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髭を好き勝手に伸ばせない空気の社会

日本人の一般男性は、あまり髭(ヒゲ)を生やしていません。イスラム圏では宗教上の理由でほぼ全ての男性が髭を伸ばしていますが、たいていの日本人は毎日綺麗に剃っています。今どき髭を平然と生やしている人は、宗教上の理由でなければ、イケメンかイケメンもどきのどちらかです。

髭が濃い人は当然、
「毎日剃るのは面倒!」
とは思いますが、現代日本の職場ではなかなか、無精髭だろうがカイゼル髭だろうがチョビ髭だろうが生やして出社するには心理的ハードルが高いです。

その人個人の内的ハードルよりも、周囲の髭を生やして出社するなという空気感による外圧の方が強いでしょう。

ワイルドな格好良さとかイケメン感を出したいという欲求もあるでしょうけれど、年を取ってくると髭剃りの面倒さを何とか軽減したいという欲求の方が勝ってきます。

ただ、社会全体や企業・組織内での、「髭面を許さない空気」によってその欲求は阻まれます。当たり前ですがはっきりと髭面を禁ずるルールを就業規則に入れている企業なんてないでしょうけれど、髭を伸ばして行ったら上司から、
「君、その髭はちょっと、清潔感がね……?」
と言われるのが目に見えています。

みんな髭を生やしたいのか分かりませんが、検索で見つけたジレットジャパンが2004年に実施したアンケートでは、成人男性の7割が「髭を生やしたい」と思っているそうです。

その一方で、女性からは髭を生やした男性が嫌いとか清潔感がないとかいうアンケート結果も容易に見つけられます。

多分、これを言うと批判が来そうな気がしますが、自分がしたいファッションと周囲から要求されるファッションのズレがあるという点では、女性が周囲から受ける化粧矯正やハイヒール強制の問題と似通っていると思います。

関羽みたいな髭を生やしたいとは思いませんが、多少の無精髭や1〜2センチくらい伸ばしても何も言われないような、髭を好き勝手に生やしてもプレッシャーを受けない時代が来てほしいとは思います。

コロナ禍によって顔の下半分がマスクに覆われて人に見られない時代にはなりました。とは言っても髭が濃い人はマスクに覆われていない箇所にも生えますので髭剃りしなくていい状況ではありません。ただ、マスクで見えない箇所は髭を伸ばすのなら、髭剃りの時間は半分くらいに出来ます。

このマスク時代によって多少は世間の意識が変わるでしょうか? オッサンの髭面とかどうでもいいと思われているでしょうけれど、それならそれで髭を嫌う空気もどうでもいい感じに無くなってほしいのですが。


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