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4月に安心感のある学級に育てれば、子どもは7月までにぐんと伸びます

今日もお疲れ様です。小学校教師の凜。です。

このnoteは、現場で働く先生を応援するために授業・学級経営に関する技術をお届けする「授業・学級経営の教室」です。


今日のテーマは「安心感のある学級の作り方3選+1」

こんなテーマでお話をしていきます。

安心感のある学級を作れる教師の特徴

「そもそもあなたは安心感のある学級を作れていたんですか?」

そう思われる方もいらっしゃると思います。


正直に申し上げますと、私は1,2年目のころ、安心感のある学級づくりができませんでした。

ただ、学級開きや4月の学級経営を工夫して、試行錯誤した結果、「安心感のある学級づくりが得意」とまで言えるほどになりました。


実際のデータがあります。

私が働いている自治体で実施された学力調査の中で学校生活に関するアンケ
ートが行われました。

「学校生活は楽しいですか。」という質問に対し、私のクラスで「とても楽しい」と回答した児童は全体の71.9%でした。また「楽しい」を含めると90%以上。3人を除くほか全員が4月末時点で学校生活が「楽しい」と感じていました。

ちなみに「とても楽しい」の自治体平均は57.8%、同学年の他クラスは50%37.5%でした。


「とても楽しい」が71.9%が高い数値であることがお分かりいただけたと思います。

アンケートを実施するタイミングや方法は全クラス全く同じです。休み時間が終わってそのままアンケートを実施しました。そのため、恣意的な操作はできず、信頼できる結果になっています。


ちなみにこのアンケートは4月末に実施されたものです。

学級の中で「あまり楽しくない」が2人、「楽しくない」が1人いました。

その結果をゴールデンウィーク明けの学級経営に活かし、その後に私個人で実施したGoogleフォームアンケートで同じ質問をしたところ、2人は「楽しい」に変わっていました。残念ながら一人は「あまり楽しくない」でした。それが7月のことです。


この学級は繊細な子と元気な子がごちゃまぜになった学級でした。その中で安心感のある学級づくりは容易ではありませんでしたが、保護者面談のときに保護者の方からありたがい言葉をいただくことができました。


Aさんの保護者「〇年▲組が楽しくて仕方ないようです」

Bさんの保護者「前の学年で嫌いだった授業を毎週楽しみにしています」

ではそんな私、凜。が安心感のある学級づくりをするために意識していたことを3つに絞ってお届けします。


安心感のある学級の作り方3選

安心感のある学級を作る方法の中で、「誰でも簡単にできる」3つに絞ってお届けします。


「安心感のある学級の作り方3選」はこちら。

  1. 子どもの○○を呼ぶ

  2. さよならの後の○○○○〇

  3. 教師の○○を伝える

「○○」に入る言葉を考えながら、読んでみてください。


子どもの○○を呼ぶ【安心感のある学級の作り方①】

安心感のある学級の作り方、一つ目は、

「子どもの名前を呼ぶ」

です。

子どもが安心感を抱ける場所には、必ず名前を呼んでくれる存在がいます。

名前はその人が生を受けたときに親からもらった贈り物です。

名前を呼ぶことで「君はここにいていいんだよ」「私は君のことをちゃんと見ているよ」と認めてあげることになります。

例えば、朝の挨拶をするとき、

「おはよう。」

と子どもに声をかけますよね。

その時に、一言だけ言葉を加えてみてください。

「○○さん、おはよう。」

すると子どもは「先生は私のことをちゃんと見てくれている」と感じることができます。

名前を呼ぶのにかかる時間は約1秒程度。

その1秒を工夫するだけで、子どもは担任に対して安心感を抱きやすくなるのです。


さよならの後の〇〇〇〇〇【安心感のある学級の作り方②】

安心感のある学級の作り方、二つ目は、

「さよならの後のグータッチ」

です。

自分が親であれば子どもにハグをしてあげたいところですが、教師としてそれは適切ではありませんよね。

けれども、スキンシップを取ることは良好な人間関係を構築するためには大切なことです。

そこで、日直が帰りの挨拶をした後、担任は教室のドア前に立ちます。

子ども達には事前に担任がいる方のドアから下校するように指導しておきます。(具体的な指導方法についてはここでは割愛します)

すると、子ども達は一方のドアに向かって列を作り担任の方に向かってきます。

目の前にいる子どもとグータッチをして「○○さんさようなら。また明日も待ってるよ」などと一人一人に声をかけていきます。

こうすることで、子ども達は「明日も学校に行きたい」「先生と話せた」という安心感を抱きやすくなります。

またこのグータッチがあることで、担任は下校直前に一人一人の子どもの様子をみることもできます。


もし、暗い顔の子や様子がおかしい子がいたら引き止めて話を聞くこともできます。

そこで数分でも話を聞くことで、家に帰ってから子どもが親に学校の不満を口にして、保護者から不信感を抱かれる心配が減ります。

何より、困っている子どもに手を差し伸べらえれます。

この「さよならの後のグータッチ」のメリットは、安心感だけではありません。

  • 急いで廊下を走ろうとする子どもがいたとしても、先生とのグータッチがあることで速度を緩める。つまり、「安全への配慮」ができる。

  • 廊下に出るまでの手順を示すことで、居残りをする子どもが劇的に減少する。つまり、放課後に仕事をする時間が増える。

たった数秒のグータッチをするだけで、担任には、これほどたくさんのメリットを享受することができるのです。

中高生の先生でグータッチもちょっと…ということであれば「ひじタッチ」でもいいと思いますよ。

【余談】放課後の居残りをさせてもいいのか?

子どもと話をする時間を取りたいと居残りを容認する先生もいますが、私はそれはよくないと思います。

コミュニケーションを取りたいなら放課後ではなく、授業や休み時間中にすればいいですし、個別に話したいのであれば、給食の時間に別室で話を聞くこともできます。(給食指導を工夫すると、担任の手が空きます。そうすることで、児童と一対一で話す時間を作り出せます。)

そもそも学年だより等で下校時間を伝えているはずですから、大幅な遅れがあると保護者は心配してしまします。

心配した保護者から電話がかけて、担任は対応します。

「すみません、今から下校させますね」

そして、保護者は学校に対して不信感を抱きます。

「学年だよりには15:20と書いてあったのに、16時になってきても娘が返ってこない。学校は何をやっているの?」

このように無駄な仕事が増えてしまってはお互いに何もいいことはありません。

下校時間を過ぎての居残りは、緊急の場合を除いてさせないようにしましょう。

それが、自分のために、何より子どものためにもなります。

教師の○○を伝える【安心感のある学級の作り方③】

安心感のある学級の作り方、三つ目は、

「教師の感情を伝える」

です。

学校生活では担任、先生として子どもに「やらせなければならないこと」が多いですよね。

そのため、先生が発する言葉はどうしても指示が多くなります。

分かりやすい指示ができることもクラスの子どもにとっては一つの安心材料になります。

ですがそれだけでは不十分です。

そこで、あなたの「感情」を帰りの会で伝えるようにしましょう。

帰りの会で「先生からの話」を設定しているクラスが多いと思います。

そこで普段は何を話していますか?

翌日の連絡事項や重要な提出物についてなど、事務的な連絡が多くなってしまっているかもしれません。

何を隠そう、1年目の私がそうでした。

見通しがもてていませんから、帰りの会で思い出したことをつらつらと話していました。

でもこれをやってしますと、聞いている側にとってはストレスでしかありません。

あなたが退勤する直前に校長先生から、つらつらと仕事やその他雑談をされたらどう思うでしょうか。

私なら「もう勘弁してくれ…」と思います。

自分がされて嫌なことなのに、なぜか子どもにはしてしまうことがあります。

ある程度教師の指導が行き届いている学級であれば、子どもは文句を言いません。

ですが、心の中では不快な思いをしている可能性があります。あなたが校長先生にそうされて嫌なように。

そこで、本当に必要な連絡以外はせずに、その日一日の学校生活であなたが感じたことを、クラスの子ども達に端的に伝えてみてはいかがでしょうか。

「今日も君たちと一緒に過ごせて、先生はうれしかったよ」
「今週も学校に来てくれてありがとう。また来週も待ってるよ」

帰りの会の「先生の話」では、連絡はほどほどに、担任の感情を伝えてあげましょう。

そうすることで、子どもたちの中でも「感情を伝える」ことが当たり前になっていきます。

わたしのクラスでは、さよならの後のグータッチで「私/僕も楽しかったです」と言ってくれる子どももいました。

「感情を言い合える組織」は高いパフォーマンスを発揮することは、もう何年も前に明らかになっています。

こんな偉そうに書いていますが、実はこのノウハウは私のオリジナルではありません。私が1年目の時の学年主任がやっていたことです。

私が与えてもらったように、私はあなたにも先輩の大切な技(技というより愛情)をあなたにも届けました。

次はあなたが、教室で子どもたちに感情を届けてください。

学級に安心感を生み出すために学級開きですべきこと【+1】

ここまで、安心感のある学級3選を紹介してきまいた。

ただこれらは、ゼロからプラスにもっていくための指導です。

実は一番大切なのは、「マイナスをゼロにする指導」です。

例えばあなたが職員会議で発言をするときを想像してみてください。

そこで急に管理職から「なんだこの提案は!やり直せ!」なんて言われたらどう感じますか?

次からは委縮してしまい話すのが怖くなってしまうのではないでしょうか。

これで見事に「安心感のない組織」が出来上がります。

あなたのクラスでは、このようにしてはいけません。

ではどうすればいいのか。

そのカギは「学級開き」にあります。

学級開きで必ず、あることをしてください。

それがこちら。


「叱る基準を示す」


長くなってしまいましたので、ここで詳しい話をすることは控えます。

もし、気になるという方は、いいねやコメントで教えて下さい。

今後のコンテンツづくりに活かしていきます。

まとめ

今回は「安心感のある学級の作り方3選+1」というテーマをお話しました。


本日のまとめがこちら。

【安心感のある学級の作り方3選+1】

  1. 子どもの○○を呼ぶ

  2. さよならの後のグータッチ

  3. 教師の感情を伝える


【安心感のある学級づくり 言葉がけ】

  1. 「○○さん、おはよう。」

  2. 「○○さん、また明日。(教室の扉前でグータッチなど)」

  3. 「今日も君たちと一緒に過ごすことができて、先生はうれしかったよ。」


冒頭でも取り上げた自治体実施の学力調査では、私が担当したクラスの学力は平均的でした。

ですが7月になり、国語「読み」分野のペーパーテストの得点率を調べたところ、結果は97%でした。

半分以上の児童が100点を取り、ほとんどの児童が毎回90点以上を取ることができていました。

これは私が、国語の指導を工夫した結果です。

ですが、この土台にあったのは「安心感のある学級づくり」です。

この4月から、またこれを読んだその時から、「安心感のある学級づくり」に力を入れてみてはいかがでしょうか。

きっと、クラスの子ども達にとっても、その保護者にとっても、あなたにとってもいいことが起きると思いますよ。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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今回の内容をラジオ形式で聞き流すことができるので、興味のある方はチェックしてみてください。

このnoteが少しでもみなさんのお役にたてていたら幸いです。

それではまたお会いしましょう。

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