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学生・社会人プロレス応援 リレー連載 佐々木コンプリートJr.(第1回)

 長かったコロナ禍も収束?しつつあり、学生・社会人プロレス業界は厳しい冬をなんとか乗り越えたと言えます。そこで本連載では「学生・社会人プロレスを見たことがない」という方向けに、実際に学生・社会人プロレスをやっている選手からメッセージを寄せてもらいました。

↓こんなことを聞いてみました。
①簡単な略歴
②プロレスに関する思い出に残る試合・エピソードなど
③自身が思う学生・社会人プロレスの魅力や面白さ
④プロレスをやっていて良かった点
⑤読者へのメッセージ

ーーーーーーー以下本文ーーーーーーー

佐々木コンプリートJr.
Twitter:@rider_variant

①略歴

 2010年UWF関東学生プロレス連盟に入門しデビュー。4年間の学生プロレス生活を経て、2016年社会人プロレス団体CWPに入団。

 タイトル歴:第54代UWF認定世界ヘビー級王座(2012〜13)、第2代CWPタッグ王座(2017〜18、パートナーはハミチツ二郎)、第12,14代CWP無差別級王座(2019、2021〜22)

②思い出に残る試合・エピソードなど

 思い出に残る試合・エピソードは数多くあります。

 その中でも思い出に残る試合を挙げるとするなら、学生プロレスの大学3年生の時に経験した、同期の引退試合の対戦相手を務めたことです。

 自分の同期は短大生であり、短大生が学生プロレスを行う場合、2年で卒業するかたちになります。ただ、その同期は1年留年することが決まっていたので、3年生のタイミングで引退することになりました。

 3年間苦楽を共にし、学生プロレスラーとして成熟した私と同期。しかしながら、どちらかといえば同期のほうが早く成熟し、お客さん人気も高く、多くの歓声を浴びるような、華のある選手へと成長していったのです。私はそんな同期に、ずっとジェラシーを感じていました。

 そんな同期と対峙したこの試合。「このまま今まで通りに試合をしていたら試合に勝っても勝負に負けてしまう」。そう考えた私は1つ、大きな対策を練りました。

 それは「お客さんがドン引くぐらいの残虐さを見せること」。試合では相手を踏んづけ、鉄柱に顔面を打ち付け、パイプ椅子で思いっきり殴りました。結果、私の予想通り、お客さんはドン引き。ただ、その分同期へと多くの声援が集まり、私にはブーイングが飛ぶように。

 試合が進み、私が同期の攻撃を強力な蹴り技で返すと、お客さんからも「アイツはすげぇ」となったのか、さらに歓声が巻き起こることに。この歓声がどんどんと増していくようなグルーブに包み込まれ、試合を終えた私は、同期との最後の戦いを終えた悲しさを感じつつも、ある種の気持ち良さ・心地良さを感じていました。

同期との引退試合

③学生・社会人プロレスの魅力

 瞬間瞬間の限りある時間の中でプロレスのことについて考え抜いて試合をすることだと思います。学生なら学業やバイト・他のサークル活動をしている人もいますし、社会人ならもちろん本業があり、家庭を持っている人もいます。

 そんな中でプロレスができる時間というのは限られています。その限られた時間だからこそ、プロレスができる時間とそれ以外の時間にメリハリを付けた上で、どうすればお客さんに楽しんでもらえるのか、どんな試合をしようかと瞬間瞬間で考える。その瞬間瞬間の中で生まれる面白さや楽しさがプロにはない、学生・社会人プロレスの魅力なのかなと思っています。

④プロレスをやっていてよかった点

 学生時代と社会人時代のそれぞれで挙げます。

◆学生時代「早いうちから大人とのやり取りを知れたこと」
 あくまでもサークル活動である学生プロレスですが、大人・社会人と関わることというのは少なからずあります。その大人と学生のうちから関わるため、早いうちからビジネスマナーやメールの仕方などのお作法を簡単にでも学べたのは良い機会でした。

◆社会人時代「いい休日を過ごせるようになること」
 前述しましたが、仕事をしながらプロレスをすると、日々の生活にかなりのメリハリができます。平日は一生懸命に仕事をして、休日は一生懸命にプロレスで遊んではしゃぐ。このメリハリが自分の中で一週間のいいルーティンになり、いいリフレッシュになります。

充実した休日を過ごす
社会人プロレスラー&スタッフの面々

⑤読者へのメッセージ

 プロレスを全く見たことがないという人こそ、学生・社会人プロレスをぜひ見てもらいたいです。

 「勉強しながら・働きながらこんなことできるのか」。そう思えると、だんだんと「自分も何か頑張ってみよう」という元気をもらえたりすると思います。我々もそんな声を聞けると嬉しくなりますし、またお客さんに見てもらえることでモチベーションも上がります。このお互いの士気が高まっていくようなグルーブをみなさんもぜひ感じてみてください。

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