恵方巻き大量廃棄問題を別の方法で解決できないか
過ぎ去った日の問題を取り上げるというタイミングの悪さは置いといて、恵方巻きの廃棄が問題なっているのは以下の点でしょう。
・巻き寿司は生もののため、直前に作って直後に廃棄せざるを得ない
・いつの間にか流通業(スーパー、コンビニ)によって広められただけの風習
・店員が自腹で購入させられる
廃棄はおそらくクリスマスのチキンとか土用の丑の日の鰻も同じでしょうし、自腹購入も他のイベント日に問題になっています。ハロウィンもメディア側と売る側の猛プッシュによります。
しかしこの3つが揃っているのは恵方巻きだけでしょう。既に広まった以上、恵方巻き自体を無かったことにするのは難しいです。
また、機会損失を極端に教える経営手法が世の中の経営陣の頭の中に刷り込まれていますから、売り切れる分だけ作る(在庫を持つ)ということもできないでしょう。そのために自腹購入の強制という無茶が出てくるわけですが、そんな店は辞めてしまえ、というのはおそらく部外者の気楽な意見なのでしょうね。店員にしてみたら、在庫廃棄による経営悪化は店員の雇用にも影響しかねないという点から見ると、利害を共通している部分があります。もちろん、だからといって自腹強制は全く許されない所業ではあるのですが、なかなか無くならないでしょうね。
また、恵方巻きが巻き寿司である以上、作った状態での賞味期限が短いのも防ぐのは難しいです。
とどのつまり、1年に1回のイベントだから、売る側作る側はこのタイミングで一気に稼ぎたいし、逆に買う方としてみたら一人一本食べれば充分なわけですから、長期在庫できない商品としては致命的なミスマッチが存在します。
じゃあこれを解消するには、ということで、いっそのこと1年に1回の節分だけの行事ではなく、例えば
「毎月3日は恵方巻きの日!」
とか、
「毎週水曜日は恵方巻きを食べよう!」
とか、恵方巻きキャンペーンを行う頻度を多くしてしまったらいいんじゃないでしょうか。気分もムードもへったくれもありませんが、そもそも20世紀終わり頃から流通業がキャンペーンの商材として無理矢理担ぎ出してきたコンテンツなんですから何とでもなると思います。
現状は、消費者側は自分が買わなかった分が大量廃棄されるのを容易に想像させられますし、売る側は店員レベルでは自腹で購入させられるし、店長レベルでは在庫調整で苦しみますし、経営レベルでは機会損失を防ぐために余るのを承知で在庫を抱えなくてはいけないし、原材料を作る人は自分が丹精込めて
作った品がそのまま捨てられたり豚の餌になったりすることになります。
誰も得していないこの状況がこのまま続くとは思えませんが、誰かが何かをしないとこの状況は続くでしょう。恵方巻き特売のスーパーのチラシを折り込みに入れる新聞も、スーパー・コンビニのCMがかかせないテレビも、大量廃棄批判をする資格はあるんでしょうかね。
そうはいっても新聞もテレビも広告主には逆らえないでしょうから、直接批判するのでは無く、新しい恵方巻きの風習を作り出して、誰も損しないような流れに持っていくのもマスメディアとして出来ることなのではないでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?