束の間


世の中がひっくり返るような事があって、私は母と同居する事を強いられた。

それまで私には金の無心しかしてこなかった母親が、甲斐甲斐しく家事をして、私の世話を焼いている。

気味が悪い。5000円だけ置いて三日くらい家を空けると、知らない土地での不安からなのか涙目で文句を言う母親を見ていた。

馬鹿な人。親の言う通りにしか生きられず、そこから抜け出したくて父親に縋って、その父親に子が犯されてるのも知らず働き続けて、その子供がどうやって稼いでるかも知っているのに金の無心を続けて、最終的には家に棲みついた。寄生虫のようなもの。

その頃はもう効かない睡眠薬は飲まず、毎日強めの酒を煽って寝ていた。

過干渉で何でも口を出すので、金をやって遊びに連れて行く。そうすると半月くらい黙って暮らしてくれる。

こいつの機嫌取りのために私の人生がまた削られていくのか、と客への当たりもキツくなり、支配欲も増していく。

親への復讐のようなことを客にしていた。もう風俗も辞めたい、ゆっくり暮らしたい。

そんな時に客として出会ったのが子供の父親。

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