読了:営業と詐欺のあいだ

読了:営業と詐欺のあいだ
坂口 孝則 (著)

【概要】
モノが売れない時代でも一流の営業マンは売りまくる。彼らは、絶妙のタイミングで商品を薦め、必殺の決めゼリフを持ち、いつの間にか絶大な信頼感を勝ち取り、さらには「あなたは特別な人だ」と自尊心をくすぐりながら相手を気持ちよくさせ、必要のないモノまで買わせてしまう。商品説明などしなくとも、顧客は満足し、騙されたと訴えることもない。詐欺師と一流の営業マンは紙一重。十倍買わせる、きわどい営業のコツと心得を伝授!

【所感】
「冷静と情熱の間」みたいな語呂で、なかなか不穏なタイトルだなと思って手に取ってみました。
たしかに、倫理的に良いかどうかは別として「良い営業」と「狡猾な詐欺」は通じる部分があるかもしれない。
人間の原理原則に則ったターゲットの心理を利用し、緻密に計算された戦略があり、お客様に気持ちよくYESと言っていただく。
逆説的に、人は誰も詐欺師にもなりえてしまうということも言っているのかもしれません。
前半では心理学にも基づくような営業のテクニックと、後半では騙されないようにと詐欺商法のパターンとその解説がなされています。
読んでいると営業の面白さが再認識され、「そうそう、そうだよね」と思える部分が多く、営業したくなる本でした。

以下、活用メモ
■営業マンが言うことは基本的に3つ
1 、「メリット」この商品を買えば、あなたは幸せになれます
2、「信頼」たくさんある商品の中で、この商品こそがあなたの求めているものです
3、「価格」あなたは適正な価格で買おうとしています
⇒買い手は潜在的に「日常への不満」を持っており、売り手は、買い手に明るい将来を想像させることが大事。
⇒売り手は、「買うことを正当化してくれる情報」を買い手に与えることによって、買うことの抵抗感をなくさせる
これはトヨタのトップディーラーも近いことを言っていた。

■商品をお客の手に取らせたら勝ち
百貨店に勤める女性によると、試着した男性の7割がそれを買うそうです。また、小売店などでは、店内にいる時間が長ければ長いほど、そのお客が商品を買うことが多くの研究結果で証明されているそうです。

■一流のセールスマンは必ず買い手のメリットを嫌になるほど強調してくれる。
⇒買わせるまでは次の3ステップ
1、メリットの提示:その商品が買い手をいかに輝かせてくれるかを伝える
2、希少性の提示:目の前の商品数が残り少ないことを伝え
3、機械損失の提示:買わなければ、むしろ損してしまうことを伝える。

■古典的な洗脳の手法
・「解凍」......人格を破壊する
・「変革」.....新しい教義の注入
・「再凍結」.....新たな教義を強化し、以前の自分を否定させる

■詐欺にひっかからないために
・自分が買いたい商品を明確にする
・セールスマンと、その売っている商品は別物と認識し、冷静に判断する
・自分が払えるお金・払う条件を明確にし、曲げない
・相手の売り込みには屈せず、自分の筋を通す

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