。山の上では治療できません。救助を呼んでも時間がかかります。
特に「ながら歩き」は厳禁です。水を飲む、スマホを見る、地図を見る、行動食を食べるなどでも、地面から目を離さないといけないなら、一度足を止めてからそれらの行動をしましょう。

滑落:初心者がいく程度のルートだったら、主に集中力や体力の問題が大きいと思います。また稜線などではそれら以外にも突風なども滑落の原因になるので風が強い時は注意しましょう。

落石:落石は自然災害の場合と人為的な場合とあります。自然災害の場合は割とどうしようもないかもしれません。人為的なものの場合は、大概はその場合は岩場だったりすると思うので、前の人と十分な距離を開けるなどを意識しましょう。自分が落石をおこした場合は、下に向かって「ラク!!」と叫んで知らせるようにしましょう。たとえ20cm程度の岩でもそれが15m下の人に直撃したら骨折するでしょう。
どちらにせよ、そのようなルートをたどる時はヘルメットを装備しましょう。

登山のリスク6:熊、イノシシなどの動物や蜂など

熊、イノシシ、今まで私は遭遇したことありませんが、もし出会うと危険な動物です。死んだふりをするなどの怪しい伝承はあてにせず、正しい対策をしましょう。
蜂は夏は普通にそこらへんにいます。中でもスズメバチは危険です。
特に夏は、ポイズンリムーバーなどを持ち歩いたほうがいいでしょう。私も一度も使ったことないですが、一応First Aid Kitと一緒に持ち歩いてます。

登山のリスク7:高山病

標高が高い山に登り(概ね2400m以上)、酸欠状態になった時に現れる症状。
詳しくはwikipedia参照。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B1%B1%E7%97%85

対応としては安静にすること、標高を下げること。
まあ、日本で登山している分には死に至るまで高山病が悪化することはないと思います。ちなみに酸素濃度は標高3000mで68%程度になります。
八ヶ岳の阿弥陀岳・赤岳を連続して登った時に私も軽めの頭痛はしましたが、まあちょっと休んでれば回復する程度でした。
不安な人は酸素スプレーなど登山用品店で売っているので持参してください。

登山のリスク8:キノコや毒性植物など

いきなりそこらへんに生えているキノコや植物を食べる人はいないと思いますが、山に生えているキノコや植物には毒性を持つものもあります。
食べなくても、触っただけでかぶれるようなものもあります。
ウルシや水芭蕉など、不用意に触らない方が無難です。
八ヶ岳や尾瀬では普通に猛毒で知られるトリカブトが群生してたりします。

登山のリスク9:計画の遅延

遅刻、アクシデント、体調不良、道迷い、など計画が遅延する原因は色々あります。できるだけ余裕を持った計画を立てましょう。
また日が暮れてしまった場合、山ではその状態で移動するよりもビバークするなどした方がいい状況もあります。(経験ないけど)
また、ヘッドライトがあれば多少日が暮れても行動することもできます。ヘッドライトの装備は常に持っていきましょう。

ビバークするためのツェルトの準備もあればbetter、なくてもエマージェンシーシートなどは軽量だし準備しておきましょう。着替えや防寒具なども必要です。
時間に余裕がない山行の場合はそこらへんの準備もしておきましょう。










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