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『春のこわいもの / 川上未映子』

★★★★☆ 4.5

---説明---

感染症大流行前夜の東京――〈ギャラ飲み〉志願の女性、ベッドで人生を回顧する老女、深夜の学校へ忍び込む高校生、親友を秘かに裏切りつづけた作家……。東京で6人の男女が体験する甘美きわまる地獄巡り。これがただの悪夢ならば、目をさませば済むことなのに。『夏物語』から二年半、世界中が切望していた新作刊行! 

---感想---

パンデミック前の世界をもう忘れかけていたけれど、この作品を通して思い出した.分からないことに振り回され過度に怯えたりもしたし、分からないが故に油断した.そんな風に流されながらも自分はこうして今も生きている事をこの本により実感した.

川上未映子さんの作品を読んでいると変なこと考える人って結構いるのかもなと安心する

・青かける青
(病院 女性 心)
わたしは心が不安定なのでこの作品はとてもスッと入ってきた.たくさんの不安に沈むあなたにはたくさんの優しさがあると言ってもらえているような気持ちになる.

・あなたの鼻がもう少し高ければ
(風潮 整形 21歳)
顔面について悩む荷が降りる気がする.人は多くの情報を見る事から得て、勝手に決めつける.いっそ亡者になりたいなんて、最低な考えすら浮かぶ.トヨは強く生きれる人だと思った.

・花瓶
(老婆 死間近 思考)
私は歳をとってベッドに寝たきりになった時何を考えるだろう.覚えていられることと言うのは本当に少ないのだろう.私には一体何が残るだろうか、考えても答えは出ない.

・淋しくなったら電話をかけて
(視点 私 
p84のSNSの所何ひとつ出来事は起きていないのに、すべての出来事が期待はずれで、それでいて裏切られた気持ちになる、は本当に真実だと思う.p89人類にSNSは早かった、淋しくなったら電話をかけて、の題名になる程となった

・ブルー・インク
p97の真ん中の文で女の子を好きになった
というか、川上未映子さんは滅茶苦茶芯の部分に語りかけてくるな、、キツいスゴい

面白かった…。

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