![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80405687/rectangle_large_type_2_450aec05c282db83e4a0d29648a4ca83.jpeg?width=800)
ユーカリはガムの木
ガムは何からできている? どうやら木の樹脂成分を噛む習慣があったことから始まったらしい。それにしても最近は酢酸ビニルという石油由来のプラスティックを噛んでいるというから驚きだ。
私のハッシュネームはガムナッツである。ユーカリはガムツリーとも呼ばれ、俗称にGumがつくものが多い。グロブラスはブルーガム、カマルドレンシスはレッドガム、ナイテンスはシャイニングガムだった。ガムが樹皮の外に噴き出て固まったものがKinoと呼ばれるらしい。
樹木の水の通導組織である道管を塞ぐものにチロースとガムがある。どちらも道管と隣接する放射組織が起源である。GumはGelゲル・ジェルと呼ぶことが相応しいとする学者もいるように、ガムの主成分は多糖類のペクチンだ。ペクチンは牛乳のカルシウムとドロドロと固まるフルーチェやフルーツジャムの原料と言えば、おおよその想像がつくであろう。このガムが水が通る道管がエンボリズムで空気を含む様になると、水が滲み出るのを防ぐためなのか道管と放射組織を繋ぐ孔を塞ぐのに使われるのである。ユーカリ材は放射方向の孔がガムでびっしりと覆われ、水だけでなく空気の通導性も著しく低い。一方で、ガムを構成するペクチンは水素結合で水を吸着する高分子(おむつの様なイメージ)であるから、ユーカリ樹は乾燥に強く、ユーカリ材は水が抜けにくいというわけだ。
さて、ガムをキーワードにユーカリの秘密にまた一つ迫った気がする。続きは、7月13日の木材学会・組織と材質研究会を聞いていただければ幸いである。
口絵は、今育てているユーカリの稚樹。@府中
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?