星見ヶ丘坂道商店街-prologue-
海と山に囲まれた土地。
山の上には街の名前の由来にもなる、大きな望遠鏡のある天体観測施設のある図書館と、その図書館を挟むように建つ中高一貫校。
そこに向かう坂道に、たくさんの住宅や店が並んでいる。
街の人々はそこを 「坂道商店街」と呼んでいる。
そこに向かうには基本は歩きか自転車、もしくは車。
市が経営するバスもあるが、バス停は坂道の中程までしか通っていない。
麓の方には私鉄の電車も通っていて、海側の逆方向に3・4駅程行けば、少し発展している区間に入る。
しかしそこも、大きなショッピングモールや商業ビルがあるにはあるが、都会という程でもなくまた、田舎とも言い難い。
自由なようで不自由な、便利なようで不便。
そして、ほんの少し不思議な事が起こる。
そんな街、星見ヶ丘。
これは、そこに住む人々の様々なお話。