できないことをできるようにする方法

あるできないことができるようになるのに一番大事なのは
「できるような気がする」
と思えることだと思います。

本当にできるかどうかは正直どっちでもいいんです。
何をもって「できる」というのか、というのも悩むところですが、それはまたの機会に考えます。

できるような気さえあれば、そのイメージに向けて動くことができます。
結局挫折の理由も失敗したりして、途中で「できるような気」がなくなってしまうことだと思います。
なので、できるようになることで一番大事なのは「気のせい」だと思います。

その気持ちがないと動くことすらできません。
成功のイメージはないがとりあえず動く、ということができるひともいますが、死ぬほど疲れるわりに得られるものが少ないのでわたしは苦手です。
ていうかそれで何とかなるのには多分できないんじゃなくて「やりたくない」だけなんじゃないのかと思ってます。

できるイメージがちゃんと具体的にあれば、ミスすることはあっても、全然できないことはないはずです。少なくともそのイメージを持ちつつ行えば少しづつは前に進んでいるはずです。
できるイメージを持って挑戦すればそう遠くないうちに実際にもできるようになるはずです。

以上です。タイトル詐欺な内容でごめんなさい。




ここからは自分語りの蛇足です。
でももしかしたら誰かにとってはとても大事なところかもしれません。

わたしの場合、できるようになることは初めからできるイメージが強くあり、逆にそのイメージがないものはものすごく苦手でいつまでたってもできるようになりませんでした。そんなもののひとつであるキャラクターづくりが、最近できると思えるようになりました。

わたしは10年くらいずっと自分にはキャラクターは作れないと思っていました。
できるイメージが全くなかったんです。
それがどのような手順でできると思えるようになったのかということを、漫画の描き方RTAと重複する部分もありますが、紹介させていただこうと思います。

わたしは典型的な、二次創作だったら面白い自信があるけど創作はできない、というひとでした。その理由はキャラクターを考えることができなかったからです。

キャラクターを考えることができないというのは、全く作れない、ということではありません。自分で作ったキャラクターをひとりのキャラクターとして認識できない、ということです。換言すれば、自分のキャラクターにオリジナリティーや魅力を感じることができず、感情移入することができない、という体たらくだったってことです。簡単に言うとキャラがたたないってことですね。なんとかキャラを立たせようとすると自分が透けて見えてそれはそれは気持ちが悪かったです。

そんな有様だったので自分にはキャラクターを作ることができないと思っていました。諦めていました。

でも、どうしても二次創作ではなく、一次創作をやりたかったんです。
そこで、どういう形であれば納得のいく形で一次創作ができるか考えました。
思いついたのは「原作付き」です。ありがたいことに、わたしにはとても好きな、かつ仲良くしてくださる創作同人作家さんがいました。その方に原作をやってもらえないかとお願いして、本を2冊出しました。エンベロウト商会のとても硬い盾といいます。
1冊目は原作ほぼまま、2冊目はかなりわたしなりのアレンジを加えて描きました。
設定やキャラクターをつくるのがすごく上手な方の原作だったので、こうやって描くのか、とものすごく勉強になったのを覚えています。
特に1冊目はかなりキャラクター、ストーリー、設定とかなり私の理想に近いものを頂けたので、これを描いた後はもう漫画は描かなくていいかなと思っていました。
でも、コミティアとかに一般参加するうちにやはり自分でももっと描きたいと思うようになり、次にお話するやつとか、原作の方に2話目を出したいとお願いしたりしました。

次に思いついたのが「モデルがいるひとを描く」です。これも2冊だしました。
モデルがいれば自分で10考えるのではなく、自分で考えるのは3とか4とかです。
そうしてできたのがカップの底のコーヒーの店員さんと異世界のお嬢様の稲見さんです。
お二人共キャラ立ちがものすごかったので、ご本人だったらどうするか、を考えてキャラをつくりました。これもすごく勉強になりました。
と同時に、これらを自分から生み出すのは無理だと改めて思いました。

そうして、これならキャラクターとしてちゃんと描けるかも、というものをやりつつ、完全オリジナルもちょいちょい挟んで、今自分がどのくらいキャラクターを描けるのかを確認していきました。ですが、キャラクターを作るということに対してやはり全く光明は見えていませんでした。
それでもやっぱり本を作る、漫画を描く、ということがやりたいという気持ちで同人誌を作りました。

ここの辺くらいまでくると「自分の漫画を描くためのハードル」がある程度形になってきました。
それを参照しつつ、次の漫画を考えます。

そして、キャラクターを作る、ということとキャラクターを動かすということが全然違うこと、キャラクターを作るとキャラクターを動かす、の間にキャラクターを想像する、という工程が必要なこと、にようやく気づきました。
キャラクターを動かすのはともかく、やはり作るのがまだ未熟なこと、そして想像することが全くできていないと思いました。
いろいろな方向性の同人誌を作った成果だと思っています。

キャラクターを想像する、というのはとても重要は部分だと思います。妄想する、と言い換えてもいいです。お友達の如月さん(@ksrg_17)が無茶苦茶上手で、自分に欠けているのはそこだと思いました。というか、その事実はなんとなく前から知っていたのですが、自分にはできないと諦めていました。でも、ここまで同人誌を作ったことにより、如月さんが何をやっているのかようやくなんとなくわかってきました。そして、あとでキャラクターのモデルにもなる稲見さん(@Inami_Akira)の「潜る」という創作方法をみてこれだと思いました。キャラクター(稲見さんの場合は世界観やストーリーも)を掘り下げてより具体的にイメージする、と言えばわかりやすいでしょうか。

キャラクターをつくるということに対してかなり自分なりに細分化できたので、次のオリジナルはよくある題材でやろうと思いました。その際に想像をしっかりやる、ということがテーマでした。マザーです。マザーの魔女はひたすらキャラクターを掘り下げるということをしました。
その結果、感想で主人公に対して「この子を幸せにしてほしい」という感想を頂いけたのですが、そのとき、だいぶ視界が晴れた気がしています。

そして、アヤです。個人的には転換点はここだったと思います。
アヤはアイディア自体は前からあったのですが、うまくキャラが立たずできていなかったお話でした。
キャラクターを作るということに対して暗闇だった視界がだいぶ晴れてきたので、ここで一気に払拭してやろうという目論見です。キャラクターという面でだいぶ挑戦した作品でした。
結果としては画力以外は自分でも納得のいくものができました。
主人公やアヤより脇役である博士のキャラクターがたったのは予定外ではありましたが、わたしの性質を考えればある意味予想通りではありました。

最新作は永遠の最終形です。
今までで一番、ぶっ飛んだところのない、でもキャラクターがたっていると思える作品です。
ずっっっっとやりたかったおはなしです。
これを納得のいく形で「完成させられた」おかげで「自分はキャラクターが作れる」と思えるようになりました。
改めて思いましたが、「完成」は自分が描き上げるだけでは駄目なんですね。
かならず客観性が必要です。
客観性をもって初めて結果が出るんです。
要は感想です。
だから、同人誌として外側に発表することがとても大事だったなと思います。
今までとは違い、作品としてちゃんとしたクオリティのものを出したかったので、キャラクターだけでなくストーリーや演出も拘りました。その結果か、いつもよりずっとたくさんのご感想を頂くことができました。

できる、と思うためには、かならず、結果を出さなくてはいけません。
結果の積み重ねです。
結果を出す、とかいうと売れるみたいに聞こえますが、そういう結果とは別です。
数字ではありません。
自分がやろうとしていたことがちゃんとできているかどうかの結果です。
大体全然売れなかったので負け惜しみです。

では結果を出すとは、成功とはなにかというと、
「あのキャラ好き」
って言ってもらうこと。
これだけでした。
知り合いだろうが、友だちだろうが構いません。
自分以外の人にキャラクターを、キャラクターとして認識してもらい、そのことを伝えてもらう、ということにより結果、成果となるってことを最近気づきました。

絵がうまい、話が綺麗、このシーンがいいではなく
キャラの話をしてもらう、
ということが大事でした。
面白かった、共感した、ここのこの意図を読み取った、はモチベーションとしてはめちゃくちゃ上がるけど、作者の力量のアップにはつながらないんだなと思いました。
自分は昔感想はいらんと言ってたのはなんとなくその辺もあったのかもしれません。
まあ一番は余計な批評や批判でモチベーションが削られるのが嫌だったってのがでかいですが。

逆に名前を呼んで、1人のキャラクターとして認識して話をしてもらうことはキャラクターを作るというスキルアップのためにものすごく大事でした。
キャラクターを作るのが上手な人は自然と自分でたくさん呼んであげている人が多い(と最近気づいた)んですが、わたしは自分からあまり呼ぶことができず、人に呼んでもらって初めてできました。
今までも何度かはあったとはいえ数えるほどしかなかったのが、永遠の最終形でようやく何名かの方にまともに呼んでもらえるようになりました。
一回名前を呼んでもらえる度により鮮明にキャラクターとしてこの世に具現化してくる、そんな気さえしてます。

その結果、自分にもキャラクターが作れる、とようやく確信が持てました。
まさかそう思える日がくるとは思っていなかったので、正直なところ嬉しいとかより動揺してるほうがまだ大きいです。
そのくらいびっくりです。

今思えばいいタイミングでお友達のキャラクター作りの相談にがっつりのらせてもらったというのも大きいです。アヤを描いたちょっと後くらいのことです。
ネームの切りかたとか、演出とか、ストーリーはよくいろんな人の相談に乗ってたんですが、キャラクターに関して意見させてもらえるのは初めてでこれもとても勉強になりました。

というわけでこんな感じのことを経てようやくキャラクターが作れると思うようになりました。

最後に苦手なことをできるようになりたい人向けに一般化してみます。
まず、できると思えるようになることが大事ですが、それは並大抵のことじゃないです。
なので、できると思えるようになることをいちばんの目的になにかをしない方がいいです。
わたしの同人誌の作成はまるでキャラクターを作れるようになることが1番の目的のように語ってきましたが、実は全くそんなことはありません。あくまで複数の目的のひとつです。納得のいく、やりたい創作をする、が1番の目的です。キャラが作れるようになる、は順位付けするとしたら4つめとか5つめとかその辺です。意識の端くらいにおいとくのが大事です。
じゃないとあまりに成果が出なくてこころが折れます。感想をちょっともらったところですぐキャラクターが作れるようになるわけじゃないですし。
そうして、そのうち解決できたらいいなと長いこと思っている課題、くらいにしておくと、だんだんと実力がアップしてくると思います。
ただ、できるようになるイメージとは直結しません。実力が上がった結果、ある日突然、あれ、もしかして今の自分ならいけるんじゃね?とできるイメージが降ってきます。徐々にできるイメージができてくるわけではないです。少なくともわたしの場合はそうでした。

できないことを悲観しないこと、できるイメージをつけるのを焦らないことが大事なことだと思います。
焦ってイメージのない状態で今ならできるかな?と思ってやってみてもたいていできませんし、その失敗はあまりいい影響は出ません。
確信めいたものがかならず降ってくるので焦らずそれを待ちましょう。

できるイメージができたらあとはイメージを具体化するだけです。
なかなかイメージどおりとはいきませんが、少なくとも、全く納得できない、ということはないとおもいます。

ぜひ頑張ってください。成功体験と言えるほどのものではないですが、わたしでよければ相談にのります。
また、もし逆にできるイメージは明確にあるのになぜかできない、という方がいたらツイッターのDM(@h_suicha)とかにぜひご連絡ください。理由を一緒に考えてみます。


わたしのnoteではこんな感じでツイッターには書き切れない長めの話をしていこうと思っています。
更新頻度は不定です。
そんな私ですが今年もどうぞよろしくお願いします。

それでは、また。

サポート頂けると今後の活動ができるようになるので宜しければ。