屋号を使いたいと思った理由

ハンドルネームは実家の屋号からとって、アイコンは家紋である「根笹に竹」にした。

屋号について、今まであんまり意識をしたことはなかったし、ちゃんと由来を聞いたことがない。実家に帰ると当たり前のように、近所の家の別称のように使われていたが、実家以外では聞いたことがなかったから、自分が住んでいる地域だけにあるものかと思っていた。どうやらそうでもないみたい。

江戸時代、原則としては身分制度により武士以外の者が苗字を名乗ることが認められていなかったため、人口が増加するにつれ同地域内で同じ名を持つ者が増え、個人を特定・判別しにくくなった。旧来の集落単位では人別が出来なくなり、商人や農家が、集落内で取引あるいは日常生活に不便を生じたことから、家ごとに名称を付け、これを人別判別の材料として使うようになった。​(Wikipediaより抜粋)

屋号や家紋を受け継げと面と向かって言われた記憶はないけど、祖父母にとっては、言わずもがな長男が継ぐものという考えていたと思う。両親にあったかどうかはわからないが、自分が好きなところで、好きなように生きていればいいと言葉では言ってくれていた。ただ、本心は違ったのかもしれないと思うこともある。それは父親が他界して、順番が回ってきたと考えるようになった自分がいた。つまり、言わないけど継ぐよな!という想いを感じてた気がしたから。

使うことで受け継ごうと思ったもの

僕は、滋賀県に生まれ、今は鎌倉に住んでいる。生まれ育った滋賀は、とても大切な場所で、常に何かしらのつながりを求めている気がする。しかし、自分の子供にとっては、生まれた場所である鎌倉は、おそらく帰ってくる場所になり、愛着も湧くだろうが、滋賀については、ゆかりはあるが、縁が薄らいでいくことは間違いない。(県と市を同列において、話していることにちょっとした違和感もあるが、まぁいい。)
しかし、最近の自分にとって、薄らいできているように感じていたところに、順番が回ってきた(と思っている)。誰かに、何かを継げと言われた事実はないけど、何か継いでおかないといけないと思った、おそらく長男だからだろう。

そんな時に真っ先に浮かんだのが屋号。
自分の本名とは別の呼び名になることで、過去からずっと連なっている大きな何かを継承できるのではないか、そして大きな力を与えてもらえるのではないか。そう、力が宿るという言葉がしっくりくる感じ。

理由や物語がある

仕事での判断や決断、日々毎日を過ごす上での一つ一つの選択は、直感的なものでまったく問題はない。ただ、直感的と思っているその行動は、過去の経験や理論に則って行っていると思う。それならば、自分がとった行動や選択、決断については、他人に伝えられる理由や物語(ストーリー)持っておきたいし、準備しておきたい。何よりストーリーがあるものの方が愛着が湧くし、大切にする。

今、使っている屋号にも家紋には、僕がつけたものではない、それぞれの意味があると思う。そして、今回、使いはじめた物語も理由もある。

「佐平治」は僕にとって、力をくれるものであり、渡されたバトン。しばらくは大切に持っていて、いずれ「受け継がなくてもいいよ!」言いながら、存在と物語は伝えようと思う。その時は、おそらく大事に思ってほしいと思っている気がする。結局は、受け継いでもらいたいものなんかな。

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