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幸福実現党・釈党首のツイートが"炎上"。 ゼレンスキー氏を「自己中が過ぎる」呼ばわりで
3月23日、政治団体「幸福実現党」の党首・釈量子氏が、Twitter上でゼレンスキー宇大統領を「自己中が過ぎる」などと評するツイートを投稿をした。このツイートに対し、24日午後までに多数の批判的な反応が寄せられ、いわゆる”炎上”状態となっている。
・概要
当該ツイートがこちら(全2件)。
ウクライナの惨状を語り日本へのさらなる協力を呼び掛けたゼレンスキー氏。しかしその戦火を呼び込んだのは、ロシアの警告を無視して欧米へ急接近した自身の判断。失策は棚に上げ、復興の支援も求め、世界大戦に引きずり込むとは自己中が過ぎる。
— 釈 量子 (@shakuryoko) March 23, 2022
日本も、能天気に国会で演説を流して、北海道が露・中国に取り囲まれたらどうするのか。北朝鮮も加えて3カ国を敵に回して、国防はどうするつもりなのか。厳粛かつ慎重な検討が行われたわけではない。ポピュリズム(大衆迎合)という意味では日本も同じ。国が滅びかねない。
— 釈 量子 (@shakuryoko) March 23, 2022
ご覧の通り、プーチン露大統領の国際秩序を脅かす蛮行を「棚に上げ」て、現在、隣国からの侵略にあえいでいるウクライナ大統領に一方的な非難を浴びせかける内容だ。
幸福実現党(略称”実現党”など)は、宗教法人「幸福の科学」を母体とする政治団体。2009年の立党以来、過激な保守路線を中心に活動してきた。国会議員の当選はいまだゼロだが、46名の地方議員を抱えており、幸福の科学信者ではない保守系の人々からも一定の好意的な視線を集めている。また、同党外務局長の及川幸久氏は保守系ユーチューバーとして人気を誇っている。
しかし今回の釈党首のツイートには、知名度の高い保守系の人々も幻滅しているようだ。保守派で知られ、及川氏と交流がある作家の百田尚樹氏は、以下のツイートを投稿。
私の中で、幸福実現党は、次の参院選の候補から消えたな。 https://t.co/TU6KXjJrrM
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) March 23, 2022
今まで候補に入っていたと言うのも驚きだが、ついに見限ったようだ。
イスラム思想研究者で、保守寄りの発言が見受けられる飯山陽氏は激しく批判。
ウクライナのあり方はウクライナに決める権利があるというのを主権というはずなんだけど、釈量子氏によると、ウクライナには主権はなく、ロシアの言いなりにならなくてはならず、ロシアに逆らったのは失策で、ロシアに軍事侵攻されるのはウクライナのせいで、自己中ということになるらしい。意味不明。 https://t.co/H5ockYfca3
— 飯山陽 Dr. Akari IIYAMA 新刊『中東問題再考』予約開始 (@IiyamaAkari) March 23, 2022
いずれのツイートも、釈党首の投稿を大幅に上回る5000件以上の共感を集めており、今年夏に参院選出馬を控えた同党にとっては痛手だ。
・筆者の分析
さて、本記事の筆者は幸福の科学信者を親に持ち、同教団をウオッチしているが、自身は一切信仰していない。2年前からTwitterや本noteで教団を批判している。
そんな筆者が指摘したい点がある。
それは
今回の釈氏の発言は、個人の資質の問題にとどまらない
と言うことだ。
政治家が失言して批判を浴びるのはよくある話だ。例えばつい最近、立憲民主党の国会議員が、Twitterで陰謀論を発信してしまい非難の的となった。「DeepState(ディープステート)」とは、「国を裏で操る闇の政府」といった意味の陰謀論用語である。
武器や兵器を世界に売る「死の商人」たちは、#DeepState とつながる事が多い。
— 原口 一博 (@kharaguchi) March 19, 2022
訪米した折にも安全保障の議論を様々な角度から行ってきた。私たちは、彼らのことを「#戦争屋」と呼ぶことにした。
冷戦時代の西東では、判断のつかない事が増えた。 https://t.co/mo4kKRxVcp
この件は、たまたま原口氏が、おそらく党の見解とも異なるであろう根拠のない主張をしてしまったものであり、個人の問題が大きいかもしれない。
しかし釈氏は違う。幸福の科学の教祖は大川隆法という人物で、釈氏は彼を熱心に信仰している。大川氏はロシアのウクライナ侵攻について以下のように述べており、釈氏もその路線をそのまま継承しているのだ。
幸福の科学の機関誌から、大川氏の発言を引用しよう。
大川総裁は自身の意見として、「(ゼレンスキー氏は)NATOや日本まで巻き込んで、戦争させて、ロシアを潰そうとしているけれども、これは、やはり、越権でやり過ぎだと、私は考えています」と述べた。
また、日本の岸田首相もすでに踏み込みすぎているという。防弾チョッキを送った時点でウクライナに軍事協力したことを意味しているとし、「ロシアと友好関係を続けた方が、日本にとってのメリットは大きいと考えられる」と指摘した。
さらに、「私の考えとしては、やはり、中立化を言って、親ロシア側の方が、傀儡と言われるかもしれないけれども、ロシアと仲良くできる人が大統領になるべきで、彼は失脚すべきだというふうに考えています」と、ウクライナの国としての誤りを正した。
https://the-liberty.com/article/19309/
ご覧の通り、
・ゼレンスキーが世界を戦争に巻き込もうとしている
・日本はロシアと友好を保て
などの意見が、釈氏とそっくりなのがお分かりいただけるだろう。
これは今に始まったことではなく、これまでも釈氏はTwitter上で、大川氏の意見に沿った発言を発信し続けている。
さらに、このような見解は釈党首個人のものではなく、幸福実現党全体の意見でもある。同党ホームページに掲載された声明文もひどい。一部抜粋するが、気になった方はこちらで全文を読んでいただくこともできる。
現在、国際社会は、ロシアが一方的に悪く、ウクライナは被害者であるとの見方に立っています。今回の戦火は、ロシアの立場に対する理解に欠け、欧米への急接近を図ったウクライナのゼレンスキー大統領が招いた失策と言えます。(抜粋)
https://info.hr-party.jp/press-release/2022/12477/
釈党首だけがおかしいのではない。保守寄りの政策で、信者でない人々からも一定の歓心を買ったところで、けっきょく幸福実現党という組織自体が、大川隆法氏の意向に唯々諾々と従う存在なのである。たとえそれが、侵略国家ロシアを擁護し侵略被害国を貶めるような、非常識なものであったとしても。
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