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タスクシュートのログ記録とオペレーター時代の作業チェックシートについて

1.はじめに

今回は、私が新卒で働きだしたころの話です。
はじめに就いたこの「データセンターオペレーター」という職業で学んだことと、タスクシュートとの関連をご紹介します。

2.データセンターオペレーターについて

私は、データセンターオペレーターを約7年(1997年~2003年)していました。

データセンターオペレーターとは、簡単に言うと、データセンターで、サーバーなどの機器を毎日運転(オペレーション、操作)する職業です。

似ている職業は、電車やバスの運転手です。

運転手は、電車・バスそのものは作ったり、壊れた個所を修理したりはしませんが、ハンドルを握って運転しますよね。

オペレーターも、システムの運転のみに特化した職業と言えます。

例えば、毎日決まった時間に、テープ装置にテープを入れてバックアップ開始ボタンを押す操作を行ったりします。

そういった処理が1日に何百もあります。

3.この職業で学んだこと

私はこの職業で、「ログの大切さ」を学びました。

TCと似ているのは、オペレーターが作業したことを記録する「作業チェックシート」に、

「A処理 開始:XX時XX分 終了:〇〇時〇〇分 結果:OK?or NG?」

の記録を都度おこなっていました。

オペレーターの仕事は、1つ1つの処理が、問題なくできたのか、異常が発生したのか、確認するのが重要な仕事なのです。
当時、日々の業務の中で、大小さまざまなシステム障害が、結構頻繁に異常が発生していたので、私は日々、緊張感をもって取り組んでいました。

しかしながら、まだ経験の浅い私は、ボタンの押し間違いが大事故になる影響を持っているということが、頭ではわかっていても、身体で理解していないので、集中が途切れ、時折とんでもない操作ミスをしていたことがありました。。

さきほどの電車・バスの運転手に例えると、信号無視や、アクセルとブレーキの踏み間違いによる玉突き事故にあたるかもしれません。

もちろん、そんなミスをしたときは、当時の職場の先輩からも、操作ミスがなかったか、毎日細かくチェックされ、ちょっとでも操作ミスがあったり、報告の仕方が悪いと、引継ぎノートに熱心に(ぼろくそに?)指導されていました。

このため、毎日仕事始めに引継ぎノートをみるのがかなり嫌でした。
(もちろん、私が至らないので、自業自得なのですが。。。(苦笑))

ただ、先輩が書かれた引継ぎノートの内容は、「こんな事態になるなんて、、、お前に足りないのは、注意力と集中力と思いやりだ!」など、結構親身になっていろいろアドバイスしてくれていました。

なので、今になれば、若い時に先輩たちから色々教わったことは、とてもありがたいことだったんだなと感謝の気持ちです。。

4.障害が発生したとき、オペレーターの役割

ある処理でNGが出ると、それはシステム障害が発生したことになります。

そうするとまずは、システムが自動で蓄積していくログを調査します。
しかしそれだけでは、障害が発生した原因がわからないことが多いです。

そのため、システムのログだけでなく、「人間が、どのようにシステムを操作したか」という観点で、上記「処理チェックシート」を見返して、おかしかったところがないか、操作ミスをしていないか、レビューして、障害が発生した原因を追究するのです。

障害発生の原因追及時、残念ながらオペレーターは、直接原因を追究することはしません。あくまで操作専門のオペレーターは、そんなに深い理解で操作はしていません。どんな仕組みのプログラムが動いているのかは、システム運用管理者に聞かないとわからないのです。

そのとき何が起きていたのか、システム運用管理者に報告して指示を仰ぎます。
システムログと、オペレーターの処理記録(作業チェックシート)を、伝書鳩のように報告するところまでが仕事です。

オペレーターはまさに、オペレーション(操作)するだけの人、運転手です!

オペレーターは、マニュアル通りにプログラムの開始ボタンを押して、開始時間を記録し、処理結果を確認して、「OK or  NG」を記録していく仕事だったのです。

5.おわりに

このように、私は、オペレーターとして、電車・バスの運転手のように、ボタンを押して処理結果を記録することで、システムの運転をする業務をしていました。

そして、日常の何でもない些細な操作ミスや、異常ログの見落としが、大事故となることを何度も経験しました。

また、ログを追いかけることで、探偵のように「障害の原因は何だったのか」追求することの重要性を、身体で理解していました。

そのため、今になっても、「ログを記録する」って、生きるために必要なこととして身体に染みついているんだなとしみじみ感じます。

たまに若い方が、とんでもないミスをしたとき、私が若いころのように、情熱的に説教してくれる先輩と同じくらい、その若い方に重大さを説明できているか、不安になります。まあ、時代も違うし、こればっかりは、その方によりそって根気よく育てていくしかないんだと思いますが。。



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