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すい臓がんの告知~②

地獄へ突き落とされたすい臓癌の告知


癌の告知を受けてから数時間後、
病院長先生 (かなりのご高齢の先生でした) の回診もありました。

看護師さんが5人程付き添っていました。
TVでしか見た事ありませんでしたが、本当にあるんですね…。


病院長の先生が笑顔で語り掛けてきます。
『○○さ~ん。お体の調子はどうですか?
今日は超音波内視鏡ですね。頑張ってくださいね。』

私 「はい…頑張ります。」


“つい先ほど、すい臓癌の告知を受けて今日の超音波内視鏡下穿刺吸引はなくなったのに…。”


更に気分が落ち込みました。



10:00頃
妻が病院に到着しました。
ナースセンターの脇にある小さな小部屋で主治医の先生の説明を受けます。

中には先生の他に女性の看護師さんがいました。



・・・



先生が妻に聞きます
『旦那さんからお話はありましたか?」

妻「はい。」

先生『図にして説明させて頂きますね。』


~先生も内臓の絵を描きながら
泣いていました…。~


先生『ここがこうで、こうなっています。すい頭部の癌かと思いますが、十二指腸の癌で結果は出ています。』

私「どちらの方が治りやすいのでしょう?」

先生『う~ん……。 膵臓の方が顔色は悪いですね…。』

私「そうですか…。腫瘍マーカーの数字をインターネットで調べたら、癌なのは妻も分かっていました。そして手術はできるのでしょうか?」


先生『どんな癌でも切って良いという訳ではありません。
"これ以上進行した癌は切ってはいけない"
というガイドラインが決まっています。

現状、そのガイドラインに沿って言うと、ちょうど境界線のところです。

手術できるかどうか微妙な所なので、外科の先生に聞いてみなければはっきりとお答えできません。』


※膵頭部の近くには大きな血管が2本あります。
そこは絶対に傷付ける事が出来ません。
リンパ節に転移した癌がその血管に接していたり、巻き込んでいたりすると手術は出来ません。


私「他の臓器に転移はしていますか?」

先生『していません。肺も肝臓も異常ありません。』


先生のお話を聞くと、
すい臓癌は特に『肺と肝臓』に飛びやすい (転移しやすい) そうです。


私「ここで年末年始、治療が出来ないならすぐに自宅に帰りたいです…。」


先生『分かりました退院の手続きをしておきます。』



・・・



先生からのお話(ご提案)は3つでした。
①この病院で【王道】と言われる治療を行うか?
~王道とは定番の抗がん剤・放射線で小さくしてからの手術を行う事らしいです。

ただ、今まで30代ですい臓がんと診断された患者さんの事例がこの病院では一人もいない…。


②千葉県柏市にある国立がんセンター東病院に治療の場を移して、そこで治療を受けるか?

~オンコボード?でしたっけ…。
遺伝子を調べ、その遺伝子に効く抗がん剤を導き出して治療ができる。

その他にも
“そこでしかできない治療”
もある、癌手術の実績も格段に多い。

この近くでは国立がんセンターにしかない最新の設備もあるらしいです。


③一旦、セカンドオピニオンとして国立がんセンターでもう一度話を聞くか?
~この場合、健康保険が効かないので話を聞くだけで1時間3万円ほど掛かりますとの事。


妻が先生に聞きます。
「先生ならどうしますか?」


『私なら国立がんセンターで治療します。◯◯さんはまだお若いですし強い抗がん剤にも耐えられると思います。なにより後悔してほしくありません。』

私『千葉県…。』

家族と遠く離れるのが不安だった私でしたが、
妻は即決でした。



妻「分かりました。すぐにがんセンターに行きます。いつから行けますか?」


先生『分かりました。
すぐにあちらに電話します。』


先生は部屋から退出しました。


…え…千葉?
家族から遠く離れる…?

ここから同席してくれていた看護師さんと3人で話をする事に。
聞くとその方は「ケア◯◯◯」という患者の不安や悩み聞いて下さる特別な看護師さんのようです。



看護師さん『○○さんご夫婦よく取り乱さず、しっかりと先生の話を聞けましたね。
すごいなぁと思いながら後ろで聞かせてもらっていました。

ただ先程、
“インターネットで調べた”
と仰っていましたが、一言だけよろしいですか?』


私たち夫婦「はい。」


看護師さん
『今はインターネットで何でも調べられます。その中には凄い大事な事が載っている事もありますし、全くのウソもあります。

そして大事なのはその情報が出た日付 です。本を買う時でも一番後ろの“初版発行日”を見てその情報が新しいのか古いのか、見るでしょう?

医療はすごいスピードで進化しています。去年の数字もアテになりません。
例えば『私の知り合いも癌になってこんな治療をした』というような昔の治療と、今の治療とは全く変わっています。

その様な数字や人の体験に心を乱される事なく、前向きに治療していってほしいと思います。』

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