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いにしえのプログラミング 6 データの入れ物の箱

(続き)プログラミングを始めると、最初につまづきやすいのが「変数」でしょう。普通は、文字の意味からすると「変わる数」と思うのが自然です。数学的に発想しても、やはり、変わる数を連想するのが普通でしょう。だから、理科系でもプログラミングが苦手な人がいます。

 プログラミングの世界では、変数とは、データの入れ物のことです。データを入れたり出したりする箱です。みなさんも机の引き出しに、えんぴつやペンや消ゴム、クリップ、小銭を入れておくと、引き出しの中が散らかるでしょう。クリップを入れる小箱を引き出しに入れておくと便利です。小箱からクリップを出したり入れたりすると便利でしょう。小箱に名前をつけましょうか。たとえば「i君」という名前です。

 次にプログラミングでつまづきやすいのが「代入」でしょうか。数学的に表現すれば、「a = b + 1」でしょうが、プログラミングの世界では、「a = a + 1」という表現が多いです。これは、数学的に間違っていると言うかもしれません。たいていのひとが、「イコールにはならない」と言うでしょう。実は、プログラミングの世界では、「=」とは代入を意味します。つまり「a ← a + 1」という意味です。昔は「←」という記号が入力できなかったので、やむを得ず「=」という記号を使った、あるいはキーボードにある記号で間に合わせたという話があります。案外、数学が苦手な人がプログラミングに向いているかもしれません。

 プログラミングでは、まず変数の宣言が必要です。宣言と言っても、「これから変数を使うぞ」という意味です。たとえば、「int i」というように「i」という変数を定義しました。「int」は、整数の入れ物という意味です。ここでは、C言語を使って書きます。「;」は省略します。

int i
i = 10
i = i + 1

 これの意味を言葉で書けば、以下のとおりです。「i」という整数の入れ物を用意した。「i」に「10」を代入した。「10」に「1」を加えて、「i」に代入した。(続く)

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