~国立がん研究センター①~

2020年 1月6日


朝早くに子供を妻の友達に預け、
(朝早くから申し訳ございませんでした…)

夫婦2人で高速道路に乗り、千葉県柏市へ~



10:00からの予約でしたが、
8:45には到着しました。


ロビーも綺麗で、とにかく大きい…。
(すいません稚拙な表現で…)



妻が色々と受付窓口を巡ってくれている間、
一週間分の入院準備が入ったスーツケースを隣に置き、一人椅子に座って周りを見渡します。


患者さんの中には小学生くらいのお子さんもいましたし、もちろん私と同じ歳くらいの方も多くいらっしゃいました。




皆さん、癌なんですよね
ここにいらっしゃるという事は
なんでそんなに普通なんですか⁉

圧倒されました、オドオドしているのは多分
私ら夫婦だけ。



1~2歳程の子供を抱っこして来ていらっしゃる女性の方もいました。





ん…



そうなのか?



3人に1人の時代が終わり、今や癌は2人に1人の時代になったとは言え…



“午前中だけ仕事休んで、風邪気味なのでちょっと近くの病院に来ました、お昼から仕事です。”

くらいの感じに見えます。



いえ。もちろんそんな事ないのでしょう。

その方たちも本当に大変な思いをされて、それを乗り越えてここにいらっしゃるんでしょう。



ただ、あまりにも自分たちが

“この世の終わり”

くらいの感じでがんセンターに行ったから。

自分たちにはそう見えたのでしょう。





“そんなに気負う病気じゃないのか⁉”




何か根拠の全くない自信が出てきたのをはっきり覚えています。







受付で首からぶら下げるガラケーのような携帯電話を渡されます。



“そろそろあなたが呼ばれますよ~〇番の診察室の近くにいて下さい~”



“○○さん、▲番の診察室へお入りください”

とかは全部これに、ポケベルのようにメッセージで知らされます。

名前で呼ばれる事はありません。



なぜか長期入院の準備をしてきていた私…。大量の荷物が入ったスーツケースを押しながら、まず放射線受付で紹介状・CDの入った封筒を提出し、

肝胆膵内科の受付へ。



予約しているとは言え、2時間ほど待ちました。

途中、巨大なスーツケースを見かねた看護師さんから、

『預かっておきますよ。』と声を掛けて頂き、とんでもなく重いスーツケースとは一旦お別れしました。

(すいません、邪魔にならない所に置いていたのですが。邪魔だったんですよね。多分…)



ようやく呼ばれて診察室の中へ。


『どうぞ。お座りください』


主治医の先生が声を掛けて下さり、夫婦で椅子に座りましたが

先生はずっと紹介状と、一緒に持って来たCDに入っていたCT画像をモニターで見ています。



“…うわ。何か他に見付かったのかな。”
と思っていると。



『すいませんお待たせしました。まず初めに体に異変を感じて病院に行ったところから、全てお話下さい。』



「昨年の〇月くらいから背中とお腹と痛く(中略)・・・結果、すい臓がんだと診断を受けて今ここにいます。」



『あぁもうそこまで聞いているんですね。分かりました。
では説明します、一番大きな膵臓の腫瘍は3.3cm。これは切れます。』



・・・えっ

夫婦で顔を見合わせ喜びました。



…が

『このすぐ横のリンパに飛んでる腫瘍が1.3cmと〇mm。これが切れるか切れないかは外科の先生と話します。』



「え!!リンパ??」

どこにも飛んでいないと思っていたので一気に落ちました。



妻が聞きます
「ステージで言うと、どれくらいですか?」



『ステージ?。付けるなら③、でしょう。
でもステージは関係ありません。 

抗がん剤が効くか?

効かないか?

それだけです。

“生きる” という事を優先しなければいけませんから、まずは“飛ばない事”

を優先して治療します。手術はその後になるかと。

私は一番強い抗がん剤から入ることを○○さんに勧めますし、カンファレンスでも私はそう提案する予定です。

今日はこの後、血液検査をしてもらって
CTだけ撮ります。CTも病院によって見え方が違いますので
ここでもう一度撮って頂きます。』



「分かりました。よろしくお願いします。」



『では次は1月9日の朝、何も食べずに来て下さい。超音波内視鏡を受けてもらいます。

その日は1日入院してもらって、次の日朝一番でMRIを撮って退院となりますが宜しいですか?』



「え。今日から入院では…?」



『いえ。入院はそんなすぐに出来ません。9日に来てください。』



え…スーツケース。

中にはパンパンの荷物が…長期入院の…



そもそも思い返すと、なぜ

紹介状を書いてもらった=入院

だと思ったのか。


スーツケースを預けたのを忘れて帰るところでした。

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