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『キャラクターイラスト×土木写真』が流行りそうかも?という妄想

近年、社会に浸透しつつある『アニメ聖地巡礼』。ここ1~2年の『アニメ聖地巡礼』の動きを見ていると、土木構造物を背景とするアニメはどんどん増えるのではないかと妄想したお話。


0.土木構造物を背景とするアニメコンテンツが増えている?

2023年になってから個人的に注目しているコンテンツ形式がある。

それは日本各地の美しい風景にアニメに登場するキャラクターのイラストを重ね合わせるというものである。

例えば、2023年冬に放送されたTVアニメ『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』では

Always with you -どんなところへも、君と-

というスペシャルコンテンツがある。これはアニメに出てくるヒロイン「真昼」と一緒に日本全国を回るというもので47枚(各都道府県に1枚)の描き下ろしイラストがサイト上で展示されている。
あたかもヒロインと一緒にデートしたような気分になることが出来る大変面白い企画だった。

この47枚の写真を見ると大変興味深いことに気付く。
実は47枚の中にかなり土木構造物の写真が含まれているのである。

主要なものだけでも抜粋してみると…

橋→旧秩父橋(埼玉県)錦帯橋(山口県)しまなみ海道(愛媛県)
四万十川(高知県)
トンネル→海ほたる(千葉県)
公園→富岩運河環水公園(富山県)久屋大通りパーク(愛知県)

▲ 特に衝撃的だったのは真昼とシールドマシーンのカッター。
比較的知名度があるスポットではあるが、最初見たときは「シュールすぎない…?」と目を疑った。(千葉県にはディズニーランドとか鋸山とか東京ドイツ村とか他にもいいスポットあるやん!

それに加え、不思議なことに自然景観がかなり多い一方、デート先としては良さそうな寺社仏閣や遊園地・水族館・博物館などの建築物がほとんど無いのが特徴的であった。
(例えば寺社仏閣は弘前城(青森県)のみ)

どうして土木構造物がかなり多く採用されたのか、妄想すると土木×アニメの未来が垣間見える気がするので妄想していきたい。(あくまでも個人的な意見として受け取ってもらえるとありがたい。)

1.なぜキャラクターイラスト×背景写真なのか

1-1.『聖地巡礼』の現在地

本題に入る前になぜこのようなコンテンツが生まれたのかについて考えたい。

それを考えるためにはアニメの舞台を巡る『聖地巡礼』という活動の現状を知る必要がある。

現状、アニメの舞台が東京やその周辺であることが非常に多い。名古屋・福岡・札幌・仙台などの百万都市であってもアニメの舞台となるのは意外と珍しい。

アニメ聖地巡礼で盛り上がっている地域があるのは事実だが、聖地巡礼を気軽に出来ない地域もあるのではとも思えてくる。

そんな中、全国の美しい風景と組み合わせるコンテンツを作れば、地方に住んでいるファンの方も楽しむことが出来る。そのような背景から全国を旅するようなコンテンツが生まれたのかもしれない。

※話をそらすが、2022年のアニメ映画『すずめの戸締まり』日本を横断するロードムービであったし、そういった『全国を巡る』というのは一つのトレンドになっているかもしれない(しらんけど)

1-2.背景に実写を使う。

アニメーションで全国を旅するという発想自体は別に新しい話ではなく、
サザエさんのOPでおなじみである。

サザエさんのOPでは背景含め全てイラストを描いている。一方でキャラクターイラスト×背景写真ではイラストとして描くのは『キャラクター』のみである。

背景に写真を使う理由として、コストカットが挙げられるだろう。47都道府県のイラストを背景を含め描こうとすれば相当の労力がかかるが、キャラクターイラストだけであればイラストレーターさんの負担を減らすことが出来る。

さらに『聖地巡礼』の概念が広まるにつれ、キャラクターを実写の背景に配置することは単なる手抜きではなく、キャラクターがまるで現実世界にいるように見せる有効的な手法であると捉えられるようになってきたのかもしれない。

2.土木構造物が多く採用された理由

ここから、キャラクターイラスト×土木写真の可能性について考えていきたい。

結論から言えば…

土木写真を利用したコンテンツを創るハードルはかなり低い!

ということだ。

2-1.土木写真を商用利用するハードルが低い。

まず、こちらの写真を見てほしい。

東京・池袋にあるサンシャイン水族館で撮影された写真だ。この写真をアニメの宣伝用に使おうとすると少々ハードルがある。なぜなら『サンシャイン水族館』という私有地の中で撮影されたものだからである。

私有地内で撮影されたものである以上、所有者に写真を利用したコンテンツを作成してもよいか許可を貰う必要がある。例えば、写真の中に好ましくないものが映っていたことで所有者に迷惑をかけてしまう可能性がある。

特に美術館や寺社仏閣など展示物・建築物のデザイン等を売りにしている場所では写真撮影自体や写真の商用利用を禁止しているかもしれない。

一方で土木構造物は道路・公園・河川敷などから撮影するため、私有地内で撮影することはほとんどない。土木構造物は道路・鉄道・電気・水道などのサービスを提供するために設置されるため、所有者がデザインを理由に断ることはない。(警備や国防上、重要な施設であれば撮影を断られる可能性はあるが身近にある土木構造物であればおそらく問題ないだろう。)

土木構造物全般がデザインとしての価値が高いと見られていたら、自由に撮影できていなかったかもしれない。

2-2.聖地巡礼に関するトラブル回避。

もう一つの背景が聖地巡礼に関するトラブル回避である。

聖地巡礼という活動によってアニメの舞台となった場所・施設へ一時的に多くのファンが集まることがある。お客さんが喜ばしいことのように聞こえるが、キャパシティが十分でない場所やお客さんがそもそも少ないことを売りにしていたお店・施設では新規客の増加をあまり好ましくなく思っていないこともある。人をあまり集めるのは望ましくない場所をアニメで描けば、アニメの舞台となった場所・施設に迷惑をかけることになる。

テレビのグルメ番組などでお店に行った際、アポを取ることがあるがこれも『多くの人に店を宣伝してよいか』確認する意味も含まれているのだろう。

特に今回の企画では全国を対象にするため、写真を撮影した場所におけるトラブルはなるべく避けたいはずである。(謝罪するためだけの全国行脚はしたくない…!)

土木構造物の場合、近くに大きな公園があれば、もし多くのファンが詰めかけてもキャパオーバーすることはない。特にスケールの大きい土木構造物の近くには公園が整備されていることが多く、聖地巡礼によるトラブルは少ないだろう。一方で、狭い路地・道路などで撮影した場合は留意する必要がある。

3.まとめ

全国をアニメキャラクターが巡るという企画が増えている中、背景に土木構造物を添えるケースは増えるんじゃないかな~というお話だった。

今後もどんなコンテンツが生まれるか見守りたいと思う。



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