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Zero をOneにする ー地域形成のメカニズム考察ー

 中山間地域では、人口の都会への流出が叫ばれて久しい。都会への人口の一極集中が過度に進むことにより、かつての集落が限界まで追い詰めれれると失われてしまう。さらには地方が活力を失っていく。このメカニズムは容易に想像がつく。これに歯止めを掛けなければならないが、逆の立場から、地域はどの様に形成すれば良いのか、そのメカニズムが語られることは少ない様に思う。ここではZeroを1にする経験を目の当たりにしていることから、地域形成のメカニズムを考える。
 飛騨高山の宮川沿いに朝市が出るのをご存知の方も多いだろう。今や当地を訪れる旅行客にとって、欠かすことの無い地方の風物詩である。元来は地域の農作物や民藝品を持ち寄る方々で形成された市であったが、高齢化の影響により出店の数が減っているのであろう。お試しで「旅のしおり」が4月27日から5月4日の1週間限定で「飛騨牛カレーパン」の出店の機会を得た。私も足でまといながらも製造や売子として携わらせてもらった。そこで観た光景は人生初の衝撃的な経験であった。特に最終日は朝7時から8時半には第一弾の仕込み100個が完売するほどの大盛況であった。
 今はこの他にも、日本でのユーカリ植林やCO2を排出しない国産広葉樹の乾燥に挑戦している。
 ファーストペンギンの話をご存知だろうか?誰もやったことの無いことに誰かが最初に挑戦し、成功を収める。それを観て、誰かが真似してやってみる。次も成功する。そうして次々に成功するものが現れる。ゼロが1になり、10になり、100になる。個性豊かな地域の特産物、特産地が形成され、産業が集積を始め、雇用が生まれ、地域が形成されるのではなかろうか?未来の日本に必要なのは一極集中ではなく、地方への企業誘致でもなく、このステップの繰り返しであろう。

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