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Bronson Mfg. : 1930s French Corduroy Hunting Jacket

私、普段着はアメカジ野郎です。もちろんミリタリー系も大好きです。
一般にガチなミリタリーは女子受けしませんが、男子であれば誰でも少なからず惹かれるものがあると思います。漢のロマンですね。

と言いつつも、ミリタリー系の服はあまり持っていません。巧く着こなす自信がないということと、自分の中のコーディネート・バリエーションが少なくていつも同じパターンになってしまいそうだから。

とはいえ instagram や pinterest などで M51 ないしは M65 などのフィールド・ジャケットに(あえてジーンズでなく)明るいボトムスを合わせているのを見るとマネしたくなりますね。
土臭いミリタリー・オリーブに爽やかなホワイトという組合せは鉄板パターンの一つでしょう。

ミリタリー・オリーブとホワイトの組合せはバランス良し

実は私もオリーブ・グリーンの J.Crew『Canoeist smock jacket』と ホワイトの orSlow『107 Ivy Fit』という組み合わせをやってまして…
この時の足元は astorflex のデザートブーツ『Greenflex』か、Redwing でオロラセット・ポーテージ(赤み強いヤツ)のアイリッシュ・セッターを履いてます。

ということで少し前に instagram で発見し、最近気になっていたのがアメカジ/ミリタリー系のレプリカをリリースしている Bronson Mfg. という謎のブランド。

ミリタリーウェアはできれば保存状態の良いデッド・ストックが欲しいところですが、ジーンズ同様にコンディションの良いものは高値が付いてとても買えないですし、そもそもリアル・ヴィンテージなのかレプリカなのかを見抜くことのできる知見/ナレッジがありません。

よって考えようによってはクオリティの高い復刻を制作している日本のレプリカ・ブランド(Buzz Rickson's とか The Real McCoy's など)の方が安心感があってよいというのも頷けます。
と言いつつも、決して安価ではありませんよね…

今回紹介する Bronson Mfg. はミリタリーやアメカジのヴィンテージ・レプリカを制作している海外のブランドで(Webページはすべて英語で記載)、2012年に設立、会社名と住所は以下記載となっています。
Company Name: Forstreet London Ltd
Company Address: 1st Floor Front, 36 Gerrard Street,London W1D 5QA

ラインナップを見てみると、フィールド・ジャケット&パーカ(M51, M65 etc)、フライト・ジャケット(A1, B10, MA1 etc)、デッキ・ジャケット(N1) などのアウター類が沢山あります。

ミリタリー系アウター

その他に Levi's がソースのレプリカ・ジーンズ、ヴィンテージ風スウェット/ヘンリーネックTシャツ等々、アメカジ好きの心をくすぐるものが多数あります。

アメカジ・ヴィンテージ系アイテム

Webページを見る限りにおいては復刻度は高そうで、素材や縫製においてもなかなか良さげな印象です。でも何といっても驚くのがその値段。
例えば N-1 デッキ・ジャケットが 189.99 USドルです。

Buzz であれば 75,900 円、McCoy's だと 88,000 円 ですので1/3以下の価格です。安価な Houston では 48,180 円、それでも1/2くらい。
(いずれも2023年1月時点調べ。ライナーはアルパカ/ウールのものをピックアップ、アクリルボアだとさすがにもっと安価です)

プライスから考えるに中国メーカーとしか思えません(Webページの着用モデルさんはガタイは良さそうですがアジア系の人ですね)。
ですが、よくよく製品説明を見てみると生産国の表記がありません(全ての商品に記載なし)。

でも見つけました。『Vintage Short Sleeve Henley T-Shirt - White』の画像の一つがこれ。

生産国の表記

また、FAQには以下のように中国の倉庫から出荷されるとあります。
 Q. Where will my order be shipped from?
 A. All orders are shipped from Bronson's China warehouse.
その他に Shipping Info にも以下記載があります。
 All of our products will be shipped out directly from our China warehouse via Yunexpress, S.F Express, China Post, and FedEx Express.

先に記載した会社名と住所でググってみると、どうやら2019年にイギリスで登記したようで、その前は香港の会社だったようです。
(Director の人は Nationality : Chinese , Country of residence : China となっていますね)

中国メーカーと聞くとネガティブな印象を持ちますが、Webページ掲載の製品画像を見ると縫製はしっかりしているようですし、掲載画像を手抜きせず多数の写真を使い細部まで掲載(説明)しているところに彼らの自信を感じました。

ということで以上長々と書いてきましたが、いよいよ購入となります!!
(10月下旬の円安ピークから15円以上戻してきたので、物欲に耐えかねての購入。依然として1年前と比べれば円安であることには変わらないので、冷静に考えれば買い時ではないのですが…)

本当は M51 Field Jacket もしくは M65 Field Jacket が欲しかったのですが、冒頭でお伝えしたようにガチ・ミリタリーは着るのが難しいこと、また、期待が大きいゆえ届いた商品がイマイチだった時のやるせない気持ちが大き過ぎることを考慮して、敢えて選んだのが『1930s French Corduroy Hunting Jacket』、159.99 USドル。
(99 USドル以上は送料無料、それ以下は送料 6.99 USドルが掛かります)

モデルさんの着用画像がこちら。

1930s French Corduroy Hunting Jacket

どうですかコレ、カッコ良くないですか?!
ハンティング・ジャケットなのでミリタリーではなくワーク系ですが…
ワークでも全然野暮ったくなく、シンプルにしてレトロなカッコイイジャケットを着てる人になるかと。
実はコーデュロイってあまり好きではないのですが、この肉厚でタフなコーデュロイの質感は堪りませんね。

製品説明によれば以下の通り。

  • 1930-1950年代のフランスのハンティング・ジャケット

  • コーデュロイ生地は100%コットン、9ウェル、17oz

  • 生地は別注でヴィンテージのハンティング・ブリーチを再現

  • ややAラインのシルエット、レトロなスタイルの4ポケットに純正水牛ボタン、裏地あり

確かに「french corduroy hunting jacket」で画像検索してみると似たようなジャケットが多数ヒットします。水牛ボタンもありますが、動物をモチーフに浮彫でかたどられたメタルボタンというのもあってかなり素敵です。Bronson Mtg. にはこのメタルボタンで復刻して欲しかったなぁ…

size : 36 (サイズはセンチメートル表記)
Shoulder : 44.5
Chest : 105
Sleeve : 60
Length : 70

ということで size 36 が私には適切と思いポチリ。
すると同日内に以下のメールが来ました(一部省略)。
====================================
I noticed this is your first time purchasing from us.
Writing to ask if you need a size recommendation as our sizes are a little smaller than European&American sizes.
If you need, please tell me your height, weight, and chest, then I can help you choose a proper size.
Also, could you please tell me what your build is? And do you usually work out?
Or if you are sure about the size you chose, please also kindly let me know.
Looking forward to your reply.

上述のメールに身長・体重・胸囲を返信すると、以下リプライあり。
====================================
Thanks for your reply.
According to your measurements, I think size S/36 is ok for you.
Then I will arrange shipping asap.

凄くないですか? こんな親切なやり取りは初めてです。
いまだユーザーが少ないゆえに対応可能なことなのかもしれませんが、日本のECでもここまで丁寧に応対しているのを知りません。

ちなみに配送は Yun Express。私は今回初めて知ったのですが、Amazon で買い物をした時に出店元が中華の場合によく登場する配送業者のようです。本社は深圳(深セン)ですが、今や北米や欧州にも拠点を構えているようで、もしかしたら今後は FedEx, DHL, UPS  のように世界規模で展開するロジスティクス・プロバイダーになるかもしれません。

以下に荷物追跡を転載します。およそ2週間掛かりました。
2023-01-07 09:21 配達完了
2023-01-07 06:38 配達中
2023-01-06 21:47 輸送中
2023-01-06 16:00 JP,kansai,JP, Custom clearance completed
2023-01-06 13:02 集荷
2023-01-05 13:58 Arrived at AIRPORT of Destination
2023-01-05 09:54 Departed from AIRPORT of Origin
2023-01-03 17:02 China, Arrive at international airport to abroad
2023-01-03 15:02 dongguan, Departed Facility In processing center
2022-12-31 00:36 dongguan, Departed Facility in dongguan
2022-12-29 11:32 dongguan, Arrived at Sort Facility dongguan
2022-12-27 22:00 zhengzhou, Departed from Facility zhengzhou
2022-12-26 18:45 zhengzhou, Arrived at Sort Facility zhengzhou
2022-12-24 15:24 Shipment information received
2022-12-24     ECサイトにてオーダー

それでは到着ブツを見てみましょう。
荷姿(梱包)は残念。国際便にはキツイ。何かに引っ掛かったのか、一部破れちゃったりしてます…

日本に来てからのラスト・ワンマイルは佐川でした

梱包を開けるとジップロック型のビニールバッグに入ってました。こちらは破れなし。一安心。

Bronson のキャラクター・ロゴであるブルドッグがコンニチハ

取り出してみてあらためて感じる重厚感。とてもコットン・ジャケットとは思えぬズシリとした重み。置き方が甘かったせいか写真では判りませんが、わずかに裾へと広がるゆるらやかなAライン・シルエットです。
着丈はやや長めではありますが、手持ちの Yarmo『Drivers Jacket』や Universal Works.『Bakers Jacket』 と同じ 70cm です。

どことなくレトロでシンプルな面構え

背中はこの通り。シルエットはこの方が判るかも。腹部あたりの左右両端にボタンが付いていますが、ハンティング・ジャケットならではのゲーム・ポケットですね。今となってはほとんど実用性はありませんが、やはりこうでなくちゃね。

ゆるやかなAライン・シルエット

少し寄ってみました。ビミョーに左右チェスト・ポケットの着け方(位置)が違う気がしますが、着込んで歪みがなくなれば大丈夫なのかな…

近づくと4つのフラップ付きポケットはかなりの迫力

17oz、9ウェル・コーデュロイの質感伝わりますでしょうか。
ググッてみたところ何やら 9ウェルは「中太コール(1インチあたり畝が9本前後)」にあたるそうで、私があまり好きではないのはそれ以上太い畝の「太コール(畝 6本前後)」や「鬼コール(畝 3本以下)」と知りました。

肉厚コーデュロイと大きめの水牛ボタンの組合せが素敵

ライニングは黒のコットン(100%)。アーム内側も手首のところまでしっかりと張られています(おそらく腕のスベリは良くないでしょうけれど)。見たところ縫製はシッカリとしています。

ライナーは一面ブラックで重厚な印象

ジャケットとはいえほとんどコート同様ですので、カフは本切羽/開き見せではなくボタンタイプのスリーブ・ストラップとなっています(もちろんヴィンテージの仕様に合わせているからと思います)。

腰ポケットと袖口

腰ポケットは深く、20㎝ほど。これなら iPhone 14 Pro Max (ケース入り)を立ててもモーマンタイ!! と言いつつ買う気はないですし、いまだに自分のは SE2 で充分なのですが。

ポケット・フラップの内側もライニングと同じ黒い共布で良き

ハンティング・ジャケット特有のディテールがこのゲーム・ポケット、身幅目一杯つかって1つの大きなポケットになっています。
私はヴィンテージモノを買ったことはありませんが、ネットを見ていると古着屋さんでポケットの中を確認すると獲物の毛が入っていてビックリするときがあります、とのこと。

ゲーム・ポケットに折りたたみ傘を入れてみました

最後は洗濯表示(なぜかISO標準シンボルを使っておりませんね)と生産国。
"Dry Clean Emblem" の正確に意味するところが判りません(丸P記号のことかな…)。

品質表示タグ

全体的に見てきましたが、ナカナカの良品と思います。ニオイもまったくありません。あとは着用摩擦による潰れ(耐久性)ですが、こればかりはしばらく着用してみないと何とも言えませんね。
どうしても積極的には買いたいとは思わない Made in China ですが、このクオリティにこのプライスは驚異です。


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