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議院の品格とヒゲへのヤジ

少し前の話ですが、神奈川県議会において答弁者の男性がヒゲを生やしていたことに対し、自民党の県議がヤジ暴言を行ったことがニュースになっていました。

ヒゲを生やすことが綺麗か汚いかは個人の美的感覚によるもので、ヒゲそのものを否定するのはおかしい話です。議院の品格と行っていますが、自民党の国会議員にはヒゲの隊長としておなじみの佐藤正久議員もいます。佐藤議員も議会にはふさわしくないと思っているのでしょうかね?

この議員が本当にヒゲが嫌いだったのか、あるいは別の政治的理由で答弁を妨げようとしてヒゲに言及していたのか。どちらにせよヒゲに対して誹謗中傷する正当な理由などどこにもないのです。

昔ならたくましいヒゲを生やした政治家も珍しくなかったでしょうし、むしろほとんどの男性がヒゲを蓄えない時代というのは、長い歴史の中でも現代だけでしょう。

ムスリム(イスラム教徒)では、男性はまず間違いなくヒゲを生やしています。ヒゲを生やしていることを否定するのは、場合によっては特定の宗教を否定することになりかねないので、この点でもこの議員の発言は時代遅れでしょう。ムスリムでなくとも、ヒゲを生やしている人はいますし。

先日別のnoteで、フランスにおけるムスリム女性が着るヒジャブについて書きましたが、自由・平等・友愛を国是に掲げるフランスですら宗教的不寛容は存在します。

日本国憲法では、人種、信条などの差別が禁止され、思想、信教や表現の自由が保障されています。

少し考えればヒゲを揶揄することが駄目なことくらい、小学生でも分かりそうなものですが、そこまで考えずにヤジってしまう議員がいることの方が、議院の品格を貶めるものです。

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