岐阜ソロバンジー体験記


なぜ飛びたかったか

テレビで罰ゲームなどでバンジージャンプをしてる人を見ながら『飛んだら価値観変わりそう。死ぬまでにいつか飛んでみたいな』と思っていた。ただ値段がかなり凶暴な為なかなか踏ん切りがつかないまま、バンジーの事を頭の片隅へと追いやって過ごしていた。

私事で申し訳ないのだが、今年4月以降からの仕事が忙しすぎたのも今回挑戦するに至った要因のひとつにある。前任からロクに説明も無いまま次から次へと仕事が舞い込んでくる。コロナへの認識が緩和されたためコロナ前のようなイベント事が徐々に復活してきているのだが、その頃の資料が廃棄されてどこにもない(ぶっころ〜♪)。上司は定時退社を促してくれるが、その上司がセクハラをしたせいで仕事が増える(課内の状況整理と今後の対応ってこれ上司の仕事じゃないの??)。

飛びたいゲージはもう溢れんばかりにたっぷんたぷんになっていたのである。

転機

そんな中、私は5月中旬に友人に連れられ気晴らしにと久しぶりにパチンコへ行くことになる。(ゲーム配信者の来店イベント)
すると開始10分で当たり、とんでも無く大勝ちしてしまう。突如舞い込んだ大金。これはチャンスだと思った。
すぐに買いたかったけど考えないようにしていた物(双眼鏡、掃除機、本、様々な配信チケット、ハロプロ楽曲)を買い、そしてバンジージャンプを予約した。1番近い会場が日本で1番長いバンジージャンプだったのでそこに決めた。

できるだけ早く飛びたかったので、予定が入っていない最短日に予約した。けれど見切り発車な割には同行者は欲しかったため、よく遊んでくれる友人達に片っ端から連絡するも皆他の予定があり誰も捕まらなかった。キャンセルするかそれでも行くか数往復揺れたが、早く飛びたい気持ちが勝り結局ひとりで行くことにした。

いよいよ当日

会場に到着すると四角く古いフランス製の車の車内に案内され(どこを見ても、当日の会場スタッフがブラジル系移民の方ばかりで何だか不安になり始める)、まず『バンジージャンプは危険なスポーツです。死ぬこともあります。それを分かったうえで私は挑戦します。死んでも(バンジージャンプ運営会社を)訴えたりしません。』みたいな内容の誓約書にサインし(サインしてる時が飛ぶ瞬間の次に怖かったかもしれない)、モモンガスーツ(落下スピード軽減のため?)を着て、飛び方の説明を受けた。
予約した時間帯の参加者は自分の他に3人いた。飛ぶ順番はスタッフが勝手に決めるのだが、死にたくはないので動作も交えて説明を受けていたからか、1番手に選ばれてしまった。

参加者全員の集合写真(自分は左端)
会話の内容から中央の2人は卒業旅行で、右端の人は家族旅行で来たらしい
後ろの赤い車が受付
右奥のプレハブがロッカーになる

色んなオタクなので、写真を撮る時にやりたいポーズがありすぎて困る。幸せな悩みである。

スタッフに連れられて受付からジャンプ台までの200メートルくらいの距離を歩く。でっかい金具をガッチャガチャ鳴らしながら歩く。緊張からか誰も喋らない。卒業旅行で来たらしい2人組も喋らない。皆さながら囚人のよう。高い料金払ってるのに…。

橋中央部に飛び出ている四角い牢屋のような物体がジャンプ台になる

本番

牢屋(ジャンプ台)に着くと、SAに売ってるような安いEDM集とともに屈強なブラジル男性達が出迎えてくれた(みんなニヤニヤしてる)。貴重品をカゴに入れ、順番にヘルメットや命綱、サポーターを手際よく装着してもらい、全面金網で出来たジャンプ台に1人ずつ順番に入室する。最後にGoProの録画を始動させ、ジャンプ台の先の定位置へ誘導される。(GoProの録画時間は1:30だけ、撮り直しは不可との説明があった。)GoProが起動したらもう飛ぶしか無い。お兄さんに『ココツマサキダシテ』ともうほぼはみ出てる位置で待つよう指示を受ける。お腹から5キロくらいの鉄の塊を垂らされる。結構重たいので自然と前屈みになる。高い…風も強い。『マエミテヤマミテ…』と指示される。青々とした山、谷、山、周りの男達はニヤニヤしている。構えたカメラが目に入る。『行きまーす!』と声をあげる。静かに飛ぶとかサイレンみたいに叫ぶとか、あーだこーだ事前に友人と話していたのだか、屈強な男達に囲まれたのと陽気な音楽とGoProの制限時間とでそんな事はすっかり忘れ、すぐに飛んでしまった。

凄まじいスピードで落下していく。余りにも非現実的過ぎて、CGの映像に飛び込んでいるような不思議な感覚だった。

弾みすぎて地面に激突するのでは無いか?心配していたが、だいぶ手前で止まった。ちょっと物足りなかった…。止まった瞬間CGじゃ無くてこれは本当の景色なんだとわかる。やっぱり高い。風もすごい。晴れてよかった。

飛んだあと絡まれた

陸に戻ると仏頂面だったお姉さんスタッフがニヤニヤしている『どうだった?』『一瞬でしたね。ジャンプ台につま先10センチくらい出すの、メッチャ怖かったです。』『あそこね、あそこが本当にやばいよね』(スタッフ的にもあそこが恐怖の山場なのか…?)

3番手4番手に選ばれ順番待ちをしていた(北海道から卒業旅行中だという大学生)2人組に話しかけられ、感想と飛ぶ時の注意点を聞かれたりした。3番手君が飛び、戻ってくる、興奮した様子の3番手君、感想を友人の4番手君ではなく初対面の人間に話し始める。4番手君が緊張した顔で準備する、3番手君は興奮しっぱなしで卒業旅行へ一緒に行くほどの友人である4番手くんの写真や動画を撮ってあげないので、折角なんだから動画を回した方が…と促す。ここの角度良いねとか話す。4番手君が飛ぶ、(4人全員が飛んだら受付に戻って映像データと証明書を配布。解散の流れの為)ひと足先に戻り始めると、3番手君も横に並んで戻ろうとして来たので(今でも意味がわからない)、4番手君が不憫なので(バンジー飛んで友達が先に帰ってたら嫌だろ)牢屋へ引き返して戻ってくるのを待つ。(北海道から卒業旅行中なのにこっちに着いてくるのは違うと思うよ…この後もまだ旅行は続くのに気まずくなっちゃうよ…)

スタッフの方も大学生たちも、何故1人で飛びにやって来ているか質問してこなかったのは大変助かった。(まあ聞けねぇか…!)

一瞬で終わってしまい、本当に自分は飛んだのか夢だったのでは無いかと思ってしまっていたが、映像が残っているおかげで『本当に飛んだんだ!』と実感できた。ありがとうGoPro。ありがとう陽気なお兄さん。

おわりに

バンジージャンプ後の初の職場、バンジー前と後で特別変化は無い。
けれど、憧れているあの人も、嫌いなあいつも経験したことのないであろうバンジージャンプを経験している、という特別感がある。
ふとした瞬間のあと一押しとして、あの時の経験が力を貸してくれる気がしないでもない。

気になった方は飛んでみてください。
感想を聞かせてくれたら嬉しいです。
それでは!

※参考 
岐阜バンジー初回28,000円 2回目以降割引
(R5.6月現在)

※加筆


R5.6.7 23時ごろ:読みにくかった表現の修正。1番手に飛んで戻ってきたら、スタッフと3番手4番手に絡まれた話を追加しました。

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