定年退職 健康保険を選ぶ
退職一ヶ月前頃のこと
「いろんな手続きがあると思うんだけど、誰からいつ頃説明があるの?」と人事の課長に聞くと
「えっと、、、担当から後で連絡させます」
しばらくして、メールが来た。まとめると
コロナ以降、在宅勤務が増えたので対面での説明はしていない
しばらくしたら退職関係の書類一式を家に送る
社員証、社用のクレジットカード、健康保険証など、返送してほしい
退職後の年金、健康保険の説明も入っている
従業員が退職した後、会社も元従業員も困らないように法律にも従って手続きはしっかりできているし、問題があれば直すだろう。
ところが、手続きが簡単か、わかりやすいかという点で考えれば、退職者側は自分で苦労しないといけない部分が多いのは仕方ない。担当者は退職した身とはないし、何度手続きをしているのでどこがわかりにくいか、面倒だかもわからない。
だから自分で調べるしかないだろう。
そこで、健康保険や年金などについて調べておいた。理解も深まり、確認しておいてよかった。
健康保険について、調べたことで、知っておいた方が良いことをまとめてみた。
今回調べたのは、みんなが「会社の健康保険に入っている」と説明する健康保険です。会社勤めの人が入っているのは、組合健保か協会けんぽのどちらかです。これについて調べました。
細かい制度や、保険金額は組合や協会けんぽによって違いますが、基本的な考え方は同じです。この記事は、方針を決めるのに役立ちます。最終的に判断するときには、健康保険組合、協会、市区町村に確認してください。
定年退職 健康保険の選び方
会社員は健康保険を選べなかった。節約できなかった
あなたは健康保険の保険料をいくら負担していますか。
退職するときになって初めて健康保険料を意識しませんでしたか。そして保険料の負担がかなり大きいことにびっくりしませんでしたか。
健康保険の保険料は給料から天引きされていて、その金額は、収入によって決まっています。なんとかして節約できるものでもありません。保険料を節約するために自分でできることもありません。
いっぱい天引きされていると思っても何もできないので意識もしなくなります。給料が上がるにつれて保険料上がりますが、何もできないので、そんなものかと思って終わります。
退職時には健康保険を選べる
ところが、退職したときには、健康保険を選ぶことができるのです。
定年退職後に健康保険に加入するには次の5つの方法があります。その中で、自分が入れるものから、優位なものを選ぶことができます。
1 健康保険の任意継続制度の利用
退職後、今までの健康保険に入り続けることができます。期間は2年間、又は次の健康保険に入るまでです。
保険料は退職時とほぼ同じです。ただし、会社負担分がなくなるので、自己負担は、ほぼ倍になります。
この制度を使うには、退職後すぐに手続きをする必要があります。
2 特例退職被保険者制度の利用
退職後、今までの健康保険に入り続けることができます。期間は老齢年金を受け取る資格ができてから、後期高齢者医療制度に加入するまでです。
年齢では、65歳から75歳になるまでです。年金を繰上げ受給することで60歳から入ることもできます。
保険料は、その組合に入っている人の平均とほぼ同じです。ただし、会社負担がないので、自己負担分はその組合に入っている人の平均のほぼ倍になります。
私の知る範囲では「任意継続制度」を2年間使ったのち「特例退職被保険者制度」に加入することもできます。どこかに再就職し退職後に以前加入していた健康保険の「特例退職被保険者制度」を使うこともできます。ただし、ご自分の健康保険でも後から加入できるのか確認してください。
3 国民健康保険
誰でも入れます。
保険料は所得によります。組合健保や協会けんぽと違い、扶養家族も一人ひとり支払います。扶養家族がいる方は、支払いが増えるかもしれません。
4 家族の扶養者となる
家族のどなたかの扶養者となれば、保険料を支払うことなく、健康保険に入れます。ただし所得制限などがあります。
5 後期高齢者医療制度に加入する
75歳以上の方は全員、自動加入します。保険料は、所得によって決まります
選ぶにあたり気にすること
どの健康保険を選んでも、医療の質には変わりがないので、コストや制度の違いなどから自分に合うもの選びましょう。
制度の違い
会社勤めをしていたときには、組合健保か協会けんぽが運営する健康保険の被保険者になっていたと思います。
実は、組合健保や協会けんぽには、「付加給付」という国民健康保険にはない追加給付があります。
例えば月の医療費が25,000円を超えた場合、超えた分を払い戻してくれる組合もあります。
また、人間ドッグなどの費用を補助する組合もあります。
このような制度違いを確認してください。組合によって様々なので、自分の入っている健康保険の独自の制度を確認しましょう。
費用
「任意継続」と「特例退職被保険者制度」の費用は、ご自分の健康保険の事務局に確認するとわかります。ホームページなどで確認すると、大体の金額はわかると思います。
国民健康保険の費用は、前年の収入によって決まります。国民健康保険では扶養家族の分も支払うことになります。さらに具体的な費用は市区町村で違います。市区町村のホームページなどで確認しましょう
選び方のお勧め
次の順番で選ぶのがおすすめです。
1. 扶養される
費用もかからず、組合健保又は協会けんぽに入れるので、これが可能であれば、これを選択します。
2. 特例退職被保険者制度の利用
サービス内容は、「任意継続制度の利用」と同じです。
75歳まで継続できます。コストを「国民健康保険」「任意継続制度」と比べてください。「国民健康保険」「任意継続制度」の方が安価になる方もいます。
3. 任意継続制度の利用
「特例退職被保険者制度」が使えないときは「任意継続制度」をお勧めします。
「特例退職被保険者制度」は加入期間が足りない場合や、そもそも「特例退職被保険者制度」がない組合も多く、使えない場合も多いです。それに引き換え、任意継続制度はハードルが低く、使えるケースが多いです。
コストを「国民健康保険」と比べてください。「国民健康保険」の方総合的に優位だと判断する場合もあるかもしれません。
4. 国民健康保険
付加給付がないこと、扶養家族制度がないことなどが、組合健保や協会けんぽと違いますが、受けられる医療に違いがあるわけではありません。
自営業の方などが入る標準的な健康保険です
まとめ
健康に過ごして、健康保険を使わないのが一番いいのですが、そういうわけにもいきません。
「特例退職被保険者制度」や「任意継続制度」は、国民健康保険にない「付加給付」もあります。それまで入っていた、馴染みのある保険制度がそのまま使えるのもメリットでしょう。
収入によっては、国民健康保険のコストメリットが高い方もいると思います。
悩むならば、まずは「任意継続制度」を使いましょう。いつでも退会して、「国民健康保険」に切り替えることができます。「国民健康保険」から「任意継続制度」に切り替えることはできません。
2024.9.2
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